memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

Meitner MA1 vs. Wadia521、 再び。

輸入代理店から5月くらいにリリースされると言われていたMeitner MA1 DACファームウェアアップデートの連絡がまだ来ません。忘れられてしまっている感じなのでメールで確認すればよいのですが、基板交換にかかる費用次第ではやらない(やれない)可能性もあるので、こちらからのアプローチはせずにもう少し様子を見ようと思います。


それはそれとして、うちのマンションの大規模修繕が東側のベランダの塗装/補修という工程に入ることになりました。以前からこのブログをご覧になっている方はご存知だと思いますが、メインシステムの機器交換やケーブル交換の際は、この東側のベランダからラック裏にあるドアを介してシステム背面にアプローチするようになっています。従って、東側ベランダの工事中は機器交換やケーブル交換ができません。


そこで当初考えていた、“ファームウェアアップデートのためMA1を代理店に送っている間、ヘッドフォンシステムで使っているWadia521をメインシステムに持って来てMA1との比較を再度やってみる”という計画を変更し、土曜日の午前中に入れ替えを実施しました。
ファームウェアアップデートはいつになるかわからない(やらないかもしれない)ので先にDACの入れ替え試聴を済ませてしまおうという魂胆ですが、もしベランダ工事中に連絡が来てアップデートすることにした場合、工事が終わるまではMA1を送り出せないのでその対策、という意味も少しあります。



以前の日記でも書きましたが、MA1導入時の比較では「思っていたほど差が無い」という意外な結果でした。でもこの結果にどうにも納得がいかず、いずれ再試聴をしようと思っていたのがようやく実現した次第。
なお前回試聴時のシステムに比べると、スピーカーケーブル、インターコネクトケーブル、電源ケーブル、壁コン周りが変更・強化され、さらにはルームアコースティック対策、スピーカーセッティングの変更等によって音場感も改善されているので、機器の変更に対しては以前よりも敏感になっていると思います。


ちなみに前回はOracleとPL-Lの間にMA1とWadia521を両方とも接続し、PL-Lの入力セレクタで切り替えて試聴しましたが、今回は完全な機器入れ替えで、電源ケーブルとインシュレーターもMA1と同じものを使用。それ故、音の差は純粋にDACの音の差に帰結します。


そして土日に渡ってWadia521の試聴を実施。機器を入れ替えた後、スピーカーから音は出さずに6時間ほど慣らした後で最初の試聴を行いましたが、前回とは違って今回はすぐに分かりました。

  • 音の骨格がしっかりしている
  • 音が太い、音像がやや大きい
  • 音が立っている
  • 中低音の量感が多い
  • 低音が力強い
  • スケール感が大きい(低音の量感と力強さが効いている)
  • サウンドステージの広さ自体は同程度
  • 空間情報が若干粒子的で 響きの質が違う
  • 情報量はMA1の方が若干多い
  • 解像力はMA1の方が高い
  • MA1の方が無音時の黒さ(静かさ)が強いような気がする


記憶にある最近の音(MA1の音)との比較になりますが、やっぱり違いましたね。
以前Chord DAC64を使っていた時に自宅試聴をしてWadia521を導入することに決めたのですが、その際Wadia521に感じた印象に近いものを感じました。ただしあの時はDAC64に対して格の違いを見せつけたWadia521ですが、相手がMA1となると音の水準自体にはさほど差は無く、方向性の違いからそれぞれ一長一短あるという感じではあります。


イメージ(主に見た目)で例えるなら、TAOCのラックとQuadraspireのラックという感じかな? 男性的、女性的というのは言いすぎですが、Wadiaの方が骨太でエネルギー感があってダイナミック、一方のMA1の方は音の表面にざらついたところがなく繊細かつ緻密な感じで、PCM vs. DSDという信号処理の違いが音に反映されているようです。


別の見方をすると、細かいところに拘らずに純粋に音楽を楽しむならWadia521、オーディオ的視点も含めて音楽を聴くならMA1の方が適していると言えるかもしれません。試聴中に何度も思ったのですが、もしWadia521の音にもう少し解像力があって音像が小さければ...と。MA1の音に慣れてしまっているせいか、そのあたりがどうしても気になります。特に交響曲のような音数が多い時にゴチャッとしているように感じられることが何度かありました。


そこで思いました。MA1のファームウェアアップデート(基板交換を含む)をやめて、Oracleのクロック交換をしてWadia521を使った方が幸せになれるかも、と。
まあすぐに結論を出すつもりはありませんが、選択肢の1つとしてはあるかもしれません。


いずれにしてもしばらくはWadia521を使うつもりなので、まずはセッティングをWadia521に合わせてみるつもり。具体的には、インシュレーターと電源ケーブルです。特に情報量と解像力に関してはインシュレーターである程度改善できるような気がするので、CerabaseとD-Prop extendを試してみる予定。
電源ケーブルは今のまま(SAEC PC-TripleCの自作ケーブル)でもよさそうだけど、念のためにAndromedaとBlack Label2を試してみようと思いますが、ベランダの工事が終わらないと交換できないので暫くはお預け。


後はPL-Lの真空管ですね。現在はTesla+Telefunkenのセットを使用していますが、情報量や解像力を多少犠牲にしてでもTelefunkenをA2900に交換した音を聴いてみたいです。こちらは室内から交換できるので、今週末にでもやってみましょう。