memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

Sylvania5751の音


TESLA E83CCもそうだったのですが、Sylvania5751も試聴開始直後から8割方の実力を出してくれる“寝起きのよい”球のようです。A2900とは大違いですね...(^_^;


そんなわけで試聴開始直後(20時間のエージング儀式を済ませ、本格的に試聴し始めた段階)の音の印象と大きくは変わらないのですが、エージング80時間時点での感想を記録しておきます。


・ピアノの打鍵の当たりが柔らかい
・弦楽器や女性ボーカルにしっとり感がある
・響きが煌びやか(輝いている、華やか、ちょっと派手)
・中低域が力強い
・高域の音のキレが少し鈍く、明瞭感も若干悪く感じる
・無音時の背景の黒さはTESLAに比べると僅かに劣る(かも)


これまで使用してきた12AX7/12AT7の中ではある意味自分の頭の中にある“真空管らしい音(=Cary 300SEIの音)”に一番近いと思います。
しなやかで、少しウェット感があって、響きがきれいで、中低域がしっかりとした音ですね。これに透明感が加わればかなりイメージ通りなのですが、残念ながら透明感に関しては随分控えめです。まあパワー管ではなくプリ管ですし、レファレンスがシングルエンドの300Bですからまともに比較する方が酷というものでしょう。


TESLAとは正反対に近い感触(肌合い)を持った音と言えそうです。TESLA E83CCがメリハリがあってディティールまでピシッとした男性的な感触だとしたら、Sylvania5751はしなやかさと優しさを備えた女性的な感触という感じ。尤も女性的なのは飽くまで感触であって、音の骨格自体は繊細で細身というわけではなく、むしろ厚みがあってドッシリとしています。


この音は自分としては当然“有り”なので、TESLAと使い分けて楽しみたいと思いますが、一つだけ不満があります。それは高域のキレと明瞭感が少し悪いこと。シンバルのアタック音の金属感が物足りなく、また全体的に高域に薄いベールがかかったように聞こえる時があります。
エージングが更に進めば解消されるかもしれませんが、12AT7に使っているA2900との相性問題もあるかもしれません。どちらの球も中低域の強さが特徴の球ですからね。もしかするとSylvania5751にはMullardを組み合わせた方が良いかも。これはもう少し様子を見てから試してみましょう。