memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

GWのオーディオ三昧〜後編

Guarneri mementoの設置方法については、導入当初は試聴位置の少し手前でツイーター軸線が交差するクロスセッティングを採用していました。この時はオーディオだけでは無くビジュアル系の音も全てメインシステムで出していたので、試聴位置による音場変化が小さいクロスセッティングが合っていました。


その後シアターシステムYSP-2200を導入したこともあり、クロスセッティングは止めにして普通の内振りセッティングに変更し現在に到ります。


そして今回スピーカー位置調整を行うにあたりやってみたかったのが所謂平行セッティング。リスニングルーム(スピーカー設置位置付近)の幅が狭く、左右の壁も異なる(左は石膏ボード、右はガラス+カーテン)我が家では、平行セッティングよりも壁の影響が小さいと思われる内振りセッティングの方が良いと思っていましたが、オーディオはやってみないとわからないことも多いので一度試してみることにしたわけです。


まずはスピーカーの位置を移動させるための下準備を実施。というのも、スピーカーを載せているウェルフロートボードの下に敷いてあるミスティックホワイトがフローリングの床と密着してしまっているため、スピーカーを動かそうとするとミスティックホワイトはそのままで、ウェルフロートボードだけが動いてしまうんですよね。そのため、一度スピーカーとウェルフロートボードをミスティックホワイト上から降ろし、床との密着を無くさないことにはスピーカーの位置調整ができないのです。


またスピーカー本体とスタンド(ボルトで接続してある)を一緒に動かすのは危険なので(重いので腰を痛めそうだし、万が一倒したりすると洒落にならない)、一旦本体とスタンドをバラして、別々に移動させなければなりません。
その上でミスティックホワイトとフローリングとの滑りをよくするため、スピーカー設置位置付近のフローリングにワックスがけをする必要があるため、下準備作業の方が重労働かつ時間がかかります。
さらに今回はスピーカー本体のクリーニング(汚れ落としとワックスがけ)、スピーカーターミナルのクリーニング、ハーモニックエンハンサーES105Aのクリーニングも同時に行ったため、なんやかんやで下準備作業だけで1時間半ほどかかりました。やれやれです。


下準備が終わった後、とりあえず左側のスピーカーの設置位置を探ります。ヴァイオリンソロを流しながらスピーカーをズラして、ストレスが無く鳴って響きが良い場所を探すのですが、そもそも我が家の場合スピーカーを設置可能な場所は1m四方もないため、(過去の経験から言うと)大きな違いは出にくいです。音の響きが一番良い(ベストな)場所というのはなかなか判断がつかない反面、音の響きが悪い(バッドな)場所は意外にわかりやすいので、それ以外の場所から良さそうな(ベターな)場所を決めました。


次にその場所と対称となる位置に右スピーカーを設置。それからPL-Lのスイッチをモノラルに切り替えて右側スピーカーを微妙に動かし、音がセンターに定位する場所を探った結果、右側のスピーカーの方が壁(ガラス)に少し寄った位置になりました。つまり部屋の中央線よりも若干右側に寄った形でスピーカーが置かれるわけです。


その後PL-Lのスイッチをステレオに戻し、CDを弦楽四重奏に替えて最終調整に入りますが、まず最初に感じたのが、音場が狭いこと。音場がスピーカーの間に収まってしまって拡がりがありません。お話にならないってやつですね。


そこでスピーカーの位置を少しずつ広げていったところ、左右それぞれ5cmずつくらい動かしたあたりで音場が拡がりました。とりあえずその位置をマーキングして、さらに広げてみますが、広げすぎると逆に音場が拡がらなくなるので、やはりマーキングした辺りがベターです。


次に前後に動かしながら音場の奥行きを確認。リスニングポイントは動かせないため、スピーカーをあまり前に出しすぎるわけにはいかない(我が家はニアフィールドリスニングなので前に出しすぎるとスピーカーとの距離が取れない)という制約条件の中で試行錯誤し、しっかりとした奥行きが感じられつつ、リスニングポイントから一番距離が取れる場所を決めました。結果的にプラズマTVからツイーターまでの距離は92cmとなり、ツイーターからリスニングポイントまでの垂直距離(直線距離ではない)が約2mなので、プラズマTVからリスニングポイントの約1/3の距離にツイーターが位置することになったわけです。


そして最後にスピーカー位置を微妙に左右に動かして音像が一番小さくなる場所を探り、トータル30分ほどでセッティング作業は全て完了しました。平行セッティング故、フローリングの継ぎ目とウェルフロートボード側面が垂直になっているのがよくわかります。




さて問題の音ですが、驚くべきは前後方向でのサウンドステージ。奥行き感はこれまでの内振りよりも感覚的に1.5倍ほど深くなりました。プラズマTVの後ろの壁のさらに後方から音が聞こえます。


さらに驚くべきは前後方向での楽器位置の正確さ。左右の楽器位置と同じくらいの正確さで前後の位置がわかります。結果として展開されるサウンドステージは、とても自然で、かつリアル感のあるものに変貌。
また理由はよくわかりませんが、空間情報は以前よりもやや増えているように思え、サウンドステージの空気感がより濃く感じます。


サウンドステージがこれだけ変わると同じCDが別物のように聞こえるため、非常に新鮮♪
いや〜、恐るべしは平行セッティング。内振りセッティングに比べると手間はかかるけど、セッティング決まったときのサウンドステージ感は一番良いですね。


尤も良いことばかりというわけではなく、スピーカー位置が従来より内側に寄ったためシステム各機器の表示がスタンドに隠れて見えませんし、スピーカーが邪魔でCDの交換も少しやりにくくなりました。
またビジュアル関係では、映画を見る際に画面がスピーカーエンクロージャーに反射して少し目障りだし、YSP-2200の壁反射経路を遮る場所にスピーカーがあるためサラウンド効果がやや弱まった感じがするなど、デメリットもあるのですが、それでもトータルとしてはメリットの方が大きいと感じています。


これまで先入観で敬遠してきた平行セッティングでしたが、思い切ってトライして良かったです♪ 今年のゴールデンウィークの最大の収穫でした!