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audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

ヘッドホンオーディオシステムのセッティング変更 ⑥:ハムノイズ撲滅作戦の結果と最後の仕上げ

briareos.hatenablog.jp

一昨日実施したハムノイズ撲滅作戦第2弾の結果について書き留めておこうと思います。

まず現在悩まされているノイズについて整理しておくと、次の3つになります。

  1. アイソレーショントランスの唸り
  2. PRELUDE起因(?)のハムノイズ(素手で触ったら収まるノイズ)
  3. スピーカーオーディオシステム用の電源リジェネレーター(P10)の唸り

1については、これまでアイソレーショントランスのコンセントBから取っていたヘッドホンオーディオの全ての電源を、コンセントAとコンセントBに負荷分散すれば抑えられることがわかったので、アイソレーショントランスをAVラック裏からヘッドホンオーディオ用ラックの横に移設して電源を振り分けることで実現しました。

2については原因がよくわからないのですが、PRELUDE(アンプ)が関わっていることは間違いないので、唯一スタッキングしているR26(DAC)とPRELUDEの設置方法を少し弄ってみました(前回のブログを上げた後に思いついた)。
具体的には、PRELUDEの足として使用しているインシュレーター(ステンレス)の下に非導電性ゴムを敷いて、PRELUDEとR26の筐体同士を絶縁しました。
まあ気休めですが...。

3については、もしかしたらDCブロッカー(P10に供給される電気に混じっているDC成分を除去するアクセサリー)が効くかもしれないけど、本当に直流成分が原因なのかわからないので(どちらかというと懐疑的)、現時点では放置することにしました。

そして一昨日の就寝時に確認してみた結果、そして念の為に昨晩確認してみた結果は、次の通りです。

  • 1と2のノイズは無くなりました!
  • 3はまだ微かに聞こえるけど、対策前よりもノイズレベルが下がった気がします♪

1については予想通りだけど、2のハムノイズが無くなったのは予想外の成果で、これが一番嬉しいかも。
非導電性ゴムが効いたのかな?

3についてはヘッドホンから音が流れていない無音時でないと聞き取れない程度なので、極力意識しないように(当たり前のものとして慣れることに)します。

と言うことで、10日ぶりくらいにノイズを(ほぼ)気にすることなく音楽を聴くことができました♪
スイッチとサーバーを移設する前はそもそもノイズなんて無かったから単に元に戻っただけなんだけど、達成感がありますね。


これでヘッドホンオーディオシステムはほぼ完成形になりましたが、アイソレーショントランスと一緒に移設した光城精工の電源タップに使用している電源ケーブルが、オーディオ機器に付属してくる普通の3ピンケーブルなので(使えるケーブルがこれしか無かった)、システムの仕上げとして電源ケーブルを1本購入しました。

オヤイデ L/i50EXs2というケーブルで、以前導入したオヤイデの電源タップに使用されているのと同じケーブルです。

光城精工の電源タップにはTransparentの線材を使った自作ケーブルを使い、L/i50EXs2はとりあえずR26(DAC)に繋いでエージングしています。
※R26に繋いだ理由は、アンプ以外で一番消費電力が大きく、しかも常時通電なのでエージングに好都合だから。

明日の深夜にはメーカー推奨の通電30時間を超えるので、エージングが終わったら7本の電源ケーブルの配置について悩みたい(楽しみたい)と思います♪

ヘッドホンオーディオシステムのセッティング変更 ⑤:ハムノイズ撲滅作戦 第2弾

briareos.hatenablog.jp

ネットワークスイッチ LHY Audio SW-6は予想以上の音質アップをもたらしてくれました。

しかしながらSW-6導入のため事前に実施したスイッチおよびサーバー設置場所の変更によってハムノイズが発生するようになり、その撲滅のために電源系取り回しの見直しを行なったところまでは昨日のブログに書いた通り。

そして就寝時にアイソレーショントランスの唸りおよびハムノイズが無くなったかどうかを確認しましたが、残念ながらまだ残っていました。

どうしても気になって仕方がないので、それから2時間ほどかけていくつかの実験や確認作業を実施した結果、次のことが判明しました。

  • アイソレーショントランスの唸りは、負荷量がトランス容量の上限に近くなると発生し、これが主要因
  • 昇圧トランスとの併用も若干影響があるみたい

私が使用しているアイソレーショントランスは今は亡き中村製作所のAIT-160TWと言うモデルで、160VA容量のトランスを2基搭載し、独立した2系統の電源を供給することができます。
しかも機器内部のスイッチを切り替えることで、各系統ごとに100V/120V出力の切り替えが可能です。

