金曜日の20時半頃からエージングを開始し、土曜日の9時頃にちょっと聴いてみた感想は、
- 低音の量感が上がり、重量感が少し増した
- 前日感じた高音のイヤな感じはほぼ気にならなくなった
- 高音も多少伸びやかにはなってきたが、まだまだな感じ
というものでした。
それから引き続きエージングを続け、概ね75時間経過時点での感想は次の通り。
- やはり低音の量感は増しているし、重量感も以前より出ている。ダンピング感もあって気持ちの良い低音。
- 耳障りな音は出ていないものの、高音が少しおとなしいかも。
- 全体として音の質感が良くなった感じはある。特に高音域で感じるが、それがおとなしさにつながってもいる。
ちょっと高音がおとなしい感はするけど、低音は良くなっているのでケーブルを変えた効果はあったかなという感じです。
電源ケーブル交換によって周波数特性が変化したので、Supace Tune を使って周波数特性の再最適化を実施。結果は次の通りです。
【電源ケーブル交換前】
【電源ケーブル交換後】
元の周波数特性(青線)を見ると、80Hz?付近の低音の量感が上がっているので、聴感上の低音の量感や重量感アップはこの影響かもしれません。
逆に300Hz付近のピークが小さくなっており、高音域は若干凸凹が激しくなっていますが、これが高音域のおとなしさの原因なのかは良くわかりません。
一方、最適化後の周波数特性(赤線)では、低音域はほぼ似たような特性になり、中〜高音域は電源ケーブル交換後の方がやや凸凹した状態が残っています。
つまり、Space Tune による周波数補正によって電源ケーブルを変えたことによる低音の量感増はほぼ感じられなくなりました...(ーー;)
何だかなぁ...と言う感じですが、音の質感は少し良くなったので「まあいいか」と一瞬思ったものの、高音域がおとなしいことが気になってコンセント周りを少し見直してみることに。
実はSC-C50の電源は、リビングのオーディオシステム専用電源配線の途中にあるコンセント(松下電工のホスピタルグレードコンセント)から取っています。そしてこのコンセントはMacbook Pro、iPad/iPhone、各種DAPのアドホックな充電、そしてMacbook ProのバックアップHDDの電源に利用しています。本当はオーディオとは別の配線から取りたいけど、部屋のレイアウト上仕方がありません。
それ故せめてもの対策として、このコンセント(2口)にはオーディオシステムの給電に対する悪影響を少しでも減らそうと、ノイズフィルター(Panasonic PLCアダプター ノイズフィルター)をつけてあります。
SC-C50の電源もこのノイズフィルター経由で取っていたのですが、ものは試しとノイズフィルターを外してコンセントダイレクトで電源を取ってみました。
結果は、ちゃんと考えれば当然の結果とも言えるのですが、高音のおとなしさが解消され、かつ音の粒立ちも良くなりました!
メインシステムへの悪影響を減らそうとノイズフィルターを噛ませていたけど、そもそもメインシステムとSC-C50を同時に使用することはないのでノイズフィルターなんていらないわけです。「メインシステム最優先!」という常々の基本スタンスの悪影響ですかね...(^_^;
これだけ音が変わるなら Space Tune もやり直した方が良さそうなので再測定。結果は次の通り。
補正前の特性では500kHzより上の凸凹がやや小さくなっているようです。特に1.5KHz付近、3〜4KHz付近の落ち込みが小さくなっているのが特徴的かと。
補正後の周波数特性はノイズフィルターを噛ませていた時より中〜高音域がフラットになっているけど、低音については80Hzあたりのピークが補正されて減ってしまっています。ここは補正してくれなくても良かったんですけどね。
最後に今回の総括を。
AudioQuestの電源ケーブルに関しては、低音域の量感/重量感アップや全体的な質感向上はあったものの、正直言うと期待していたよりも変化が小さかったです。もっと中高音域が変わるかと思っていたんですけどね...。
逆に言うと、純正のケーブルもそれなりのクオリティを担保しているという結果だと言えるかもしれません。実際、BD/HDDレコーダー付属のメガネ型電源ケーブルに比べれば、ケーブル径も太くてしっかりしたケーブルだと言えます。
一方、コンセント用ノイズフィルター撤去による音の変化の方は、ケーブル交換以上にインパクトが大きかったです。頭では理解していたものの、ノイズフィルターって実際に音の鮮度感がスポイルされるんだなぁと。
オーディオシステム以外の機器〜スマホやタブレット等の充電時の悪影響を抑えるという意味では効果的なのかもしれませんが、ことオーディオ機器の電源ラインに入れるのはやっぱり良くないですね。
なお、今回の電源ケーブル交換とノイズフィルター撤去の結果、これまではONにしていたVoice Mode(音声帯域の強調)をOFFにしました。
ONにすると中音域の前後の立体感は増すのですが、以前よりも音が中央に集まっている感を強く感じます。逆にOFFにした方が左右の拡がりが自然な感じになるし、ノイズフィルター撤去による効果か、OFFでもボーカルや楽器の存在感は十分感じられるので、今のセッティングだとバランス的にはOFFの方が良さそう。
今、イタリア合奏団の「調和の霊感」を聴きながらブログを書いていますが、ヴァイオリンの高音の艶感が以前よりも増してとても良い感じです♪
尤も電源ケーブル交換で増えたはずの低音の量感がSpace Tuneによる補正で減ってしまったため、再度Tone Controlで補っているというのは釈然としませんけどね。
どうせならSpace Tuneによる補正ファイルを複数保存しておいて選択できるようにするとか、あるいは3バンドのTone Controlではなく10バンドくらいのイコライザーを搭載するとかすればもっと使い勝手が良くなると思うのですが、ファームウェアアップデートで何とかならないですかねぇ...Technicsさん!
と言うことで、改善して欲しい点はあるけど、電源の取り方の変更がきっちり音に反映されるというのは「やっぱりSC-C50って真っ当なオーディオ機器なんだな」と改めて思いました。
以前のレビューでも書きましたが、オーディオファイルの手軽なサブシステムとしてお薦めだと思います。

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