東側ベランダの塗装作業が意外に早く終わりラック裏のドアにアクセスできるようになったため、Wadia521のセッティングを少し変えてみました。
今回いじったはインシュレーターで、MA1 DACに使っていたクリプトンIS-HR50をそのままWadia521に流用していたのを、D-Propに変更しました。4点支持なのでアルミホイルを使って高さを調整し(4点支持の場合、これがいい加減だと低音がちゃんと出ない)、早速試聴。ちなみにこの時点で使用しているデジタルケーブル(Oracle〜Wadia521間)は、Valhalla(BNC)です。
情報量的にはさほど変わった印象は受けませんが、音の分離は多少良くなりました。そのせいか、サウンドステージがより立体的に感じます。また若干粒子的だった響きも、その粒子感が少し弱まって滑らかさが出てきました。
先日の日記で書いたWadia521の印象はほぼそのまま維持されているので、D-Propへの交換は吉と言えるでしょう。
次に予定していたトライアルはインシュレーターをCerabaseに交換することですが、Cerabaseでは折角の滑らかさが後退しそうなのでD-Propのままでいくことにしました。
その代わりというわけでもないのですが、別のデジタルケーブルを試してみることに。MA1 DACではイマイチピンと来なかった(メリットもあるけど、デメリットも目立つ)WireWorld PlatinumStarlight(PSA)です。メインシステムでWadia521と組み合わせて使うのは初めてですが、MA1で使ったの際の印象がさほど良くなかったので、正直あまり期待していませんでした。
ところが、このPSAとWadia521の組み合わせが、全く予想もしてなかった音を出したのです!
一文で記すなら、“実体感が強く、艶めかしくて有機的な動きのある音”。
艶があって滑らかなのに、声や楽器のエッジはきっちりと立っていて、声が、楽器が、自らの存在感を主張しています。
イザベラ・ファウストのヴァイオリンの音なんか、MA1で聞いた時とは別物に聞こえます。適度なウェット感と艶がのったヴァイオリンの弦の音が、まるでそれ自身が活きているかのように空間内を蠢きます。倍音もかつてない存在感。
正直これが正しい音なのかどうかはわかりませんが、魅力的な音であることは間違いありません。PSAの影響は勿論ですが、この音を聴く限り、D-Propの影響も少なくないように思えます。
Valhallaに比べると、僅かにスピードが遅く、サウンドステージの見通しも細かな音の分離感も若干悪くなります。それ故オーディオ的な観点から言うなら一歩後退ですが、音楽的な魅力は明らかにValhallaよりも上。“色っぽく、生っぽい”んですよね。
いやはや、こんな音が聞けるなんて思ってもみませんでした。これまで隠れていたWadia521の別の姿を、PSAが見事に引き出してくれたと言えるでしょう。
やっぱり相性って重要ですね。
念のために書いておきますが、Valhallaとの組み合わせも決して悪いわけではなく、ソースによってはValhallaで聴いた方が良いものもありました。傾向で言うなら、クラシック/アコースティックは概ねPSAの方が良く、ロックやテクノはValhallaの方が良く、ジャズはCDにもよりますがPSAの方が雰囲気があって概ね良い感じ。
と言うわけで、当面はValhallaとPSAを両方ともつないでおいてソースや気分によって使い分けることにします。ケーブルの切り替えだけでこれだけ違いが出ると、使い分けも楽しいですね。
さて、次なるトライアルは真空管交換。この状態でTelefunkenをA2900に変えたら果たしてどんな音が出るのでしょう?
バランスが崩れて悪くなりそうな気がする一方で、もっと生っぽくなるかもしれないという期待感もあり、どんな結果になるか興味津々です。週末が楽しみ~♪