昨日のブログに書いた(面倒な)最終手段というのはこの120V出力を利用するというアイデアで、1系統(コンセントA)を100V、もう1系統(コンセントB)を120Vに設定すれば昇圧トランスが不要になるというものでした。
※外装を止めているネジ1本を舐めてしまった記憶があり、そのネジが外せるかどうかわからないので面倒だなと...。

しかしながら昨晩の実験で、昇圧トランスの有無よりも負荷容量の方が問題であることがわかったため、このアイデアは使えなくなりました。

現状、ヘッドホンオーディオの電源はAVラック裏に置いたアイソレーショントランスの1系統(コンセントB)で全て賄っています。
機器がストリーマー(ZEN Stream)、DDC(U18)、DAC(R26)、外部基準クロック(OCK-2)、アンプ(PRELUDE)の5台だった時は容量的に大丈夫だったけど、スイッチ(旧:Allied Telesis、新: SW-6)とサーバー(Soundgenic)を移設した結果、コンセントBから電源を取っている機器の台数が7台となって総負荷量が増し、それがトランスの唸りを招いたようです。

これを解決するためには、コンセントBにぶら下がっている機器台数を減らすしかありません。

そこで昨晩実験として115V機器4台(U18、R26、OCK-2、SW-6)の電源を、コンセントBではなく室内家電用コンセントから取ってみました。
※家電用コンセント→昇圧トランス→オヤイデ電源タップ→各機器 という経路

その結果、予想通りアイソレーショントランスの唸りは無くなりましたが、今度は別の問題が勃発!
何とR26のトランスが15秒周期で唸り出したのです。
一難去ってまた一難です... (T . T)

仕方がないのでR26の電源をヘッドホンオーディオ用の電源系統(100V)に移動した結果、R26の唸りは無くなり、この状態(コンセントBにZEN Stream、Soundgenic、R26、PRELUDEの4台がぶら下がった状態)ではアイソレーショントランスもほとんど唸らない(ごく微かに唸る)ことがわかりました。
※R26が何故15秒周期で唸ったのかは不明ですが、室内家電用コンセント&昇圧トランス&R26の組み合わせに原因があることは確かです。

しかしながら、それでもハムノイズは聞こえたのです。

そこで試しにヘッドホンを先日購入した密閉型のATI-A1000Zに変えてみたところ、ハムノイズは全く聞こえませんでした。
つまり、この時Arya Organicで聞こえたハムノイズの原因は、室内にある別の何かと言うことになります。
※Arya Organicは開放型なので外のノイズがそのまま聞こえていたわけです。
※念の為同じ開放型のHD800でも確認しましたが、Arya Organicほどではないにせよやはりハムノイズが聞こえました。

それから、ノイズを出していそうな機器の電源を一つずつ落としてハムノイズが消えるかどうか確認する作業を行いました。

その結果を踏まえ、Arya Organic使用時に聞こえる(過去に聞こえた)ハムノイズは次の3つのノイズが原因であることを突き止めました!

  1. アイソレーショントランスの唸り
  2. PRELUDE起因(?)のハムノイズ(素手で触ったら収まるノイズ)
  3. スピーカーオーディオシステム用の電源リジェネレーター(P10)の唸り

まず1のアイソレーショントランスの唸りですが、これはトランスにかかる負荷量を制限してやればほぼ無くなることがわかりました。

次に2のハムノイズですが、電源の取り回しルートの整理では解決できそうになく、少し困っています。
この手のノイズは機器アースをしっかり取ることが常套手段だけど、アースを落とす先が小さな仮想アース2個しかなく、これだけでは無くならなかったんですよね。
※2ピンの電源プラグの場合は電源極性が合ってない場合にノイズが出たりしますが、現在使用している電源ケーブルは全て3ピンなので機器の電源極性が間違っているということは(機器の内部配線自体が間違っている場合を除くと)あり得ません。

そして3のP10由来のハムノイズ(トランスの唸り)については、実は東京で使っていた時も微かに唸っていたのですが、部屋自体が山手通り沿いで煩かったので気になりませんでした。
ただ富山に来てオーディオを組んだ時には唸ってなかったと思うので、ヘッドホンオーディオ用機器が増えてオーディオ用電源回路(P10の電源もこの回路から取っている)に流れる電気の質が変わり、それがP10に影響したとしか考えられません。
※P10に接続しているオーディオ機器は休眠状態なので、P10にはほとんど負荷がかかっていません。
※そもそもトランスの唸りは電源に含まれるDC成分が原因であることがほとんどだから、DCブロッカーを導入してP10に使ってみようか思案中です。

