元旦の能登半島地震の際にGuarneri Mementoが倒れてしまったのですが、その際にMementoの上に載せてあったmuRataのハーモニックエンハンサーES105Aが吹っ飛んでしまい、Mementoに接続していたケーブルがプラグ部分で(芯線が)切れてしまいました。
元々右chの芯線は金属疲労で折れており何とかせねばと思っていましたが、今回左chも切れたことで買い直す踏ん切りがつきました。
※使用しているケーブルが三菱電線 CX-1という単線ケーブルで、マイナス側のケーブル構造が特殊で加工が非常に面倒そうなので別のケーブルに買い直そうかと。
※既に探し始めていていくつか候補は上がっているのですが、これだ!というものがまだ見つかっていません。
またMementoのスタンドおよびグリルのゴムストリングは以前から経年劣化でダルダル(伸縮力が無い状態)になってしまっており、代理店で直すと10万円以上かかって馬鹿馬鹿しいから自分で張り替えようと思っていたものの面倒なので手付かずだったのですが、これも春頃までには張り替えようと決めました。
ちなみにグリル用のゴムストリングは既に類似品を購入済みで、スタンド用(ゴム径が太い)は近々amazonで探す予定。
と言う感じで、今回の地震がきっかけとなり、メインシステムを見た目も含めて整備して再稼働させることにしました。
これまでは健康面の問題で趣味が続けられなくなるというリスクだけを考えていましたが、災害によって続けられなくなる(機材が物理的に破損してしまう、あるいは命を落としてしまう)というリスクがあることに気付かされたので、やりたい事はやれるうちにやっておこうという気持ちがさらに強くなった次第です。
ネットワーク・ヘッドホンオーディオについても同様で、やってみたいことはとっととやってしまうことにしました。
勿論、費用的な制限があるので全てをやれるわけではないから、コスパをよく考えた上で取り組むつもり。
現在の課題は次の2つです。
- ネットワーク構成を改良することで、さらなる音質アップが図れるのではないか
- 耳の性能劣化に伴う高音の物足りなさを解消できないか
1.ネットワーク構成の改良
具体的なアイデアはLANの一部を光LANに置き換えることで、現在の我が家のLAN構成は次の通り。
- 洗面所天井裏のルーター(RT6600ax)〜MyRoomの壁のLAN端子
- MyRoomの壁のLAN端子〜スイッチングハブA〜[AV機器5台、WiFiアクセスポイント(WRX560)、スイッチングハブB]
- スイッチングハブB〜[Soundgenic(ミュージックサーバー)、ultraRendu(メインシステム用ネットワークストリーマー)、ZEN Stream(ヘッドホンオーディオ用ネットワークストリーマー)]
スイッチAにカスケード接続されたスイッチBより下流がネットワークオーディオ用LANとなっているので、オーディオのことだけ考えるなら
- スイッチAとスイッチBの間を光LANにする
- スイッチBとZEN Streamの間を光LANにする
のどちらかだと思っていますが、どちらが有効なのかは試してみないとわかりませんね。
ちなみにネットで情報を漁ってみたところ、端末(我が家場合はZEN Stream)直前に入れるのが良いと言う人もいれば、端末直前でない方が良いと言う人もいて、環境によってケースバイケースのようです。
ちなみに光LAN接続はビジュアルにも効果的らしいので、
- MyRoomの壁のLAN端子とスイッチAの間を光LANにする
- ネットワーク映像配信(Netflixなどのアプリ)を使用するTVとスイッチAの間を光LANにする
という使い方もあるけど、この場合オーディオへの効果は "減る" もしくは "無い" ので、ビジュアルまで考えるならオーディオ用とビジュアル用の光LANをそれぞれ導入する必要がありそう。
勿論、まずはオーディオ用からですけどね。
光LAN構築に必要な機器は1箇所につき
- メディアコンバーター(2台)
- SFPトランシーバー(2台)
- 光ケーブル
ですが、SFPトランシーバーが不要なメディアコンバーターもあるみたいだし、メディアコンバーターの電源(スイッチング方式のACアダプタが多い)を質の良い電源に置き換えることで音質が良くなるようだし、SFPトランシーバーも機種によって音が違うようだし、光ケーブルにも"1芯と2芯" "シングルモードとマルチモード"があるようなので、何を採用するかはもっと多くの情報を集めてちゃんと理解した上で決めなければなりません。
ちなみにスイッチBをオーディオ用のスイッチに置き換えるのも効果的だと思われるのですが、オーディオ用のスイッチはバカ高いので(専用コネクタを使用している場合はケーブルも変える必要がある)、まずは光LANからですね。
2.高音の物足りなさの解消
実は光LANよりもこちらの方が厄介だなと思っています。
と言うのも、こちらはこれまで長年やってきたオーディオの経験があるだけに思いつく改善策が多岐に渡るのと、機器の買い替えが含まれるので費用が高くなるけれども試聴できる環境(オーディオ店)がないので買い替えリスクが高くなるから。
効果が薄そうな改善策(主にアクセサリー系による対応)を排除して残った施策が次の3つです。
- ヘッドホンの買い替え(買い増し)
- EQの導入
- DAC&アンプの買い替え
一番手っ取り早いのが1のヘッドホンの買い替え(買い増し)。
結局のところ電気信号を音に変換するスピーカー(ヘッドホン)が最も音に対する影響が大きいのです。
- 就寝時に使用するので筐体が小さく、夏場も使用したいから開放型で、高音が強めで音質が良いヘッドホン
を新たに導入すれば良いのですが、高音にさほど不満がないEdition8は別として、MDR-MV1とHD800を使わなくなりそうだから、それはそれで嫌だなと。
できることならMDR-MV1とHD800の使用を前提に高音を強化したいのです。
