アップグレード前と同じセッティングで音出しを始めました(ソースはOracleでDEQ2496でのイコライジングは無し)。
内部のインターフェイスボードを交換をしているのでその分(まだエージングが終わっていない分)はさっ引いて考えなければならないにせよ、今鳴っている音は頭の中にあるアップグレード前のMA1のイメージとちょっと違います。
何というか「音の芯の周辺の空気(響き)が重いというか厚い感じ」なのです。響きが過多と言うと語弊がありますが、音が厚化粧に感じるんですよね。
セッティングはアップグレード前と全く同じなので、この変化はMA1の音が変わったという以外にあり得ません。良くも悪くも今回のV2アップグレードによる音の変化は大きいということです。
とは言え、このままでは真っ当な評価ができそうにないので、セッティングを少しいじることにしました。
アップグレード期間中にMakuaで聴いていた時には上記のような印象はなかったので、プリ/DAC以外のセッティングには問題ないと思われます。今のMA1とMakuaのセッティングの違いは(MakuaはPL-Lを通していないという点を除くと)、Makuaでは3rdパーティーのインシュレーターを使わなかったという点のみなので、まずはインシュレーターを検討してみることに。
MA1のインシュレーターは金井製作所のkanade01(wide)を使っています。以前の試聴では余計な響きが乗るようなことはなかったものの、ものは試しにBDR PYLAMID CONE SPIKEに変更。結果、厚化粧感は随分軽くなったので、スパイク系 or ピンポイント支持系のインシュレーターが良さそうな感じがします。
そこで次なる手としてfinite elemente cerapucのベース部分を使ってみたところ、音像が締まり解像力が上がる感じで、とても好印象です。ステンレスという素材も良い影響を及ぼしているのかもしれません。
ということでインシュレーターにはcerapucを採用。
ようやくMA1のセッティングが決まりましたが、試聴を始めるに先立ち、Z1ESとのUSB接続テストを実施しました。今回のアップグレードによりUSBインターフェイス自体がハード的&ソフト的に変更されているので、もしかしたら「曲の頭切れ」が起こらなくなっているのではないかという期待です。
結果、悩まされていた「曲の頭切れ」は完全に解消されていました。またiPad上のアプリによる曲操作(トラック送りとか、別のアルバムへの曲へのジャンプとか)が明らかにスピーディー(Sonica DACと同等)になっています! 気持ちいい〜!
これでUDP-205を購入する必要がなくなったと思ったのですが、本日のニュースでOPPOがオーディオ/ビジュアル領域の新製品を今後開発しないという発表が! Sonica DACは既に生産中止になっていますが、205もいつまで生産されるのかわからなくなってきたので、手に入るうちに買っておいた方が良いかなと悩み始めました。まだ在庫はあるようなのでもう少し考えてみたいと思います。
話が脱線してしまいましたが、次にZ1ESのファームウェアを最新版にしてみました。これで問題なしなら言うことなかったのですが、残念ながら「音量が異常に小さくなる」という症状は以前のまま。Z1ESとMA1との接続に何か根本的な問題がありそうな気配だけど、何が何でもZ1ESの最新ファームウェアを使いたいというわけではないので、以前のバージョンに戻して使うことにしました。曲の頭切れが解消された今、何の不都合もありませんから。
さて、ようやく試聴開始なんですが、当初はOracleをソースにしようと思っていたものの、Z1ESの不具合が解消してとっても気分が良いのでZ1ESをソースとして試聴することに。考えてみれば総リスニング時間はOracleよりもZ1ESの方が圧倒的に多いし、また次から次へと曲を変えて試聴するにはZ1ESの方が便利ですからね。以下、1時間半ほどの試聴の感想をまとめたものです。
- これまで以上に音の粒子感を感じない
- 透明感が上がりサウンドステージの見通しがさらに良くなった
- 音場が広くなった(特に左右)
- 音が緻密になった
- 空間情報や響きが増えた
- 楽器の周りの空気感や演奏している気配がさらにわかりやすくなった
元々の音の方向性や音色自体は変わっていないものの、それらを構成する一つ一つの音のクオリティが高まっている感じを受けました。別のDACに生まれ変わったというほどの変化ではないけれど、予想を上回る向上度合いです。
特にUSB入力の音が非常に良くなっている感じで、Z1ESをソースにした音があまりに良いので、今回はOracleの出番が最初しかありませんでした。次の週末はOracleソースの音をメインに試聴してみたいと思います。
最後に、2週間試聴させてもらったMakuaとPL-L+MA1の音の印象を比較してみると、
■PL-L+MA1が優れている点
- 音の滑らかさ
- 音のうねりの表現
- 艶っぽさ
- エレキギターの歪んだ音
- 演奏の情感表現
- 中音の厚み
■Makuaが優れている点
- 解像力
- 音の輪郭が明快で音像が小さい
- 音の立ち上がり/立ち下がりが速い
- 音の切れが良く、一音一音に力がある
- 高音の伸びと抜け感が良い
- いろいろな意味でニュートラル
といった感じ。Makuaも変な癖がなくてとっても良いプリ/DACだとは思うけど、私の好みはやっぱりPL-L+MA1ですね。
最後に。このブログをご覧になっている方でMA1を使っている人はほとんどいないと思うけど、もしお使いの方がいらっしゃるなら今回のアップグレードはお薦めできるので是非試してみてください。