と言うことで、2のハムノイズと、3のP10由来のノイズについては良い対応策が思い浮かばないため、とりあえず1のアイソレーショントランスの唸りについて対処することにし、その日は就寝することにしました。


そして今日の午前中に作業を実施。
基本方針は、アイソレーショントランスのコンセントBから取っているヘッドホンオーディオ用電源を、コンセントAとBの両方から取ることでトランスにかかる負荷量を抑制(分散)することです。

具体的対応策は2つ考えられました。

一番簡単なのは5m長の電源タップを導入し、コンセントAに繋いでヘッドホンオーディオ用ラックの側まで持ってくる方法。
ただしケーブルが5m長のオーディオ用電源タップなんて市販されていないので、オヤイデに特注で作ってもらうか、部材だけ購入して自作することになります。
当然、費用と製作時間がかかるので、今すぐに実施できる施策ではありません。

となると残る手段は一つだけで、それはアイソレーショントランス自体をヘッドホンオーディオ用ラックの側に持ってくること。
この場合、現在アイソレーショントランスのコンセントAから電源を取っているHDDレコーダー3機とApple TVの電源はノイズが多い室内家電用コンセントから取らざるを得なくなりますが、仕方ありません。

また115V機器4台を2つのコンセントに分散させる必要があるので、100V用差し込み口が1つ不足します。
そこでHDDレコーダーの電源用に使用している光城精工の電源タップ(3口)とヘッドホンオーディオで使用しているMTB-4改(4口)を入れ替えることにしました。

結果、ヘッドホンオーディオ用の電源供給は次のようになりました。

▪️アイソレーショントランス:コンセントA
① 昇圧トランス(115V)→ R26
② PRELUDE

▪️アイソレーショントランス:コンセントB
① 昇圧トランス(115V)→ オヤイデ電源タップ → U18、OCK-2、 SW-6
② 光城精工電源タップ → Soundgenic、ZEN Stream


※長四角の銀色筐体がアイソレーショントランス。上方にあるのがオヤイデのタップで、下方にあるのが光城精工のタップ。

エアコンを止めてノイズチェックを行いましたが、現時点ではアイソレーショントランスの唸りも無いし、Arya Organicからハムノイズは聞こえませんでした。

就寝時に最終チェックを行うつもりだけど、新たなノイズ対策機器を導入せずに現在できることはこれ以上無さそうなので、結果がどうであれ当面はこの状態で使うことになりそうです。

ヘッドホンオーディオシステムのセッティング変更 ④:ネットワークスイッチ LHY Audio SW-6 の威力

BEATECHNIKで購入したLHY Audio SW-6が11日の9時半に到着したので、直ぐにAllied Telesisのスイッチとの入れ替え作業をしました。
※Soundgenicは予定通りアイソレーティッドRJ45ポートに接続。
※SFPポートには同梱のRJ45用トランシーバーを使ってultraRenduへのLANケーブルを接続。
※光LANのMCからのLANケーブルはLAN iSilencerを介して通常のRJ45ポートに接続。
※RJ45ポートに空きがあるので、一応R26にも接続しておきました。
※OCK-2の10MHz矩形波出力を基準クロックとして入力しました。

接続後にちょっとだけ聴いてみた印象は「前より少しだけ音がハッキリしたかな?」というものでしたが、インストール直後の感想なんて当てにならないので、兎にも角にもシステムエンハンサーのリピート再生を開始。

そして就寝時(約13時間通電後)に試聴した際の感想は以下の通りで、想像していた以上の変化がありました!

  • 立体感が増して3D(後方を除いた360°リアリテイサウンド)のような聴こえ方
  • 空間が一回り広がり(上下左右奥行き)、音源の位置が少し遠ざかった
  • (音数/音源の数が多い楽曲では)音で満ちていた空間が、音が散りばめられた空間になった
  • 音の定位が明確になり、音源位置が"その辺り"だったのが"そこ"とピンポイントでわかるようになった
  • 音像がさらにスリムになった
  • クロックの精度が上がったような効果
  • エッジが立っているわけではないのに音が立っている
  • これまでガラス越しだったものが、ガラスが無くなって直に見ている感じの、凄く生っぽくリアルな音
  • (スピーカーオーディオの)スピーカーから1mくらいの場所で聴いているような聴こえ方

あくまで気分的(精神衛生的)に「他の機器がオーディオ機器なのにスイッチだけは汎用機器だからボトルネックになり得る」と思って買い替えたのだけど、音質においてスイッチが実際にボトルネックになっていたことがわかりました。

スイッチをSW-6に交換した後の音は、何と言うか、システムが本来有していた能力を全て解放したような、全てが底上げされた感じがします。

スイッチは音楽信号が通るので当然音質に影響するとは思っていました。
でも所詮はスイッチだから「少し音がクリアになるくらいかな?」と思いきや、システムに外部基準クロックを入れた時くらいの変化量でした!

