9日(土)午前中にPL-Lにインストールしてから4日が経過。通電時間は30時間といったところでしょうか。
NOS管ではないので本調子になるまでさほど時間はかからないと思っていたものの、日を追うにつれ音は良くなってきているので、相当長い期間使われていない状態だったのかもしれません。
初日の印象では、響きは多いものの一つ一つの音の分離感が今一つで、中高音の透明感も今一つという感じでした。
実はTESLA E83CCの時に使っていたKRYNA PRO TubeRadiatorがうまくとりつけられなかったので、その影響もあると思います。TubeRadiatorの装着は後日再チャレンジするとして、とりあえずは裸の状態で使うことにした次第。
日曜日の夜も試聴しましたが、多少良くなったような気はしたものの、まだ本調子とは思えません。アコースティック系のソロ楽器はそれなりに聴けるけど、オーケストラはゴチャゴチャしてるし、ROCK/POPS系も同様。ただTESLAよりも中低音に厚みがある点は好印象ですが、中音域が強いA2900とバッティングしている感がなくもありません。
翌月曜日。2時間ほど試聴しましたが(ただし2時間ウォームアップしているので通電時間は約4時間)、終わりの方では一つ一つの音が立ってきて、分離感も良くなってきたように感じます。少し調子が出てき始めた感じですね。
そして翌火曜日。前日同様2時間ウォームアップした後、2時間ほど試聴。使用開始から4日目にして初めてBRIMAR 6057の実力を片鱗を垣間見たように感じました。「こんな音はTESLAでは聞いたことがないな」という音が断片的にですが聞こえてきたのです。
それはダイアーストレイツのエレキギターの歪んだ音。重層的で複雑な響きが何とも官能的で、ゾクッとしました。ふと、以前DAC64を買い替えようと決めてWadia521を試聴させてもらった際、やはりギターの音にノックアウトされて買い替えを決意したことを思い出しました。普段はクラシックやジャズを聴くことの方が多いけど、実はエレキギターの音がどう聞こえるかって結構重要だったりします。
現時点での感想は以下の通りですが、まだ音が変化しているので飽くまで中間レビューということで。比較対象はTESLA E83CCです。
- 音の線がやや太い
- 1つ1つの音の主張が強い
- 音の分離感が少し劣る
- 音の立体感がやや劣る
- 中高音の透明感がやや劣る
- 左右の拡がりは同程度だが、奥行きが狭いような気がする
- 中低音に厚みがある
- 低音に重みがある
- ピアノの高音に独特の煌びやかさがある
- 音の表現/表情が多様/多彩
- エレキギターの音に深み(重層的な奥行き感?)がある
- クラシックも悪くはないけど、ROCK/POPS系で光るもの(これまで聞いたことのない音の表情)を感じる
- ノイズフロアが上がったという感じはしない
- もしかするとTESLAに比べて増幅率が僅かに低いかも(ボリューム位置がTESLAよりも少し上がったので)
TESLAに比べると総合的にはまだ劣っているものの、TESLAにはない表現の豊かさと一音の深みに、今後の期待が膨らみます。
それと当初はA2900との併用は難しいかなと思っていたのですが、火曜の夜の音を聴くと何となく行けそうな気もしてきました。A2900の音楽性と喧嘩するのではなく、相乗効果を発揮してくれると嬉しいのですが、果たしてどうなるでしょう?