memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

HIFIMAN Arya Organic ③:1ヶ月間使用した感想


4台目のヘッドホンとして初めて平面磁界型のHIFIMAN Arya Organicを導入し、1ヶ月が経ちました。

その間にGUSTARD R26(DAC)、GUSTSRD U18(DDC)、LHY Audio OCK-2(10MHz外部基準クロック)を立て続けに導入し、さらに先日Audio Magicのラックを引っ張り出してきてヘッドホンオーディオシステムのセッティングを大幅に変更したりしたため、Arya Organicの音はどんどん変化(進化)しました。

今週末か週明けにヘッドホンオーディオシステム最後の機器が届く予定なのでまだ音が変化する可能性はあるけど、恐らく大きな変化にはならないと思うのでArya Organicについての感想を書き留めておきたいと思います。



まず最初に使用感についてですが、私が使っている4台のヘッドホンの中で一番重い440gなのに重さはさほど感じず、意外にも装着感(身体を起こして普通に装着した状態、ベッドに仰向けに寝て装着した状態ともに)は4台中で最も良いです。
Sennheiser HD800:370g、Beyerdynamic T1:350g、Ultrasone Edition8:260g
※Arya Organicのイヤハウジング部は大きいので寝ながら聴く際に枕と干渉して使いづらいのではないかと心配していましたが、ティアドロップ型なので意外に干渉は小さく、HD800よりも使いやすかったです。

イヤパッドの耳当たり・肌触りともにとても良く、長時間装着してもほとんど苦になりません。

唯一使いにくいと思うのがイヤハウジング部が左右ともに360°回転する仕様になっている点で、ケーブル(両出し)が捻れやすいんですよね。
※180°で回転にストップがかかるようになっていると使いやすいのですが...。

また開放型なので当然だけど、周囲の音が全て耳に入ってきます。
かなり微かな音でも聞こえるので、クラシックや静かめのジャズなんかをちゃんと聴く場合はエアコンを止めないと気になってしまって音楽に集中できません。

HD800も周囲の音は聞こえるけど、Arya Organicはそれ以上だと思います。



さて肝心の音の感想です。

最初に触れたように1ヶ月の間に音は変わりましたが、"これがArya Organicの特徴だ"と感じたことを書いておきたいと思います。
※ケーブルはGUCraftsman(バランスケーブル)を使用。

  • 情報量が多く解像感が高い精緻な音だが、無機質さは微塵もなくとても自然
  • ニュートラルよりも若干ウォーム寄りの音色
  • 深い低音から高音までバランス良く鳴らすが、特に低音の量感の多さが印象的
  • 低音の量感は私が持っている4台の中で一番多い
  • 弾力性のある低音で、タイトさや重さという点ではやや弱い
  • ボーカルの存在感が強い
  • 弦楽器はしなやかさ、艶、音の重層的表現などとても素晴らしい
  • 高音はきっちり出ているが、金属的な音の表現はやや弱い
  • サウンドステージは上下左右に広く、奥行き感はそれほどでもない
  • サウンドステージはHD800の方が少し広い
  • 楽器の位置がHD800よりも少し近く感じる(高音は遠くで鳴るけど、低音は近い感じ?)
  • 空気感を良く表現する
  • 強弱の表現の幅が大きい

今使っている4台と過去に使ったことがあるヘッドホンの中で、最も自然な音に感じたのがArya Organicです。

周波数バランスや音色に際立った特徴があるわけではなく、至極ナチュラルで耳あたりが良い音なのですが、とても細かな音やニュアンスまで表現するので、音がとてもリアルです!

基本的にはどのジャンルでも鳴らせるけど、強いて言うならメタルやEDMは得意ジャンルではなく、やはりアコースティック系やボーカル物が得意かな。

情報量と解像力に秀でているのでK9 Pro ESS搭載のES9038PRO(DACチップ)と合うのかなと思ったらそうでもなくて、むしろR-2R(マルチビット)の方が相性が良いと感じました。

外部クロック(OCK-2)を入れるとフォーカス感が高まり音像がスリムになるので、Arya Organicの解像感がさらに活きてくる感じ。

またPRELUDEとの音の相性は同じHIFIMAN製故かもしれないけど抜群で、R26(R-2R) & PRELUDE(A級アンプ) & Arya Organicのトリオは "自然で心地良い音" という点では最強なのではないか、と思ってしまいました♪

※音色は心地良いし音量を上げても煩くならないので(音の歪みが極めて小さい故?)ついつい大きめの音で聴いてしまいがちなんだけど、耳に負担をかけたくないので"小さすぎず大きすぎないギリギリの線"に音量調整しようとするも、PRELUDEの出力が10Wと大きいためにArya Organic(インピーダンス:16Ω、感度:94dB)だとボリューム最小位置から少し動かしただけでそこそこの音量になってしまい、微妙な音量調整が難しいところが玉に瑕。
※PRELUDEのゲインをLOWにすれば多少調整しやすくなるんだけど、音が若干鈍るので常にHIGHゲインで使用しています。


Edition8の刺激的な高音と強い低音も好きだし、HD800の少しクールで精緻な表現も好きだけど、総合的にはこれまで使ったことがあるヘッドホンの中で間違いなくBESTヘッドホンだと言い切れるくらい気に入りました!

こうなるとHIFIMANのフラッグシップであるSUSVARAの音も聴いてみたいところですが、Nikon Z8よりも高いので高嶺の花ですね... (^^;;