これまでは侮っていたけど、この結果を目の当たりにするとスイッチも重要なオーディオ機器だと認めざるを得ません。
テレガードナーのスイッチ&専用ケーブルセットって40万円以上もして理解不能だと思ってたけど、今ならそういう製品の存在意義がわかる気がします。


と言うことで予想していた以上の効果があったSW-6ですが、実はSW-6導入のために行ったセッティング変更によってある問題が生じていました。

それはハムノイズの発生で、ヘッドホンから無音時に微かに"ブーン"というノイズが聞こえるようになってしまったのです。
PRELUDEやR26の筐体を素手で触るとノイズが収まるので、恐らく電源環境に起因するものだと思われます。

ハムノイズが聞こえ始めたのはスイッチとサーバーを移設してからで、空いている100Vのコンセントが無かったため(SW-6用に115Vのコンセントは1つ空けてあった)Allied Telesisのスイッチの電源をオーディオ用ではない室内家電用のコンセントから取っていたことが関係しているのではないかと思い、SW-6が届くまで我慢することにしました。

しかしながらSW-6が届き、ヘッドホンオーディオ用の全ての機器の電源をオーディオ用電源から取ったにもかかわらず、ハムノイズは消えなかったのです。
これが月曜の就寝時の状況。

翌火曜の就寝時に聴いた際もハムノイズは聞こえたので原因を考えてみた結果、PRELUDEの電源を100Vから取っていることが原因かもしれないという閃きがあり、PRELUDEの電源を昇圧トランス経由に変更してみたところ、豈図らんや、ハムノイズは増えてしまいました!
※スイッチ、クロック、DDCDACが115V給電なので、100V給電のPRELUDEとの電位差が影響しているのではないかと思ったわけですが、全くの検討はずれでした...(^^;;

時刻は既に深夜1時を回っていたので、原因究明は翌日に持ち越すことにしました。

そして翌朝(今朝)、家事を全て終えた10時過ぎからハムノイズ撲滅作戦に取り掛かりました。

電源系が原因である蓋然性が大きいので、全ての機器の電源を落とし電源ケーブルの取り回しルートの整理を行いました。
その一端として、MTB-4改の2つのコンセントに分かれていた2台の昇圧トランスの電源を、1つのコンセントにまとめました。
※1つには100V機器2台、もう1つには昇圧トランス2台という振り分けです。

作業が終わったので試聴に取り掛かろうと全ての機器の電源を入れ、騒音を無くすためにエアコンを止めたのですが、「運転を停止します」という音声が流れてしばらくしてもブーンというノイズが聞こえます。
「フィルター掃除を開始します」という音声は流れなかったのでおかしいなと思ってエアコンの近くまで行って耳をそば立ててみたところ、意外にもノイズは上(エアコン)からではなく下から聞こえるのです。

「ん...?」と思いつつノイズ源を探してみたら、何とアイソレーショントランスがこれまで聞いた事がないくらい盛大に唸っていました!

「これは!」とピンときてPRELUDEの電源をオフにすると、唸りは微かに聞こえる程度に下がりました。
そう、盛大な唸りの原因は2台の昇圧トランスの電源をMTB-4改の片方のコンセントにまとめた事だったのです。
※理由はわからないけど、昇圧トランスの電源を2つのコンセントに分けると唸りは少し減りました。

そこで使用する昇圧トランスを1台にし、PRELUDEの電源は元通り100Vから取って電源を入れてみたところ、アイソレーショントランスの唸りは微かに聞こえるか聞こえないかというレベル(完全に無くなったわけではない)にまで下がりました。

どうやらアイソレーショントランスに昇圧トランスを接続するのはあまり良くないようです。
※以前に昇圧トランスを2台使った時(接続機器の台数がまだ少なく電源負荷が小さかった時)は唸りもなかったしハムノイズも聞こえなかったので、昇圧トランスの負荷が大きくなるとアイソレーショントランスが唸るものと思われます。

