Maverick II用に導入しエージングを進めてきたHADALですが、エージング時間が100時間を超えたので感想を書き留めておきます。
まずはケーブル自体について。
- マベ2の純正程ではないものの、細くて軽くて扱いやすい。
- ケーブルの被膜は触ると吸い付く感じ。
- 丸める時にケーブル同士が少し絡み(くっつき)やすいが、使用時は違和感を感じない。
- タッチノイズはほとんど感じない。
- 装着感は極めて良好。耳にかける部分に予め癖がついているが、それが耳の周りにピタッとフィットして安定感がとても高い。
- スライダーはケーブル被膜との干渉のせいで動かしにくいし安っぽい。
- 純正ケーブルとは違いマベ2側の端子に完全には入らないので、接続部が少し浮いてしまう。ただし接触自体は問題ない。
最近8芯とか16芯の中華リケーブルにハマっていましたが、それらの太くて重いリケーブルに比べると、装着時の軽快感が段違いです。やっぱりこのくらいの太さ・重さのリケーブルの方がイヤホンには良いですね。
次は音についてですが、最初は高音の伸びがイマイチで音色もドライな感じがあったため、失敗したかなとちょっと焦りました...(^_^; でもエージングが50時間を超えたあたりから徐々に気にならなくなり、現状は全く気になりません。やはりエージングの目安は100時間くらいかと思います。
以下、マベ2+HADALの音の感想です。
- 中華ケーブルとは違い、マベ2の音場表現が損なわれることなく、広くて開放的で立体的な音場が展開。
- 音像が膨らまずタイト故に、楽器と楽器の間の空間が感じられ、それが広々とした感じにつながっている。
- 純正のようにドライな(素っ気ない)感じはないが、中華ケーブル(金銀合金&OFC)ほどウェットでもない。ニュートラルから若干ウェット寄りのやや暖色系の音色。
- 音の響きが綺麗。少し煌びやかさも感じる。やっぱり銀ベースだからかな。
- 普段よく聴いている曲において、聞こえてはいるけど注意が向かないような背景の音(例えば小さく鳴っているハイハットの音とか)の存在感が増した。
- 解像力が高い。音が重なってもそれぞれがキレイに分離し、演奏のディティールが鮮明に聞き取れる。
- バランス的には低音がやや控えめで高音の印象が強い、若干ハイ上がりのバランス。
- 空間の見通しがよく、透明感もある。音場は立体的に展開し左右に広いのが印象的。
- 音の強弱の表現力が高い。ヴァイオリンソロなどではディティール表現力の高さとも相俟って、それが情感表現につながっている。ダイナミックレンジが拡がったかのようにも感じる。
- ジャンルによる得て不得手は感じないが、曲によっては低音の量感がもう少しだけ欲しいと思う時がある。
純正ケーブルとHADALとの違いは、情報量や解像力というスペック的な点よりも、音色と音の質感、表現力の違いが大きいと思います。少し素っ気なくてドライな純正ケーブルに対し、若干暖色寄りで情緒的表現力を持ったHADALという感じ。
尤も、暖色寄りといってもニュートラルよりも若干というくらいなので、実はHADAL自体はニュートラルで、WM1Zの影響により暖色かつウェット寄りに聞こえるのかもしれません。残念ながら4.4mmバランス出力を備えたDAPはWM1Zしか持っていないので他のDAPで試すことは出来ません。悪しからず。
計画外の導入となったMaverick IIとHADAL。そのせいで財政的にはちょっと厳しくなってしまいましたが、全く後悔はしていません。むしろ導入したお蔭で無駄なイヤホン関連の買物がなくなり、中期的にみれば出費が減るかも?
あとTi8E2用リケーブルとしてPrima Donnaを導入すれば、イヤホンシステムは上がりに出来そうです♪