となると2のEQを導入して使用するヘッドホン毎にEQセットを作成するのが効果的ですが、現状の機器構成(ネットワークストリーマー、DAC&アンプ)ではEQは使えません。
EQを使うには、デジタル音声信号(SPDIF or AES/EBU)もしくはアナログ音声信号の間にEQ機器を挟む必要があるけど、ネットワークストリーマーとDAC&アンプの間はUSB接続だし、DAC&アンプは一体型なので、EQを使える場所がそもそもないのです。
※もしかしたらUSB接続でオーディオ品質のEQ機器が存在しているかもしれませんが、ざっと調べた限りでは見つかりませんでした。
残るは3の、現在DAC&アンプとして使っているK9 Pro ESSの買い替えだけど、正直なところDAC&アンプを買い替えても私が望む高音にはならないと思います。
DACとアンプを別機器にして間にアナログEQを挟めば可能だけど、機器が2台増えることになるので置き場所の問題が出てくるし、使用するインターコネクトケーブルにも拘りたくなるに決まっているので、この案は却下。
最初から無いと思っているなら、何で態々3の項目を立てたのかとなるわけですが、実は2と3の合わせ技という手段が見つかったからです。
それはEQを内蔵したDAC&アンプ(正確にはヘッドホン出力を搭載したオーディオインターフェイス)で、具体的には RME ADI-2/4 Pro SEという機種になります。
左右個別に設定可能な5バンド・パラメトリックEQを搭載しているので、性能劣化の度合いが異なる左右の耳それぞれに合わせたEQ(複数のセットを記憶できる場合はヘッドホンそれぞれに合わせたEQ)を個別に設定できます。
またヘッドホン端子は6.3mm以外に4.4mm(5極バランス端子)も装備しているので現在使用しているヘッドホンケーブルを買い替える必要がありません。
VGPアワード2024のDAC部門で金賞を獲るなど、世間一般での評価が高い機種でもあります。
ただ個人的に少し引っ掛かっていることもあります。
- 使用しているDACチップがES9038Q2M(デュアル)で、K9 Pro ESSに搭載されているES9038PRO(デュアル)の次のランクのチップである
- 多機能オーディオインターフェイスなので、使用しない機能(ADコンバーター、RIAAモード、AES/EBUもしくはSPDIF入力でしか使えないSRCなど)が搭載されており、その分コスパが悪い
- 肝心のヘッドホンアンプ部のスペック(S/N、THD、出力など)は高いけど、基本的に業務用なので音質(多分無色透明系)が私の好みに合うかどうか
- 筐体の大きさは小さくて良いが、デザインがイマイチ
- 価格が高い(約39万円)
- 付属のACアダプタ(12V)を高音質な外部電源に変えると音が良くなる(12Vでも効果はあるが、ADI-2/4 Pro SEの最大対応電圧である15Vだとさらに効果的)らしいので、本体以外に外部電源の費用もかかる
実は以前から気になっていたヘッドホンアンプがあり、それはSPLのPhonitor(現行機種だとPhonitor xe + DAC768:34万円強)という機種なのですが、ADI-2/4 Pro SEに40万円近く使うくらいならPhonitor xeを買う方が良いのではないか、とか...。
※K9 Pro ESSを買う際にも検討したけど、その時は価格が高いので諦めました。
デザイン(メインシステムで使っているNagra PL-Lに通じるものがあって好き)も含めヘッドホンアンプとしての魅力は断然 Phonitor xeの方が高いけど、そもそもの目的である高音の強化にはならないので本末転倒ですよね。
※海外のレビューサイトを調べてみた限りでは、音質はADI-2/4 Pro SEよりも私好みな模様。
※もしPhonitor xeにEQが搭載されていたら即決したと思うけど、現在国内在庫が無く次回入荷時期も未定だそうです。
と言うことで、現時点ではRME ADI-2/4 Pro SEの導入が最善策なのですが、コストが各機能に分散して費やされているところがやっぱり気になるんですよね。
もしEQを搭載した純粋なDAC&ヘッドホンアンプだったとしたら40万円でも納得できるわけで、要は使わない機能にまで代価を払うことが嫌なのです。
※若い頃は多機能の方がカッコいいし同じ価格だったら機能が多い方がお買い得と思ってたけど、今は必要な機能に特化した専用機の方が好ましいです。
その一方で、たとえ使わない機能があったにせよ私が必要としている機能は備わっているからMDR-MV1とHD800の高音強化を実現できるし、基本的な音質は悪くはないと思うので、他に選択肢がないのであれば仕方がないではないか、とも思います。
いずれにしても、現時点で考えられる改善手段はRME ADI-2/4 Pro SEの導入しかないわけで、後は導入するかしないかを決断するだけですが、光LAN導入とADI-2/4 Pro SE導入のどちらを採るか(あるいはどちらも採るか)という決断が先なので、もうしばらく悩んでみようと思います。
※まあ、光LANの方は好奇心もあり試してみたいと思っているから、その上でさらにADI-2/4 Pro SEを導入するかどうかが悩みどころです。
なお、先日導入したK9 Pro ESS用の115V昇圧トランスと単線LANケーブルのエージングは完了したので、近いうちにそれぞれの有無による比較試聴を行いレビューを上げる予定。
現時点ではどちらの効果なのか切り分けができていませんが、音は良くなりました♪
※光LANを導入しても単線LANを使う箇所は残るので良いけど、ADI-2/4 Pro SEを導入したら115V昇圧トランスは無駄になるかも。でもEdition8はこれまで通りK9 Pro ESSで使用し、MDR-MV1とHD800はADI-2/4 Pro SEでEQをかけて使用するという使い分けもあるから、無駄にはならないかな。