昇圧トランスを使わないようにすればアイソレーショントランスの唸りは完全に無くなりそうな気がするけど、まずはこの時点でヘッドホンからハムノイズが聞こえるかどうかを確かめてみることに。

結果、ハムノイズは月曜深夜のレベルで、まだ微かに聞こえます。

そこでPRELUDEの電源ケーブル(Andromeda)をSoundgenic用DC電源に使っているケーブル(AET SIN AC:Andromedaよりもシールドが強そう)と交換してみたところ、ハムノイズはほぼほぼ聞こえなくなりました(聞こえなくなったような気がするけど確信はありません)。

エアコンは止めたものの暗騒音は深夜の方が小さいので、今日の就寝時にもう一度確認してみるつもり。

もし微かでもハムノイズが聞こえた場合は(面倒なのでできればやりたくなかった)最終手段を試してみようと思います。


⚫︎ATH-A1000Zの100時間エージングが終わったのでNT-505は撤去し、R26とPRELUDE間をバランス接続に一本化することで必要無くなったRCAケーブルも撤去。
また重ねて置いてあったDC電源2台と仮想アース2台も平置きにして、ケーブル取り回しを再調整した現在の設置状況はこんな感じ。
写真ではわかりにくいけど、以前に比べるとスッキリしました♪

ATH-A1000Z ②:NT-505でエージングしようと思ったら、NET機能が壊れていた...(T.T)

ATH-A1000Zの100時間エージングを進めるにあたりA級アンプのPRELUDEを使うのは勿体ないので、しまっておいたNT-505(ネットワークプレーヤー)を引っ張り出してきました。
※東京で使ったのが最後だから3年4ヶ月ぶりの登板となります。

NT-505はネットワークサーバーに接続でき、DACとヘッドホンアンプを内蔵しているので、これ単体でヘッドホンのエージングができます。

A1000Zは既に30時間くらいエージングしたので、24時間ぶっ通しでシステムエンハンサーをリピート再生すれば、あと3日間でエージングが完了し就寝時に使うことができます。

ちなみにNT-505はエージングが終わったら再びしまっておくつもりなので、手っ取り早くPRELUDEの上に重ねて設置することにしました。

電源ケーブルとLANケーブルを接続して電源を入れ、ソースをNETにすると "Starting..." の文字が点滅し始めたのですが、いくら待ってもその状態から変化がありません。
特に設定は必要ないはずだけど、念のためにメニューを開いて一通り見てみましたが、やはりNET接続に関する設定項目はありませんでした。

これは何かおかしいと思い、マニュアルを引っ張り出してきて工場出荷状態にリセットしてみましたが、やはり"Starting..."の点滅状態になります。

そこで同様の症状がないかとネットで調べてみたところ、価格com のコメント欄に私と全く同じ症状の相談がありました。

対応方法としては、

  1. ネットワーク基板をリセットする
  2. それで直らなければメーカー修理(基板交換)に出す

とのことだったので、とりあえずネットワーク基板のリセットを試みましたが、結果としては直りませんでした。
※背面のXLR出力端子(左)の上にある小さな穴にピンを差し込んで中のボタンを押しながら電源をONにし、30秒間待つ。ボタンを離して電源をOFFにし、再度電源を入れるとネットワーク基板をリセットできるそうです。

仕方がないのでTEACの修理窓口にメールで修理の可否と概算金額の問い合わせをしました。
3営業日以内に返事が来るようなので、修理するかどうかはその返答がきてから考えます。
※売却するにせよ置いておくにせよ、正常に機能する状態にしておかないと話にならないので、修理費用次第ではありますが修理に出すつもりです。

それはそれとしてA1000Zのエージングはとっとと進めたいので、U18(DDC)のSPDIF出力をNT-505に入れて行うことにしました。

この接続だとZEN Streamがトランスポートになるので、就寝時にPRELUDEとArya Organicで音楽を聴く際にはNT-505に接続したA1000Zにも同じ音楽が流れることになりますが、こればかりは仕方ありませんね。


【追記】
TEACさんから回答が来ました。
修理する場合のおおよその費用は約45000円だそうで、思っていた以上に高かったです(3万円くらいかと思っていた)。
何店舗かで買取金額を見てみたけど上限5〜7万円だったので、修理するかどうかは微妙なところだなぁ。
NET(およびNET入力を使うUSBメモリからのファイル再生)以外のソースは問題なく使えそうなので、修理せずにヘッドホンエージング用に置いておこうと思います。

