12月18日に母を施設から自宅に迎えてから数日後、丸一日かけてオーディオのセッティングをしました。
基本的には東京での最終形と同じ。Z1ESを外した場所にSoundgenic + リニア電源を置いたり、Oracleの電源の横にSonore ultraRendu + リニア電源を置いたりと微妙な違いはありますが、ラックおよびスピーカーのレイアウトは東京と全く一緒です。
使用機材も変わっていないので、違いは部屋の環境と電源環境ということになりますね。
オーディオ&ビジュアル用の専用電源は分電盤(テンパールの普通のやつ)の主ブレーカーに一番近い子ブレーカーからHS&T 住友日立 EEF/F 2mm 2芯を使用して引いています。このケーブルを選んだのは音が柔らかいというレビューをどこかで見たことがあるから。
実はもっと高価なオーディオ専用のケーブルを使うことも考えたのですが、東京での最終形の音に特段不満は無かったし(東京のマンションもオーディオ専用の電源にしていましたが、屋内配線用ケーブルは他の配線と同じ極一般的なケーブルでした)、基本的に年金生活になるのでこれまでのようにオーディオにお金をかけることは難しく、少し肩の力を抜いてオーディオというよりは音楽を楽しんでいこうと思った故に、あえてオーディオ用を選びませんでした。
ALLIONとかのオーディオ専用の分電盤を使わなかったのも同じ理由ですが、せめてもの拘りでHS&T 住友日立のケーブルを選びました。あとからヤマイチさんから聞いて知ったのですが、リフォームで交換・新設した全ての電源に関しては全てこのケーブルを使ったとのこと。価格も高くないので場所によってケーブル(線材)を変える方が面倒だから、とのことでした...(^_^)
オーディオ用電源の屋内ケーブルは当然新品だし、オーディオ機器は1ヶ月以上通電していない状態だったので、オーディオの仮セッティング後3日間通電をし、クリスマスの夜10時頃から富山で初めての音出しをしました。ソースはSoundgenicで、クラシック、ジャズ、ロック、JPOPなどの広いジャンルから数曲ずつ楽曲をセレクトして試聴。
最初の楽曲は当然ヴァイオリンソロで、Isabelle FaustのSonatas & Partitas for solo violin 2010からBachのPartita IIを選んだのですが、出てくる音を聴いた時には本当にビックリしました!
「東京で聴いていた音よりもかなりいい!」
それから10曲ほど試聴した感想は以下の通り。
- 音色は同じなんだけど、耳に届く情報量がかなり増えている。東京では聞こえなかった音が聞こえるし、ヴァイオリンの消え際の音の表情まで聞き取れる。
- 音の鳴り方が伸びやかでストレスがない。透明感も上がった。
- 何故かはわからないが低音の量感が明らかに増えた。ちなみに機器のセッティング(インシュレーター、ケーブル)は東京と全く同じ。
- 不自然な響きや音のこもりは全くない。
- サウンドステージが左右方向に広くなったが、右側の方が若干広く感じる。上下および奥行きの広さはさほど変わらない。
- 楽器の位置や空気感が以前よりもハッキリとわかるようになった。ヴィヴァルディの四季がこんな風に聞こえたのは初めて!
先に書いたように東京との違いは部屋の環境と電源環境だけなのですが、音のレベルが確実にワンランク上がったように思います。そこでその理由について少し考察してみました。
◆部屋の環境について
- 東京の部屋は山手通り沿いの騒音(暗騒音)が大きい場所だったが、富山の部屋はクルマの音も近所の家からの音も何も聞こえないような静かな環境であること。間違いなくこれが最大の要因。
- 壁紙に吸音効果がある織物クロスを使用したこと、ダブルベッドが置いてあること、スピーカー対面の窓・壁を全面カーテンで覆うことができ、スピーカー背面の窓もカーテンで覆うことができるために、余計な響きを抑えられている。
- 部屋全体の広さ自体はさほど変わらないが、東京では部屋の一部(面積的には1/3ほどで、左右の幅が狭い領域)がオーディオスペースだったのに対し、現在は部屋全体(クローゼット部分を除く)をオーディオスペースとして使えている。セッティング自体はどちらもニアフィールドだけど(スピーカーとリスニングポイントの距離はほぼ同じだが、左右スピーカー間の幅は20cmほど拡がった)、東京よりも広いスペースの中でのニアフィールドセッティングとなっているため、スピーカー周りの空間がかなり広くなった。そのことがサウンドステージの左右の拡がりと楽器の定位感の向上に寄与した。
- 左スピーカーとCDラックとの距離よりも、右スピーカーと壁との距離の方が1m近く長い。また左スピーカーのすぐ後にはラックがあるのに対し、右スピーカーの後には何もない。つまり右スピーカー周りの空間の方が広く、そのことがサウンドステージの拡がりの左右差となっている。
- 東京の部屋は天井高が270cmと高く、富山の部屋は240cmと30cmも低いにもかかわらず、音の拡がりやスピーカーの鳴りの良さは明らかに富山の部屋の方が良い。勿論、平面方向での空間が広くなったことも影響していると思うが、それに加えて(結果的にだが)ツイーターの位置(高さ)が床と天井のほぼ中間にあることも鳴りの良さにつながっている気がする。
◆電源環境について
- 根本的に、都心の、しかもマンションの電源環境よりは、田舎の一軒家の電源環境の方が良い(ノイズが少ない)こと。実際、P10(電源リジェネレーター)の入力歪率を見ると、東京は3.6%だったけど現在は1.8%なので、歪率は半減している。とは言え、P10が電源をきれいなサイン波に作り直しているのだから入力歪は関係なさそうな気もするけど、P10自体を駆動する電源環境が良い方が出力する電源質も良くなるのではないかと思わなくもない。
- 東京の電源周波数が50Hzであるのに対し、富山は60Hzであること。電源周波数が高い方が音が良いらしいので。
自分なりに整理してみると、やっぱり部屋の環境〜特に暗騒音の少なさ(部屋のS/N比の高さ)が最大の要因ですね。次がスピーカー周りの空間の広さとスピーカー(ツイーター)の位置かな。
まあ理由はともあれ、実際に音が良くなっているのは間違いの無い事実なので、私としては嬉しい限りです♪
これに気をよくし、少し投資をして新たなアクセサリーを導入しました。その話は近いうちに。