Z1ES内の音源ファイルをMA1 DACでD/Aコンバートできるようになって目出度し目出度ですが、実は今回のファームウェアアップデートは、単に「好みのDAC(USB DAC)で再生できるようになった」ということに止まらない影響がありました。
いくつかは先日のブログにも書きましたが、あらためて挙げてみると、
1)Z1ESのアナログ出力を使わなくてもよくなった
Z1ES〜プリアンプ(PL-L)間のインターコネクトケーブルにはOrganic Audio Inter-Connectを使っていますが、高音の響きと解像力に関してやや不満があります。Z1EをBGM専用として使うなら十分なクオリティなんだけど、Z1ESの音が当初想像していたよりも良かったので欲が出たという次第。とは言えMA1 DAC〜PL-Lに使用しているValhallaと同水準のケーブルをもう一本買うというわけにもいかず、どうしたものかなと思っていたわけです。
その悩みが、突然天から降ってきた「Z1ESのUSBデジタル出力」によってものの見事に消滅してしまいました。財政が豊かでケーブル程度の出費は問題ないという状況であれば、それはそれで楽しい悩みでもあるのですが、残念ながら我が家の現状はそう豊かではないので、余計な出費を考えなくてもよくなって嬉しい限りです。
2)ヘッドフォンオーディオシステムの再構築に着手できる
メディアサーバー機能によりZ1ES内の音源をヘッドフォンオーディオの音源として活用できる可能性が出てきました。言い換えるとiPod Classic/iD100 + Wadia521というフロントエンドを1台のメディアプレーヤーに置き換えられるということです。
このことにより、リッピングしたCDファイルをiPod Classicにコピーする手間がなくなりますし(Z1ESだけにコピーすれば良くなる)、DSDを含む所謂ハイレゾファイルの再生も可能になります。
問題は新たにメディアプレーヤーを導入しなければならないことですが、先に書いたインターコネクトケーブルの買い替えに比べると(私にとっては)遙かに生産的な投資です。
CDはZ1ESにリッピングするので、CD再生とDSDファイル再生(DSDファイルを焼いたDVD-Rを再生)用に導入したTEAC PD-501HRも必要なくなるため、Wadia521とともにヤフオクに出品し、メディアプレーヤーの購入資金に当てるつもり。
最終的には、メディアプレーヤー + ヘッドフォンアンプ(P-700u)というシンプルな構成になるため、ヘッドフォンオーディオ用に導入したフルサイズのラックも必要なくなるかもしれません。
もともとミニマルなシステムを目指してiPod Classic/Wadia170 + m902というシステムからスタートしたものが、いつのまにかiPod Classic/iD100 + PD 501HR + Wadia521 + P-700uというごっつい構成になってしまったわけですが、もう一度シンプルなシステムに立ち返ることができるよい機会になりそうです。
3)Macbook Proの買い替えに伴うPC Audio再生環境に悩む必要が無くなった
以前書いたMacbook Proの買い替えについての日記でも触れましたが、来週27日深夜に発表となる新型Macbook ProはUSB-A端子がついていない(と予想される)ため、PC Audio(基本的にはDSDファイルをMA1 DACで再生するために導入した)の再生環境をどうしようか悩んでいました。
でもZ1ES内のDSDファイルをMA1 DACで再生できるようになったので、MacでPC Audioをやる必要性自体が無くなりました。結果、Type-C〜TypeBのUSBケーブルに買い替える必要も無くなったので、これまた出費が抑えられて嬉しい限りです。
こんな感じで、私にとっては多面的な影響があるファームウェアアップデートだったと言えます。
それはそれとして、一昨日、昨日と帰宅後はZ1ES〜MA1 DACでの再生を楽しんでいるのですが、気がついたことがいくつかあるので書き留めておきます。
1)Z1ESの音質調整機能について
Z1ESにはDSDリマスタリング機能がついていますが、44.1kHz/16bitのPCM(AIFF)ファイル再生時にDSDリマスタリングをONにしても、MA1 DACの入力LEDは44.1kHzのままでした。
考えてみればZ1ESのDSDリマスタリングは5.6MHzへのコンバートなので、そもそもMA1 DACでは受けられません。でももしZ1ESからの出力がDSD5.6MHZに変換されているとしたら、MA1 DACの入力LEDは点灯せず音も出ないはずなのです。
と言うことは、Z1ESに装備されているDSEE、オーバーサンプリング時のプレシジョンモード、DSDリマスタリング機能は、USB出力には影響しないのではないかと...。つまり元の音源ファイルをそのまま出力しているのではないかと言うことです。(アプリ上で各機能をONにすることは可能ですが、出力には反映されていないのでは...)
ちなみにZ1ESのサイトに掲載されている高音質信号処理技術は次の概念図で説明されていますが、
この図を見る限り、DSDはオリジナルをそのまま出力、PCMとMP3はオリジナルか、もしくはDSEEの処理後という可能性もありそう。もしDSEEを通っているとするとMP3はPCMに変換されることになるので、DACの入力信号を見れば確認できそうですね。
残念ながら我が家のZ1ESの中には圧縮音源は一切入っていないので確認できませんが、個人的にはオリジナルの音源ファイルをそのまま出力しているという見方に一票です。
2)再生ファイル切り替え時の音切れ
これはMA1 DACとの接続時に固有の症状である蓋然性が大ですが、ファイル再生時に別のアルバムのトラックを選択した際、冒頭の音が欠けてしまうことがあります。1つのアルバム内のトラックを順次再生している際には起こりません。
恐らくZ1ES側の問題ではなくてMA1 DAC側の問題だと思うけど、気になるので書き留めておくと同時に、発生条件の特定に向けて今後いろいろ試してみる予定です。
3)メディアサーバー機能について
OPPO 105JPにネットワーク再生機能がついていることを思い出したので試してみたのですが、サーバーとしてZ1ESの認識はでき、またフォルダのディレクトリツリーも表示されるものの、肝心の音源ファイルが見えません。よって再生できませんでした。
ちなみにiPad mini4に入れてあるMLPlayerDTVでは音源ファイルは見えるけど「使用できないコンテンツ」という表示でした。ちゃんとしたネットワークプレーヤーを使えば問題なく再生できるのかもしれませんが、ヘッドフォンオーディオシステムへのネットワークプレーヤー導入を進めるにあたり、かなり気になる事実ではあります。この件についても可能な範囲で検証してみる予定です。