ヘッドホンオーディオシステムのセッティング変更 ③:ラストピースはオーディオグレード・ネットワークスイッチ

ヘッドホンオーディオシステムの最終フェーズにおけるラストピースとして導入する機器は、オーディオグレードのネットワークスイッチです。

現在のシステム構成は次のようになっていますが、俯瞰的にみるとネットワークスイッチが弱いなと思ったのです。

ミュージックサーバー:IO DATA Soundgenic(2TB SSD/クロック換装)
↓ LINKUP Cat8 単線LANケーブル
ネットワークスイッチ:Allied Telesis AT-GS910/8
↓ LINKUP Cat8 単線LANケーブル
ネットワークストリーマー:iFI ZEN Stream

DDC:GUSTARD U18

DAC:GUSTARD R26 ← 10MHz 基準クロック:LHY Audio OCK-2

アンプ:HIFIMAN Goldenwave Prelude


このネットワークスイッチは東京にいた時、宅内用LANを構築する際に導入したもので、信頼性と安定性からAllied Telesisを選びました。
※電源内蔵でファンレスという点も大きな選択理由となっています。
※東京にいた時は3台のスイッチを使っていましたが、全てAllied Telesisで統一していました。

その後ネットワークオーディを始め、ネットワーク品質が音質に影響することが徐々にわかってきました。
最初はLANケーブルによる音の変化で、決定打となったのは光LANによるノイズアイソレーション効果ですね。

現在オーディオに使っているメタルLANケーブルは音質観点で全てLINKUP Cat8 単線に置き換えましたが、唯一手が入っていないのがネットワークスイッチなのです。
ミュージックサーバーからの音楽データは全てこのスイッチを経由しているので、ここが汎用品レベルだと画竜点睛を欠くと思った次第。


導入するスイッチは、先日基準クロックとして導入したOCK-2と同じLHY AudioのSW-6です。


www.beatechnik.com


SW-6を選んだ理由は次の通り。

  • 先日導入したOCK-2の性能およびビルドクオリティが高く、LHY Audioの製品は信頼できると感じた
  • SW-6はOCK-2と同じ筐体を使用しており、内部構成もほぼ同じである
  • 通常のRJ45ポートを4口、アイソレートされたRJ45ポートを1口備えている
  • 光LAN用のSFPポートを1口備えている
  • 10MHz基準クロックを入れることでReClock精度を高めることができる

光LAN導入の際に調べた情報によると、ルーターおよびミュージックサーバーからのノイズを遮断するのが音質アップに効果的とのこと。

ルーターからのノイズはルーター直下のスイッチとオーディオ用スイッチを光LANで接続することにより遮断できています。

しかしながらミュージックサーバーからのノイズは遮断できていないので、SW-6のアイソレート(ガルバニック絶縁)されたポートをミュージックサーバー用に使えるなと思いました。

※以前、実験的にミュージックサーバーとスイッチの間に光LANを入れてみたけど、私が使用しているMC&トランシーバー&光ケーブルのセットではメリット(解像感が僅かに上がる)よりもデメリット(僅かながら音の勢いが減り倍音が整理されて少し物足りなく感じる)の方が大きかったので採用しませんでした。
※音楽データを光LAN経由で送る場合は、オーディオ用と銘打ったMCと、音質の良いトランシーバー&光ケーブルを使用しないとダメなようです。
※現在使用している光LANは、音楽データは一切通らずあくまでスイッチ間のノイズアイソレーションを目的に使用しているので安物でも十分だと思っていますが、MC用電源ノイズの影響はあるのでリニア電源(2台のMC毎に別のリニア電源を使用)を使って一応対策しています。

またSFPポートがあるので、現在2台のスイッチ間に使用している光LANのオーディオ用スイッチ側のMCの代わりにこのSFPポートを使用できるかもしれません。
ルーター側のMCとは別のメーカー/製品なので、ちゃんと動作するかどうかはやってみないとわかりません(相性問題とかあるかもしれないので)。

さらに10MHz基準クロックを入れられるので、OCK-2の使っていない出力を有効活用することができます。
※実はこのことがあったのでミュージックサーバーとスイッチをヘッドホンオーディオシステムのラックに移設したという訳。
※そうしないと5mのクロックケーブルを用意しなければなりませんが、そもそも長いクロックケーブルなんて使いたくありませんからね。

他のメーカーのスイッチも見てみたけど、ガルバニックアイソレーションされたRJ45ポート、SFPポート、基準クロック入力端子を備えたSW-6のような製品は見当たらなかったので、これに決めました。

