3月14日に実施したヘッドホンオーディオのハムノイズ撲滅作戦第2弾によって無くなったと思われたハムノイズですが、ブログには書かなかったけど実は数日後に再発していました。
ただ、日によって出たり出なかったりという状況だったこと、また2回に渡って撲滅作戦をしたけど何が原因なのかさっぱりわからない状態だったので、我慢して使っていた次第。
それが数日前からノイズが大きい状況が連日続くようになり、毎日何かしらの対策をしては就寝時に確認するということを繰り返し、思いつく対策は全てやってみたもののハムノイズは無くなりませんでした。
ただその試行錯誤の過程で気がついたことがありました。
具体的にはこの2つ。
- ハムノイズはベットに寝た状態が一番大きく聞こえ、上半身を起こすと小さくなり、ベットから降りると消える
- ベットに寝た状態で、素手でアンプもしくはDACの筐体を触るとハムノイズは小さくなるが、ヘッドホンケーブルの金属部(アンプ側のプラグもしくはヘッドホン側のプラグ)を触った時のノイズ低減効果が最も大きい
これって何かおかしくないですか?
ハムノイズって大体は機器(アンプ)側に原因があるので、筐体を手で触ると身体がアースになり筐体電位が下がってノイズが減るのは理解できるけど、ヘッドホン側のプラグを触ってもノイズが低減する(しかも筐体を触る以上に低減する)のは理解に苦しみます。
さらにわからないのが、ベッドに寝た状態がノイズが一番大きく、上半身を起こすとそれが小さくなり、ベッドから降りるとノイズが消えること。
ちなみにベッドフレームは木製です。
ハムノイズが出るようになったのはミュージックサーバーとスイッチをベッド横に移設してからで、この2台は元々別の電源〜ミュージックサーバーはメインシステム用のP10(電源リジェネレーター)から、スイッチは室内家電用コンセントから電源を取っていたけど、ベッド横に移設するにあたりヘッドホンオーディオ用電源(アイソレーショントランス)から電源を取ることにしました。
故にハムノイズの原因は、この2台をヘッドホンオーディオ用電源に組み入れたことだと思っていました。
しかしながら視点を変えてみると、ヘッドホンオーディオと直接関係しないのでブログには書かなかったけど、実はもう一つ変更したことがあります。
それはベッド周りの他の家電機器(時計、読書灯、Bluetoothスピーカー、ネットワークオーディオ操作用iPad充電器(USB-A〜Lightning)、電気敷毛布、ホットカーペット)の電源を整理統合したこと。
それまでは2口と4口の電源タップ、Ankerの6口+USB-A*2/USB-C の電源タップ(Anker PowerPort Strip PD 6)を組み合わせて電源を取っていました。
ベッド周りの機器が増える度に増設していった結果です。
実はコンセントの口数だけで言うなら上記の6口と、MacBook Pro、iPad Pro、電話子機、インターホン子機などの充電器(1つの電源タップにまとめて挿してラック下段の電源目隠し用Boxに入れてある)用の1口を合わせた計7口で足りるのですが、普通の電源タップだとACアダプタを並べて挿せなかったりするので、電源タップに電源タップを繋いで対応してきたわけです。
でもミュージックサーバーとスイッチ移設に伴いヘッドホンオーディオの電源環境を整備した際、Ankerの電源タップはコンセント口同士の間隔が広いので、もしかしたら6つのAC電源 +USB-Aの全てがAnkerの電源タップで賄えるかもしれないと思い試してみたところACアダプタも含めて全て挿すことができたので、これ幸いとベッド周りの家電機器の電源をAnkerのタップ一つに整理統合していたのです。
※Anker PowerPort Strip PD 6には、6つのACコンセント(しかも3極)と2つのUSB-A端子&1つのUSB-C端子がついているので滅茶苦茶便利なのです。
そしてそのAnkerの電源タップはノイズフィルターを経由して室内家電機器用の壁コンから電源を取っているのですが、実は上記の電源整理をした後でAnkerのプラグをノイズフィルター(壁コン)に挿す際に極性を間違えており、それが原因の半分でした。
そしてもう半分の原因というのが、意外や意外、電気敷毛布だったのです。
この2つが原因だということに気がついたのは、ヘッドホンオーディオの電源に対して思いつく限りの対策をしても一向にハムノイズが無くならないので、もしかしたら原因は他にあるのではないかと思い始めたから。
すぐにヘッドホンオーディオ機器以外のベッド周りの機器の電源プラグ極性を確認したところ、Ankerの電源プラグが逆相になっていることを見つけました。
でもそれだけが原因とは思えません。
何故ならベッドに寝た状態だとハムノイズが大きくなり、上半身を起こすとノイズは小さくなり、ベッドから降りるとノイズがなくなるからです。
つまりハムノイズの原因はベッドにあるとしか思えないのです。
「でも、ベッド上にある電気機器は電気敷毛布しかないよなぁ...」と考えた瞬間ピンと来ました。
電気敷毛布ってこの図のように敷毛布の中を発熱体が通っています。
発熱体って導体ですから、もしかしてこいつが悪さしているのではないかと。
ベッドに寝た状態だと身体と発熱体が被さる面積が一番大きくなり、上半身を起こすと面積は減り、ベッドから降りると被さる面積はゼロになるので、ハムノイズの大きさとの辻褄が合うのです。
そこで電気敷毛布本体とコントローラーを繋ぐケーブルを外してみたところ、見事にハムノイズが消えました!
