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audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

115V昇圧トランスと単線LANケーブルの試聴結果

briareos.hatenablog.jp
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FiiO K9 Pro ESSを115V駆動するために導入したサウンドハウスの昇圧トランスと、LANの高音質化を目指して導入したLINKUPの単線LANケーブル。
エージングが完了したので、それぞれの有無による比較試聴を行いました。

試聴に使用した曲は次の3曲で、いずれも耳にタコができるくらい聴き重ねた曲です。

  • Keith Jarrett/Standards Live/Stella By Starlight(冒頭のピアノソロ部と中盤のピアノトリオ演奏)
  • Bill Evans/You Must Believe In Spring/B Minor Waltz(ピアノトリオ演奏)
  • 櫻坂46/Start Over/静寂の暴力(JPOP)

上記3曲の録音レベルがかなり異なるため、試聴ボリューム位置を決めた後、マスキングテープで目印をつけておきました。
音の大きさが少し違うだけで印象はかなり変わりますからね。

試聴前は115V昇圧トランスと単線LANケーブル(LINKUP Cat8 S/FTP 4ペア 22AWG スクリーン単線ケーブル)の両方とも使用した状態だったので、LANケーブル2本を以前使っていたケーブル(LINKUP Cat8 二重シールド 26AWG)に戻しました。


この状態で、まずは115V昇圧トランスの有無による比較試聴を実施します。

115V昇圧トランスと100V駆動時の電源は、OYAIDE MTB-4(2口×2)の同じコンセント(OYAIDE DX)から取り、K9 Pro ESSに接続する電源ケーブルは同じものを使うので、音の違いは昇圧トランスの有無によるものだと(ほぼ)言えます。

予想としては、トランス有→トランス無→トランス有 の試聴をすれば昇圧トランスの効果はわかると思っていたのですが、実際にはそれぞれの試聴を4回ずつするハメになりました... (^^;;

理由はお察しの通り音の差が非常にわかりづらかったからで、結論として115V駆動の効果はほとんどありませんでした。
ただ、強いて言うならという前提ですが、私が感じた違いは次の3点。

  1. 115V駆動は若干ながら低音が深くなる気がする
  2. 115V駆動は音数(楽器の数)が多い時、ほんの僅かゴチャッとする気がする
  3. 115V駆動、と言うよりはサウンドハウスの昇圧トランスを使った場合と言う方が正しい気がするが、昇圧トランスを入れると透明感が僅かに落ちる気がする

2と3の原因ですが、個人的には昇圧トランスについているコンセントとMTB-4についているコンセント(OYAIDE DX:オーディオグレードのコンセント)の音質差が出たのではないかと考えており、そう言う意味で純粋に115V駆動に起因するのは1だけかな、と思っています。
※K9 Pro ESSに使った電源ケーブルを挿すコンセントの違いが音に影響しているという意味です。
※もしかしたら3つ全てがコンセントの影響かもしれないし、逆にコンセントの影響はほとんど無い可能性だってあるけど、どちらにせよ結果としての音質差は微々たるものだったのだからどっちでも良いですよね。

ただ、先に書いたように"強いて言うなら"というくらいの差なので、プラセボの範囲内かもしれません。

一方、私の耳(特に右耳)は高音の感度が落ちているので、今回の試聴では普段より大きな音で鳴らしたものの、高音域の違いについては明確に認識できていない蓋然性が大です。
なので普通の聴力がある方(特に若い方)が聞くと実は違いがあるかもしれないので、あくまで耳が衰えたジジイの感想だと思ってください。
※余談ですが、音量を大きくしたら普段聴いている音量ではほとんど聴き取れないシンバルの音(ブラシで擦る音)が少しハッキリ聴き取れました♪ 全く聴こえないわけでは無いことがわかって嬉しかったです。
※とは言えこれ以上耳を悪くしたくないので、これからも耳に負担をかけない程度の音量で音楽を楽しみたいと思います。


次に100V駆動の状態で試聴曲をもう一度聴き、その後LANケーブルを単線LANケーブル(22AWG)に交換して試聴しました。
26AWGのケーブルの音は昇圧トランスの試聴時に何度も聞いたし、LANケーブルの交換作業がちょいと面倒なので、単線LANケーブル(22AWG)に交換後は一発勝負で試聴を行いました。

結果は思っていたより微差だったものの、昇圧トランス有無による差よりは違いがあったように思います。
具体的な感想は次の通りですが、違いの程度は僅かですのでご注意のほど。

  • 最初に感じたのは音が少しスッキリしたことで、大袈裟に言うなら、音の周りのモヤっとしたものが無くなって音の輪郭が明確になった感じ
  • だからと言って情報量は減っていないし、むしろ楽器の細かな音が認識しやすくなったように感じる
  • 響の消え際も僅かに長く聴き取れたように思う


この試聴結果を受け、サウンドハウスの昇圧トランスを使った115V駆動に関しては透明感を重視し100V駆動の方が、LANケーブルについては単線LANケーブルの方が良いと言う結論を、一旦は出しました。
※オーディオグレードの昇圧トランスだったら透明感が落ちるなどのデメリットは無いと思います。もし今回の試聴で(K9 Pro ESSの)115V駆動のメリットを明確に感じられたとしたらオーディオグレードの昇圧トランスを探したかもしれないけど、115V駆動のメリットは微々たるものだったので、これ以上深入りはしません。

でも12月24日に単線LANケーブルに交換し、12月17日に入れた昇圧トランスとともにエージングを進めてきた2週間の間に聴いていた音は良かったと思うし、ブログにも「現時点ではどちらの効果なのか切り分けができていませんが、音は良くなりました」と書いています。

なので、それぞれの試聴結果を重視するなら"100V駆動&単線LANケーブル"という組み合わせが良いことになるけれども、どうしても気になるので115V駆動にしてもう一度だけ試聴してみました。

結果は、やっぱり115V駆動にした方が僅かながら良い気がします。
単体試聴で感じた昇圧トランスのデメリットはほとんど感じなくなり、メリットだけが上乗せされた感じ。

せっかく買った昇圧トランスを無駄にしたくないという思いが影響している可能性(要はプラセボ)は否定しませんが、自分が納得できればそれで良いので、115V駆動で行くことに決めました。


と言うことで、昇圧トランスと単線LANケーブルには方がついたので、次なるトライは光LANによる音質アップの実験です。
果たしてどんな結果になるでしょう? 楽しみです♪