LHY Audioの製品って、こう言う気の利いた製品を比較的リーズナブルな価格で提供しているところがお気に入りです。


OCK-2と同じくBEATECHNIKで購入したSW-6は、3/10 13時現在、関西国際空港での通関中なので、順調に行けば夕方に日本郵便に引き渡され、明日の午前中に届くと思われます。

スイッチをSW-6に変えたからと言って音が大きく変わるとは思ってないけど、ボトルネックになり得る箇所を潰せるので気分は上々です♪

ATH-A1000Z ①:密閉型ヘッドホンを衝動買い...(^^;;

ヘッドホンオーディオのシステムの方は来週には最終形に持って行けそうです。
一方のヘッドホンはと言うと、開放型のヘッドホンはArya OrganicとHD800の2台あれば十分だけど、密閉型はEdition8だけなのでもう一台あっても良いな...と。
※Edition8ってイヤーパッドを耳の上に載せるタイプなんだけど、最近耳が痛くなることが増えたので、耳をすっぽり覆うタイプの密閉型があると良いかもと思っていました。

そこで何の気なしにamazonのサイトを開きました。
とは言え気になる機種があるわけでもないので"密閉型ヘッドホン"という検索ワードで表示された結果を漠然と眺めていたのですが、そう言えば昔オーディオテクニカのヘッドホン(ATH-W1000X)を使っていたことを思い出し、

"オーディオテクニカ" "密閉型ヘッドホン"で検索したところ、上位の方に出てきたシルバーのヘッドホンに目が止まりました。
それはATH-A2000Zという機種で、チタニウムハウジングとのこと。

チタンという素材には意味もなく惹かれてしまう困った性なのですが、レビューの中に「中高音がキンキンするので、アルミハウジングのATH-A1000Zの方がいい」というコメントがありました。

個人的にキンキンする音は非常に苦手なのでATH-A1000Zの方を見てみると、ATH-A2000Zとの違いはハウジング素材だけのようです。
※ATH-A2000Z、ATH-A1000Zは2015年11月発売なので8年ちょっと前のかなり古いモデルなのですが、メーカーサイトではまだ現行製品(生産完了品マークがついていない)として扱われていました。

そして何より目を惹かれたのが、少し暗めのメタリックレッドのハウジングカラー。


「カッコイイかも...♡」


以前使っていたATH-W1000Xは割と好きな音だったけどウッドハウジング(ブラックチェリー)の響きがだんだん耳についてきたので手放したのですが、アルミハウジングであれば余計な響きは乗って無さそうだし、何と言っても色がとても好みです。

でも45100円は(衝動買いするには)ちょっと高いなぁ...と二の足を踏んでいたら、中古品の中に「未使用・外箱に破損あり」という商品を見つけました。
しかも価格は27070円なので新品販売価格の40%オフになってます。
※メーカーサイトで調べてみたら希望小売価格は税込54868円だったのでほぼ半額ですね。

これは買うしかないと即断し、ポチりました!


翌日届いたので早速開封

実物の色も思った通り良い感じのメタリックレッドでした!

ケーブルが交換不可のアンバランスタイプで、しかもそのケーブルが3mもあるのは使いにくいから、近いうちに脱着式のバランスケーブルに改造するつもりです。

12時間ほどエージングをして就寝時に試聴しましたが、高音は全然伸びてないし解像力もかなり悪いですね。

でも低音の質感は悪くないしボーカルはまあまあだったので、ちゃんとエージングすればそれなりに良い音で鳴ってくれそう。

とりあえず100時間を目標にエージングを進めたいと思います。

HIFIMAN Arya Organic ③:1ヶ月間使用した感想


4台目のヘッドホンとして初めて平面磁界型のHIFIMAN Arya Organicを導入し、1ヶ月が経ちました。

その間にGUSTARD R26(DAC)、GUSTSRD U18(DDC)、LHY Audio OCK-2(10MHz外部基準クロック)を立て続けに導入し、さらに先日Audio Magicのラックを引っ張り出してきてヘッドホンオーディオシステムのセッティングを大幅に変更したりしたため、Arya Organicの音はどんどん変化(進化)しました。

今週末か週明けにヘッドホンオーディオシステム最後の機器が届く予定なのでまだ音が変化する可能性はあるけど、恐らく大きな変化にはならないと思うのでArya Organicについての感想を書き留めておきたいと思います。



