iPurifier ACの導入に際して行った比較試聴を契機に、久しぶりに電源ケーブルでもいじってみることにしました。
とは言え、OracleとMA1 DACはNBS Blacklabel2、PL-LはAC LANDA RHにて盤石の体制であり、いじるとしたらパワーアンプのSS-010、HDDプレーヤー(トランスポート)のZ1ES、デジタルイコライザーのDEQ2496となります。
Z1ESとDEQ2496は常に使う機器ではないので、まずはSS-010から試してみることにしました。ちなみに先日のブログにも書いたように、我が家の環境では上流側の機器の方が電源ケーブル交換による音の変化が大きい傾向にあり、パワーアンプであるSS-010は変化度合いが小さいというのがこれまでの経験値。
故に、大きな期待を持っていたわけではなかったものの、SS-010に使用している電源ケーブルが自作のケーブル(SAEC AC-7000 + Oyaide P/C-004)だったので、ちゃんとしたメーカー製のケーブルにしたらやっぱり違うかなというくらいの期待感はありました。
休眠中の電源ケーブルは2本ありますが(Cardas Golden Reference Powerの旧バージョンとNBS Professional3)、どうせならCardasはAV機器用電源タップに使っている新しいバージョンの方を、またNBSはProfessional3よりもOPPO105JPに使っている格上のOmega0の方を使ってみたかったので、休眠ケーブルと入れ替えて交換用のケーブルを確保。
準備が完了したので、まずはOmega0に交換して試聴を開始します。
最初に感じたのが低音の重さ。次に音の実体感。響きや空間情報は若干減ったような気はしますが、音の線が太くなり楽器の立体感があきらかに上がりました。予想を上回る変化っぷりです。
このまま色々な音源を聴いてみたい気がしたので、Cardasの試聴は次週に延期することにして、一週間Omega0を使ってみることに。
そして一週間が経過。やはり短時間の試聴では気づかなかったことが見えてくるものですね。
音の感想は概ね第一印象と変わりません。しかしながら一つだけどうしても気になる点を発見しました。
それは特定の音源を使った際、高音に感じるある種の癖みたいなもの。よくあるピアノの高音のキンつきとも、歪み感とも違う、言葉では表しづらい微妙な耳障り感があるのです。
クラシックやジャズでは感じないんだけど、何故か乃木坂46や欅坂46の一部の曲で感じられる微妙な耳障り感。
例えば、低音の量感が少ないとかサウンドステージが狭いというのは欠点ではあるけど、必ずしも耳障りではありません。私の場合、欠点は許せても耳障りな音だけは許せないので、Omega0の線は無くなりました。
もちろん、Omega0を使う前提で他のセッティングをいじるという選択肢も無くは無いけど、それは最後の手段かなと。まだCardasを試してないし、NBSだったらProfessional3もありますからね。
というわけで次はCardasに交換。
Cardas Golden Reference(電源ケーブル2種とインターコネクトを持っている)に対しては過去の経験から「ピラミッドバランス、落ち着いた柔らかい音調、高音は控えめで伸び感が弱い、情報量や解像力はさほど優れていない」という感想を持っていて、ピュアオーディオ用のケーブルとして積極的に使いたいとは思っていないし、それ故現在使用している機器には試してすらいませんでした。
しかしながら、現在はClearラインにとって代わられたとは言えども、長い歴史と実績のあるケーブルではあるし、デジタル機器に使う気はさらさらないけどアナログ機器(パワーアンプ)なら一度くらい試してみてもいいかな、と思った次第。
さて試聴開始です。
まずはOmega0で気持ちよく聞けなかった乃木坂46のアルバムから聴き始めたのですが、これまで使ってきた自作ケーブルとも、一週間試聴してしたOmega0とも、受ける印象がまるで違います。
ホントかなと思って、それからいろいろな音源を聴いてみました。結果、やっぱり間違いないようです。
基本的には、以前使った時に感じたのと同じ傾向ではあり、高音よりも中低音の寄りの音だし、情報量も解像力も若干控えめに感じるし、音も柔らかい傾向なのですが、何がビックリしたかというと、とにかく音が分厚いのです。特に中音域の厚さはかつて聴いたことが無いくらい。これまで、我が家の音はそれなりに厚みのある音なんじゃないかと思っていたのですが、この音を聴いたらそう考えていた自分が恥ずかしくなってきました。
さらに、低音の量感があるため(Omega0以上にある)、音の分厚さと相俟って交響曲のスケール感がまるで違います。
バイオリンの音も倍音が増えたような厚みだし、しなやかさや艶やかさもうまく表現しています。
一方、低音の質感はと言うと、弾力があるのはいいんだけどちょっと軽いですね。量感はあるのに一つ一つの音が軽いので少し違和感を感じます。直前まで聴いていたOmega0の低音は重量感があっただけにことさら軽く感じるのかもしれませんが、ピアノの低い音を聴くとやっぱり物足りない感じ。
また高音は少し大人しすぎるようにも感じるし、一つ一つの音の立ち方も若干弱いし、音のスピード感もやや鈍いです。
欠点の数だけで言うならOmega0よりもCardasの方が圧倒的に多いのですが、それらの欠点に目を瞑ろうかと思わせるほど、今の音の分厚さとスケール感には魅力を感じます。こんな音が出るなんて思いもしませんでしたからね。
まあ欠点はいろいろあるけれどOmega0とは違って耳障りな点はないので、しばらく使ってみることにしました。
なおこれまではDEQ2496を通さずに素の状態の音を試聴してきたので、試しにDEQ2496を通した音を聴いてみたところ、補正が裏目に出て非常にバランスが悪い音になりました。特に中低音が過剰すぎて聴いてられません。
まあ、自作電源ケーブルを使った際の音を測定して補正しているので、Cardasへの交換でこれだけ音のバランスが変われば当然の結果でしょう。
と言うことで、次の週末にはDEQ2496の測定/調整をやり直してみるつもり。幾つかの欠点は補正できそうな気がするので、久しぶりにワクワクしてきました♪