ちなみに電気敷毛布の電源をオフにした状態だとハムノイズが発生し、オンにするとノイズは聞こえなくなります。
ハムノイズが出たり出なかったりしたのは、電気敷毛布の使用有無によるもので、ここ数日ハムノイズが酷くなったのは夜の気温が暖かくなってきたので電気敷毛布を使わなかったから故でしょう。
電気敷毛布をオフにした際に何故ノイズが発生するのか正確なところはわからないけど、電気敷毛布と身体が何らかの電気回路を形成しているのだと思われます。
電気敷毛布のプラグの極性(正確にはAnkerのタップのプラグの極性)が逆相になっていたことで、本来は電圧がかからないはずの電気敷毛布の発熱体に電圧がかかり(ただしスイッチはオフなので電流は流れない)、その電圧が身体を経由してヘッドホンの発音回路(マグネット&コイル)に干渉し60Hzのハムノイズを発生しているのではないかと。
※極性が正しい場合、スイッチオフでは壁コンセントからコントローラーのスイッチまでの間は電圧がかかるけど、スイッチ以降の発熱体には電圧がかかりません。
※それが逆相になると、壁コンセント〜発熱体〜スイッチの間に電圧がかかってしまうのではないかと思うのです。
もしくは
- 身体〜電気敷毛布〜室内家電用コンセント〜分電盤〜オーディオ用コンセント〜ヘッドホンアンプ〜ヘッドホンケーブル〜ヘッドホン〜身体
という大きな電気回路が形成された結果としてハムノイズが発生するのかもしれませんが、ヘッドホン機器の電源は全てアイソレーショントランスを経由しているのでこの仮説はおかしい気もします。
いずれにしても、ヘッドホンプラグに触ると身体にかかった電圧がアンプの筐体アースに流れるためヘッドホンの発音体に対する電気的干渉が無くなり(回路がショートされて)ノイズが出なくなるのでしょう。
※ただ、電気敷毛布のスイッチを入れた時も発熱体には電圧がかかる(でないと温かくならない)のにノイズが出ないのはおかしいですよね。また極性が正しい場合でもスイッチを入れると同様に発熱体には電圧がかかるはずなので仮説は間違っているのかもしれませんが、逆相状態でスイッチを切っている時のみハムノイズが発生するのは事実なのです。
この後、電気敷毛布の本体とコントローラーを接続し、Ankerの電源タップのプラグ極性を正しい状態にして試聴してみたところ、やはりハムノイズは出ませんでした。
作用機序は未だ曖昧ではあるものの、電気敷毛布の電源極性が逆相だったことが原因なのは間違いなさそうなので、半月にわたって悩まされてきたハムノイズとようやく決別することができました♪
今回は予想だにしていなかったことが原因だったために解決に至るまで時間がかかってしまいましたが、その失態を招いたのは「原因はヘッドホンオーディオ機器の電源の取り回しにある」と思い込んでしまっていたからです。
実は途中で「このハムノイズって電源プラグの極性を間違えた時に起こる現象に似ている」と思ったのですが、ヘッドホンオーディオ機器の電源ケーブルは全て3ピンプラグで極性の間違えようがないためこの説は却下しました。
この時、ヘッドホンオーディオ機器以外の家電製品にまで考えが及んでいれば(先入観に惑わされず視野を広く持っていれば)、もう少し早く解決できたかもしれません。
今後の教訓にしたいと思います。