まず最初に使用感についてですが、私が使っている4台のヘッドホンの中で一番重い440gなのに重さはさほど感じず、意外にも装着感(身体を起こして普通に装着した状態、ベッドに仰向けに寝て装着した状態ともに)は4台中で最も良いです。
Sennheiser HD800:370g、Beyerdynamic T1:350g、Ultrasone Edition8:260g
※Arya Organicのイヤハウジング部は大きいので寝ながら聴く際に枕と干渉して使いづらいのではないかと心配していましたが、ティアドロップ型なので意外に干渉は小さく、HD800よりも使いやすかったです。

イヤパッドの耳当たり・肌触りともにとても良く、長時間装着してもほとんど苦になりません。

唯一使いにくいと思うのがイヤハウジング部が左右ともに360°回転する仕様になっている点で、ケーブル(両出し)が捻れやすいんですよね。
※180°で回転にストップがかかるようになっていると使いやすいのですが...。

また開放型なので当然だけど、周囲の音が全て耳に入ってきます。
かなり微かな音でも聞こえるので、クラシックや静かめのジャズなんかをちゃんと聴く場合はエアコンを止めないと気になってしまって音楽に集中できません。

HD800も周囲の音は聞こえるけど、Arya Organicはそれ以上だと思います。



さて肝心の音の感想です。

最初に触れたように1ヶ月の間に音は変わりましたが、"これがArya Organicの特徴だ"と感じたことを書いておきたいと思います。
※ケーブルはGUCraftsman(バランスケーブル)を使用。

  • 情報量が多く解像感が高い精緻な音だが、無機質さは微塵もなくとても自然
  • ニュートラルよりも若干ウォーム寄りの音色
  • 深い低音から高音までバランス良く鳴らすが、特に低音の量感の多さが印象的
  • 低音の量感は私が持っている4台の中で一番多い
  • 弾力性のある低音で、タイトさや重さという点ではやや弱い
  • ボーカルの存在感が強い
  • 弦楽器はしなやかさ、艶、音の重層的表現などとても素晴らしい
  • 高音はきっちり出ているが、金属的な音の表現はやや弱い
  • サウンドステージは上下左右に広く、奥行き感はそれほどでもない
  • サウンドステージはHD800の方が少し広い
  • 楽器の位置がHD800よりも少し近く感じる(高音は遠くで鳴るけど、低音は近い感じ?)
  • 空気感を良く表現する
  • 強弱の表現の幅が大きい

今使っている4台と過去に使ったことがあるヘッドホンの中で、最も自然な音に感じたのがArya Organicです。

周波数バランスや音色に際立った特徴があるわけではなく、至極ナチュラルで耳あたりが良い音なのですが、とても細かな音やニュアンスまで表現するので、音がとてもリアルです!

基本的にはどのジャンルでも鳴らせるけど、強いて言うならメタルやEDMは得意ジャンルではなく、やはりアコースティック系やボーカル物が得意かな。

情報量と解像力に秀でているのでK9 Pro ESS搭載のES9038PRO(DACチップ)と合うのかなと思ったらそうでもなくて、むしろR-2R(マルチビット)の方が相性が良いと感じました。

外部クロック(OCK-2)を入れるとフォーカス感が高まり音像がスリムになるので、Arya Organicの解像感がさらに活きてくる感じ。

またPRELUDEとの音の相性は同じHIFIMAN製故かもしれないけど抜群で、R26(R-2R) & PRELUDE(A級アンプ) & Arya Organicのトリオは "自然で心地良い音" という点では最強なのではないか、と思ってしまいました♪

※音色は心地良いし音量を上げても煩くならないので(音の歪みが極めて小さい故?)ついつい大きめの音で聴いてしまいがちなんだけど、耳に負担をかけたくないので"小さすぎず大きすぎないギリギリの線"に音量調整しようとするも、PRELUDEの出力が10Wと大きいためにArya Organic(インピーダンス:16Ω、感度:94dB)だとボリューム最小位置から少し動かしただけでそこそこの音量になってしまい、微妙な音量調整が難しいところが玉に瑕。
※PRELUDEのゲインをLOWにすれば多少調整しやすくなるんだけど、音が若干鈍るので常にHIGHゲインで使用しています。


Edition8の刺激的な高音と強い低音も好きだし、HD800の少しクールで精緻な表現も好きだけど、総合的にはこれまで使ったことがあるヘッドホンの中で間違いなくBESTヘッドホンだと言い切れるくらい気に入りました!

こうなるとHIFIMANのフラッグシップであるSUSVARAの音も聴いてみたいところですが、Nikon Z8よりも高いので高嶺の花ですね... (^^;;