BRIMAR 6057のその後ですが、前回の中間レビューからの変化は思ったほどありませんでした。とは言え毎日試聴を続ける中で新たに発見したこともあるので書き留めておきます。
ちなみにソース機器はZ1ESです。
- 中高音の透明感は多少改善されたが若干不満が残る
- 中高音の透明感よりも中低音に薄いベールがかかったような曖昧な部分の方が気になってきた
- 分離感・立体感は特に変化無し
- 中間レビューで「奥行きが狭いような気がする」と書いたが、奥行きが狭いというよりは前後方向での音の定位がやや甘いのかもしれない
もうこれ以上変化しそうにないので、不満点解消を目指して対応策をとることにしました。具体的には2方向でのトライです。
- Z1ESの電源ケーブル交換(現状はBlack Label 2)
- 12AT7をA2900からTelefunken ECC801Sに交換
2の対応策をとれば恐らく不満点は概ね解消すると思うのですが、そうするとA2900を外さなければなりません。他に方法がなければ仕方ありませんが、とりあえずはBRIMAR 6057とA2900の共存の道を模索したいところ。
というわけでまずは1の電源ケーブル交換から着手しました。具体的には以前から試してみようと思っていたPC-TripleC自作ケーブルへの交換です。
ちなみにPC-TripleC自作ケーブルは2本あって、SAEC AC-7000はSS-010に、KRIPTON HR1000MはMA1 DACに使用中ですが、AC-7000をZ1ESに持ってくるとパワーアンプのケーブルを変えなければならないため、パワーアンプの音の変化との切り分けができません。一方DACとZ1ESを同時に使うことはないので、DACの電源ケーブルを持ってくればZ1ESの音の変化を明確に切り分けられます。
早速電源ケーブルをHR1000Mに入れ替えて試聴してみました。ちなみにプラグ/コネクタはOyaide P/C-046です。
- 中高音が明快で見通しが良くなる
- 前後方向の定位が明確になり、立体感が増す
- 音がやや細身になり、繊細さが増す
- キレがやや減って、柔らかさがやや増した
- 低音の量感と重量感は少し減る
- 全体的に力強さが薄まり、音が軽くなる
- 音の彫りの深さ、凄味みたいなものは明らかに弱まる
中高音の改善は目論見通りで、同時にサウンドステージもより立体的になりました。このあたりの変化はWelcomeなのですが、思っていたよりも音が繊細かつ軽い方向に変化したのは想定外。BRIMAR 6057とA2900を両使いする意味が薄れます。
また先日のレビューで書いた「ゾクッとするような」感じが半減してしまいました。あの音ってBL2もかなり貢献していたんですね。
念のために付記しておきますが、上記の感想は飽くまでBL2との相対比較であり、絶対評価で言うならケーブル交換後の音は決して「繊細で軽い音」ではありません。むしろ普通の音よりは太くて厚みのある音だと思いますが、BL2だともっとゴリッとした感じがあって一つ一つの音が力強いんですよね。
全体のバランスはPC-TripleC自作ケーブルの方が良いと思うけど、個性的だった部分が抑制されてしまったので音としての魅力は減ってしまいました。ただP/C-046の影響が見受けられるので、P/C-037とか004にすれば多少良くなるかも。もしZ1ES用にもう1本自作するならその方向ですね。
さてさてどうしましょう? もう少し試聴をつづけつつ悩んでみたいと思います