memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

ずいぶん間が空いてしまったけど、SE846とリケーブルについての感想

ネタだけ振っておきながら忘れてしまって拾わないことがよくあります。ここ半年ほどの日記を見直してみたところ、直ぐに2つほど見つかったので決着をつけておくことにしました...(^_^;
今回はイヤホンについてです。


昨年の11月にSHURE SE846と、そのリケーブルとしてSONYのMUC-M12SB1(Kimberとのコラボモデル)を導入しました。その後イヤーチップについては触れたものの、音については全く触れていませんでした。


なのでまずはSE846について、その後リケーブル2種(T8iE MKII用のNobunaga姫鶴とSONY MUC-M12SB1)について感想を簡単に書き留めておきます。
比較基準はT8iE MKIIとNobunaga姫鶴のコンビです。



導入してから既に3ヶ月半ほど経っていますが、基本的には平日勤務先で仕事中に聴くことがほとんどで、T8iE MKIIとSE846をローテーションで使っています。つまり両機とも使うだけの意味(差異と価値)があると感じているわけです。


誤解がないよう先に述べておきますが、情報量とか解像力といった基本スペックはどちらも期待水準以上だし、低音から高音のバランスについても(両機で違いはあるけど)不満はありません。なのでこれから書く特徴は、基本性能の高さに上乗せされた両機の違いであり、それだけに特化しているという意味ではありませんのでご注意の程。


前置きが長くなりましたが、両機(リケーブル込み)について個人的に感じている使い分けのポイントを端的に述べるなら、

 ・T8iE MKII + Nobunaga:音の繊細さ、高音の響きの美しさ
 ・SE846 + SONY:中低音の厚み、音の強さ

となります。


どちらも音楽のジャンルによる得手・不得手はさほど無いように思いますが、音の美しさを重視する場合(クラシックやビル・エバンス/キースジャレットなどのピアノトリオ、女性ジャズボーカル曲)はT8iE MKIIが、音の強さや勢いを重視する場合(Baby Metal、70年代King Crimsonなどのメタル要素の強いロック系、ElectricalDanceなどの低音ビート重視系)はSE846の方が好ましいと思っています。


未だにヘビーローテーションの坂道グループだと、乃木坂46はT8iE MKIIで、欅坂46はSE846で聴くことが多いのですが、坂道グループはどちらのイヤホンで聴いてもそれぞれに良さがあるので使い分けも楽しいです♪


ここまでの感想を読むとT8iE MKIIの低音が薄いように感じてしまうかもしれませんが、実はT8iE MKIIの方が深い低音が出ている(と感じる)し、量感にも不足はありません。ただSE846の方が音の骨格が太いこともあってか、相対的にはT8iE MKIIよりも低音に厚みがあります。


一方、SE846の高音もきっちりと出ていて、高音の強さという意味ではむしろSE846の方があるかもしれません。ただ音の美しさという点ではT8iE MKIIの方が上なんですね。


経験豊富な方なら既にお気づきだと思いますが、上記の感想はあくまでリケーブルとのセットの音な訳で、リケーブル自体の音が実際にも大きく影響しています。


それぞれのリケーブルを入れ替えて比較してみたところ、Nobunaga姫鶴はシルバーコート線故の響きの美しさ、繊細さとシャープさがあり、一方のSONYは中低音の厚みと暖かみが特徴のように思いました。


では、SE846にNobunagaをつけたらどうなるかというと、音の線が細くなってエッジが立ち、高音の響きに煌めきが乗ってきます。つまりT8iE MKIIの音に近づくわけで、リケーブルの影響の大きさがわかります。この組み合わせは有りだと思うのですが、両機を比較するとT8iE MKIIの音の方がより自然で心地よく感じるので、Nobunagaとの組み合わせはT8iE MKIIの方がベターです。


一方、T8iE MKIIにSONYをつけるとどうなるかといえば、これがどうにもいただけない音になるんですね。中低音の厚みは出るものの、音の線が太く丸くなってしまいます。結果、中低音の解像感が落ちて混濁感が出てきます。何というかT8iE MKIIの良さを殺している感じ。当然ながら響きの煌びやかさも無くなるので、個人的にはこの組み合わせでの使用はあり得ません。


故に、T8iE MKIIはNobunagaと組み合わせることとなり、必然的にSE846はSONYという組み合わせに落ち着いたという次第。


この比較試聴を通してわかったのは、私は銀線の音が好きなんだなということと、T8iE MKIIには銀線の音の方が合うということ。実はこの結果が「BeatAudioのPrima Donnaが欲しい!」という熱い思いを生み出しています。


ここまで読めば何となくおわかりかと思いますが、SE846とT8iE MKIIのどちらが好きかというと、(WM1Zでの使用を前提とするなら)間違いなくT8iE MKIIの方。


Nobunagaを組み合わせる前提で考えると基本的な音自体は両機とも好みの範疇に入りますが、ニュアンスとかエモーショナルな部分の表現力がT8iE MKIIの方が勝っているように思います。先に「より自然で心地よい」と書いた部分ですね。


また、繊細さや解像力という点においても、両機とも期待水準は超えているものの、T8iE MKIIの方がさらに優れているように聞こえますし、デザインや装着感もT8iE MKIIの方が好ましいですね。


だったらSE846は必要ないとも思うのですが、SE846にSONYを組み合わせるとT8iE MKII with Nobunagaには無い良さが出てくるわけです。故に現状は2機をローテーションで使っている次第。オーディオ全般そうだけど、組み合わせの相性って本当に面白いです。


ちなみに今年はPrima Donnaと新たなイヤホンの導入を目標にしていますが、イヤホンを導入すると必然リケーブルも導入せざるを得ないので(純正付属で4.4mmのバランスケーブルがついていることはほぼないので)、多分資金負担の小さいPrima Donnaの導入が先になるでしょう。早ければGWの前、遅くとも6月上旬ころまでには入手するつもりだけど、待ち遠しいです♪