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ヘッドホン&イヤホン再生環境再構築⑤ 〜 FiiO K9 Pro ESS の導入

先日のブログで書いたように、FiiO R7の音は思っていたよりは良かったけれど、何かしら物足りなさを感じます。

そこでR7はトランスポーターとして使用し、DAC内蔵ヘッドホンアンプを追加することにしました。
※ワイヤレスイヤホンを使用する際はR7と繋ぎます。

候補は2つあって、1つはFiiO K9 Pro ESS。

もう1つはTEAC UD-505-Xです。




どちらもESS TechnologyのレファレンスDACであるES9038シリーズをデュアル構成で使っていますが、使用しているチップがK9 Pro ESSはES9038PRO(8ch)で、505-Xの方はES9038Q2M(2ch、mobile版?)という違いがあります。
※同じES9038シリーズだけど、世間ではES9038PROの方が上位という位置付けかな。
※どちらもモノラルモードで使用することでダイナミックレンジ、S/N比を高めています。
※昨年、ES9038PROの弱点(?)である消費電力を大きく低減したES9039PROが発売され、2月18日発売予定のA&K ACRO CA1000Tに世界初搭載されました。価格が半額だったら候補に入れたかもしれません(笑)


アンプ部はK9 Pro ESSがTHX-AAA 788+で基本的にはR7と同じですが、回路構成図を見るとアンプ直前に入っているボリューム回路のクオリティがR7より高いですね。
※「THX AAA(TM)アンプは、THXがコンポーネント・テクノロジー分野に進出した初の製品である。これは高調波、相互変調、クロスオーバー歪を20倍から100倍軽減し、信じられないほどのリアルで疲れを伴わないリスニング体験を提供するとともに、10倍も電力消費を軽減し、とてつもなく長いバッテリー寿命を実現する。THX AAA(TM)は、従来の歪メカニズムをキャンセルしバイアス電流を軽減する特許取得済みのトポロジーを使って、これを実現している。」こちらより引用。

一方505-XはTEAC独自の電流伝送強化型出力バッファーアンプ『TEAC-HCLD2』を搭載し、ヘッドホン出力にもこのTEAC-HCLD2を使うようです。
※以前使っていたNT-505に搭載されているTEAC-HCLDの進化版ですね。

どちらも片チャンネルあたり正負2回路構成の完全バランス伝送ですが、505-Xは電源回路もLRが独立した完全なデュアルモノラル構成となっています。
※K9 Pro ESSは電源回路はLR独立ではないけど、アナログ用電源とデジタル用電源が独立しています。


細かく見ていくと機能的な違いはあるけれど、私が使う機能に関してはほぼ同水準なので、どちらにするかかなり迷いました。
※K9 Pro ESSは、4pin XLR出力、aptX Adaptive受信、設定用アプリ(FiiO CONTROL)、USB-C入力
※UD 505-Xは、入力可能な信号周波数がK9 Pro ESSの2倍(DSD 22.5MHz、PCM 768kHz/32bit)、アップコンバート機能(含む:to DSD)、10MHz外部クロック入力可能、リモコン付属

K9 Pro ESSはアンプ回路が基本的にR7と同じなので勿体無い(同じアンプを搭載した機器が2台になるのでコスパが悪いというか目新しさが無い)気がして、それならDACはシリーズ下位になるけどアンプ回路が違う505-Xの方が良いかなとも思ったのですが(ヘッドホンをR7に繋ぐか505-Xに繋ぐかで音の差が楽しめる)、最終的にはK9 Pro ESSを選びました。

理由は、どうせだったらES9038シリーズの最上位のチップをデュアルで使った音を聴いてみたかったことと、筐体のサイズがK9 Pro ESSの方が小さいので(K9 ProESSは幅が20cm、505-Xは29cm)ベッドサイドの棚の上に置くのにちょうど良い大きさだったからです。
※ES9038PROはNT-505の前に使っていたOPPO SONICA DACに搭載されていたので聴いたことはあるのですが、SONICAはシングル構成だったのでデュアル構成の音を聴いてみたいのです。

あと、同じFiiOの製品同士の方が相性が良いかなと思ったのも少しあります。

と言うことで、ESSのDACチップの最高峰を選ぶことでR7では感じにくかった"個性"を求めてみることにしました。


ちなみにK9 Proプロジェクトは、元々はAKMのフラッグシップDACチップ AK4499をデュアル構成で使用する予定だったのですが、2020年10月に旭化成エレクトロニクスの延岡工場で発生した火災のため十分な量のチップ調達が出来なくなり、やむなくDACチップをシングル構成にすることでK9 Pro AKMを発売したそうです。

ただ、FiiO最上位のDAC内蔵ヘッドホンアンプを開発するというK9 Proプロジェクトは、基本的にはフラッグシップDACチップのデュアル構成を目論んでいたため、使用するチップを調達が不安定なAK4499からESS TechnologyのES9038PROに変更することにしました。

とは言え単にチップを載せ替えれば良いと言うものではなく、ES9038PROに最適化するためには苦労があったそうです。

この辺りの話はheadpfonia.comの記事をお読みいただければと思います。
※記事は英語ですが、Googleの翻訳機能を使えば日本語で読めます。


K9 Pro ESSは明日午前中に届く予定なので、電源ケーブル、USBケーブル、インシュレーターを準備し、直ぐに設置できるようにしました。

またまた100時間エージングをしなければなりませんが、どんな音が聴けるのか楽しみです♪


briareos.hatenablog.jp