memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

残留ノイズ

PL-Lの給電ルートを変更したという話を先日の日記で書きました。その作業の際、CDの再生を止めている状態で左スピーカーの前を頭が過ぎることがあったのですが、右の耳に嫌な音が飛び込んできました。あれっと思ってスピーカーに耳を近づけてみると、何と残留ノイズ(サーっという音)が聞こえます。昔の機器では結構ありましたが、今使用している機器で残留ノイズが聞こえたのは初めてです。
ちなみにスピーカーの軸線上(真正面)からずれると随分小さく聞こえるし、リスニングポイントからだと確認できません。そのくらいのノイズ量ではあります。


最初はPL-Lの給電ルート変更の影響かと思ったのですぐに以前のルートに戻してみたのですが、やっぱり残留ノイズは消えません。Powerbank8のwideband filterをON/OFFしても変わらず。
おかしいなあと思って右のスピーカーを確認したところ、ノイズは出ているものの左に比べるとかなり小さいレベルです。両チャンネルともにこの程度なら気にならないのですが、左のノイズ量はちょっと無視できません。


ただ、左右のチャンネルでノイズ量に差があるとわかった時点で原因に思い当たりました。これは恐らく真空管(PL-L)ですね。PL-Lが我が家に届いた際、当然のことながら残留ノイズのチェックはしましたが、ほとんど聞こえないレベルでした。その後、プレート長が長いのでノイズが多いかもしれないというA2900を入手した際にもチェックしたけど問題なし。故にその後はほとんど気にしていなかったのですが、真空管に原因があることはたぶん間違いないでしょう。


PL-Lの電源をオフにしてしばらくクーリングし、2本使っているSylvania5751を入れ替えます。再び電源を入れてノイズを確認したところ、右チャンネルのノイズが大きくなりました。


今度はストックケースからTESLA E83CCを出してきてSylvania5751と交換し、再度確認。するとノイズはほとんど聞こえません。やっぱり犯人はSylvania5751でした。


Sylvania5751を最初に試聴した際の感想に、


・無音時の背景の黒さはTESLAに比べると僅かに劣る(かも)
・残念ながら透明感に関しては随分控えめです


と書いていましたが、どうやら残留ノイズの多さがそう感じさせたのかもしれません。


もしかするとノイズが少ない個体があるかもしれませんが、こいつはやたらと価格が高いし、しかもほとんど出回っていないので、別の個体を入手するというのは問題外です。残留ノイズは少ない方が良いに決まっていますが、リスニングポイントで聞こえるわけではないので、「Sylvania5751とはそういうものだ」と割り切ることにしました。そう思わせるだけの魅力はありますからね。


とは言うものの、TESLAからSylvaniaに再び戻すのも面倒なので、TESLA+A2900のコンビでいくことにします。TL3Nの音質改善の流れでTESLAからSylvaniaに変えたわけですが、結局のところ元のコンビに戻りました。


その状態(残留ノイズの原因がわかったのでTL3Nの給電はアイソレーショントランスに変更しています)で2時間ほどCDを聴きましたが、アイソレーショントランス経由の給電が効いたのか、TL3NのEX CONTACT処理が奏功したのか、あるいはTL3Nの天板にfo.Qシートを載せて振動をダンプした効果なのか、音のしなやかさと立体感(立体感はTESLA故)が増しています。


一週間ぶりに電源を入れたUX-1との比較試聴もしてみましたが、情報量、解像度、空気感、力強さではやはりUX-1に劣るものの、TL3Nの耳当たりが良くて聴きやすい音もなかなかのものです。前にも書きましたが、特にピアノの音はUX-1よりもいいんですよね。
もう少し柔らかさが出ると最高なのですが、追加投資せずにできる範囲としてはこの辺りが限界かもしれません。何か新しい手を思いついたら試してみることとし、TL3Nのチューニングは一旦完了とします。