Focal Clear MG Proの導入後、エージングおよびシステム調整を進めてきましたが、多少良くはなったもののまだ満足のいく音にはなっていません。
Focal Clear MG Proって"Pro"の名称が示す通り音楽制作者向けのモニターヘッドホンと言う性格が強いので、基本的にはフラットバランスで高音もきっちり出るはずなんだけど、何故か高音の抜けがイマイチでクリアさにも欠けます。
エージングは既に150時間は優に超えているのでエージング不足が原因とは考えられません。
そこで電源ケーブルとデジタルケーブルのアロケーションを変えることで改善を試みてきたのですが、実は一つだけやっていないことがありました。
それはPRELUDE(ヘッドホンアンプ)の電源ケーブルを変えることです。
PRELUDEは終のヘッドホンアンプとして今年1月31日に導入したのですが、電源ケーブルとしてVitus Audio Andromeda Powerを使うことにしました。
Andromeda Powerはスピーカーシステムのパワーアンプ SS-010(正確にはアッテネーターによるボリューム調整可能なパワーアンプ)に付属してきたケーブルで、3本の独立した電源線(ライブ、ニュートラル、アース)の捻り構造となっているのが大きな特徴。
プラグ導体には無メッキ銅を使っています。
※SS-010を導入した2010年5月22日に撮影した写真。
Andromeda PowerはPSE認証の関係で製品としては販売されておらず、補修部品としてのみ購入することができるのですが、ブログを書くに当たって調べてみたところ、現時点での価格は1.5mで42万円(税別)でした!
以前は20万円前後だったように記憶しているので、恐らく円安の影響で値上がりしているのだと思いますが、実力的には10万円台後半くらいかな。
このAndromeda PowerはNBSのような突出した個性は無いけどニュートラルでバランスの良い音というのが私の感想で、スピーカーシステムの方は電源ケーブルを含むケーブルによって音作りをしている関係でSS-010には使用せずにDEQ2496 ULTRACURVE PRO(イコライザー等のデジタルシグナルプロセッサー)に使用していました。
ただ富山に帰ってきてシステムを組んだ際の音が東京よりも良かったのでDEQ2496の必要性が無くなったという経緯があり、だったらと言うことで、DEQ2496に使用していたAndromeda PowerをPRELUDEに使うことにした次第。
元々がパワーアンプに付属してきたケーブルだし、PRELUDEの個性を活かす意味でもニュートラルな音質は望ましいと思ったのです。
それに高いケーブルを遊ばせておくのは勿体無いですしね。
そんな訳でヘッドホンシステムのケーブルアロケーション変更においても、唯一PRELUDEに挿したAndromeda Powerだけは変えませんでした。
しかしながら色々な組み合わせを試してみたにも関わらず高音の改善が一定水準に止まっていた(頭打ちだった)ため、もしかしたらAndromeda Powerがボトルネックになっているのではないかという疑いを抱きました。
そこで試しにAndromeda Powerをシステムから外してみることにしたのですが、代わりに使える電源ケーブルは「音が柔らかい」と言う理由でヘッドホンシステムから外したCardas Golden Reference Power(後期モデル)しかなかったのでCardasを使うことに。
Cardasは少し柔らかめの音ではあるけど高音の抜けが悪いケーブルではないので、Andromeda Powerがボトルネックになっているのかどうかの判断はできると思います。
そしてドキドキしながら試聴を始めたのですが、Bill Evansのピアノ曲の冒頭を5秒ほど聴いただけで変化がわかりました。
高音の抜けが明らかに良くなり、クリアさも増しているのです!
それからROCKやPOPSを中心に様々なタイプの楽曲を試聴しましたが、金属音の質感も明らかに良くなっているし、低音もさらに深い低音が出るようになっていました。
Andromeda Powerを挿していたときには迫力が感じられなかった大好きなKing CrimsonのREDが、ようやくまともな音(暴力的な音までとは行かないけど、それに近い音)で鳴ってくれたのはすごく嬉しかったです♪
この時点での音が思っていた以上に良かったので、Cardasはそのままにして他のケーブルのアロケーションを少し弄ってみました。
※最上段左のPRELUDEにCardasを、2段目左のOCK-2にAndromedaを使用。
※なおPRELUDEとR26(DAC)のレイアウトを変えました。その理由は後日。
結局Andromeda PowerはOCK-2(クロック)で使うことにしたのだけど悪影響は全く感じないので、たまたまPRELUDEとの相性が悪かったと言うことなのでしょう。
逆にスピーカーシステムの方では使い所がなく、ヘッドホンシステムでも高音が柔らかいと言う理由で外していたCardas Golden Reference Powerは、不思議とPRELUDEとの相性は抜群みたいで、今まで抱いていた印象が一変しました。
推測ですが、Cardas Golden Reference Powerは設計が古いケーブルなので、デジタル機器に使うとイマイチだけどアナログ機器との相性は良いのかもしれません。
それから数日に渡り微調整を行なって現在に至りますが、Focal Clear MG Proがやっと本来の音で鳴ってくれているようで、どのジャンルの曲を聴いてもほぼほぼ不満を感じないレベルになりました。
尤もケーブルアロケーションにはまだ改善の余地があると思っているので、追々試してみるつもりです。
当初は「失敗したかな...」と思っていたFocal Clear MG Proだったけど、この音なら導入した甲斐があったと言うものです♪
ただ一つ不安なのは、今のシステムだとArya Organicの音はどう変わるのか、と言うこと。
恐らく高音のインパクトが以前よりも強くなっているはずだけど、それが吉と出るか凶と出るかはわからないですね。
Focal Clear MG Pro導入以降、Arya Organicはケースにしまった状態だったので、今晩久々に聴いてみるつもりです。
Focal Clear MG Proとの音の違いも気になるところですね。