memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

HIFIMAN GoldenWave PRELUDE ③:エージング後の試聴感想

HIFIMAN GoldenWave PRELUDE 導入後1週間が経ちました。
エージングは90時間超となり、音も安定してきたので一旦試聴感想を書き留めておきたいと思います。

現時点でのセッティングは次の通りで、これからケーブル、ヒューズ、インシュレーターなどの交換〜試聴を繰り返し、セッティングを追い込んでいきます。


電源ケーブル VitusAudio Andromeda
ヒューズ 純正品
インターコネクト(RCA NBS KingSerpentIII
インターコネクト(XLR) Zonotone 7N AC-Neo Grandio 10Hi
インシュレーター KRYNA D-PROP mini

▪️試聴感想(比較対象はK9 Pro ESS、使用ヘッドホンは基本的にはHD800)

  • 一つ一つの音が力強く、存在感がある
  • それは特に低音で顕著で、ジャズトリオのベースの存在感が明らかに強まった
  • 弾力感がある低音
  • 音が鮮やかで色彩感が強い
  • 音色は僅かに暖色寄り
  • ノイズフロアの低さ、情報量や解像力に変化は感じない
  • 音の立ち上がりが速い(スパッと立ち上がる)
  • 音のレイヤーが増え、楽器との距離がより明確になった
  • サウンドステージの広さは同程度
  • しなやかさや艶感が出るようになった(まだ物足りないが...)

K9 Pro ESSは音の良いDAC&アンプだと思いますが、音の傾向としてはHiFi寄り(情報量や解像力重視で音色もややクール)でした。
内蔵アンプ(THX-AAA 788+)単体の音を聴いたことがないので推測でしかありませんが、DACチップ ESS ES9038PROの特徴が強く出ている音に感じるので、アンプ自体は色付けの少ないニュートラルな音色なんだと思います。

このアンプ部分をPRELUDEに置き換えた音が上記の感想となるわけで、さらにまとめると

  • トルクが大きいエンジンを積んだクルマのような余裕のある音
  • 速くて強くて正確な音
  • やや暖色寄りの色彩感豊かな音色

という感じですかね。

とにかくヘッドホンに対する支配力が強く、HD800(インピーダンス300Ω、音圧レベル102dB)はもちろんのこと、T1(インピーダンス600Ω、音圧レベル102dB)も苦も無く鳴らしてくれました!
実はヘッドホンインピーダンス300Ωの場合のバランス出力は、PRELUDE(1000mW)よりもK9 Pro ESS(1100mW)の方が大きいのですが、PRELUDEの方が余裕がある感じなんですよね。
※クルマのエンジンで例えるなら、PRELUDEはトルクがあるので回転数を上げなくても馬力が出るけど、K9 Pro ESSはトルクが小さいので回転数を上げて同じ馬力を絞り出している感じ。

この駆動力があるからこそだと思いますが、音の立ち上がりが速くてキレが良く、しかもその一音一音が力強いので、やわなヘッドホンだと音量を上げるとすぐに音が破綻してしまいそうな気がします。
そう言う意味では、使うヘッドホンを選ぶアンプかもしれません。
※MDR-MV1は残念ながら合わなかったですね。破綻はしなかったものの、入って来る音の情報を処理しきれていなかった感じでした。
※そもそもMV1はインピーダンス24Ω/音圧レベル100dBと能率が高いヘッドホン故に、PRELUDEだとボリュームノブをちょっと回しただけで大きな音になってしまって使いにくかったので、DAPとか小出力の据置ヘッドホンアンプで鳴らした方がMV1本来の力を発揮できそうに思いました。

意外だったのは音の定位の精緻さで、K9 Pro ESSよりも音のレイヤーが細かく多くなったように聴こえます。
サウンドステージの広さ自体は変わらないように思うけど、その中での音の位置がビシッと正確になった感じ。

音色に関してはやや暖色寄りではあるけど予想していたほどではなく、かなりニュートラルに近いと思いました。
そして楽器の音色の再現性が高く、その結果として色彩感が豊かな音になっています。


スピーカーオーディオシステムの方で何度も経験しましたが、新しい機器(上のクラスの機器)を入れた際に明らかに鳴り方が変わる(鳴り方の次元が一つ上がる)ことがあります。
このPRELUDEもまさにそんな感じで、音も違うんだけど鳴り方自体が変わるんですよね。
そう言う意味で、これまで使ってきた(使ったことがある)ヘッドホンアンプとは明らかに格が違いました。

一時はEQがついたRME ADI-2/4 Pro SEにしようと思ったこともあったし、PRELUDE導入の際はSPL Phonitor xe + DAC768と迷いもしたけど、今はPRELUDEを選んで良かったと心から思います。
※PRELUDEにしたらEQによる高音補正は必要なくなりました。あの時EQに目が眩んでアンプを買い替えなくて良かったです... (^^;;

PRELUDEなら終のヘッドホンアンプとして長く付き合っていけそうです♪


そして休む間もなく次なる展開ですが、MV1を手放したこともあり、あと一つだけヘッドホンを新規導入することにしました。
これまで一度も使ったことがない平面磁界型のヘッドホンです。

先ほど届いたので現在K9 Pro ESSに繋いでエージングを行なっている最中ですが、我慢できずにちょっとだけ聴いてみたところ鳴り方が違うので不思議な感じ。
次回紹介したいと思います。