D700(およびD300とX100)でのジオタグを実現するために導入したGT-01が昨日到着。早速取り付けてみました。
上から見ると結構大きいですが、ケーブル接続が必要ないのでスッキリしています。
黄色のラインがちょっと目立ちすぎな感じ。白もしくはクロームメッキだったらよかったのに。
厚みはそれ程でもないので横からのバランスはまずまずかと。本体左側面の前側についているボタンがキャプチャーボタン(これを押すと手動でGPS信号を取り込むことが可能)で、その後部についているのがターミナルカバー。カバーを開けるとUSB端子があります。
写真には写っていませんが、右側面にはリセットボタンがあり、後部には動作表示用LEDがついています。
外観レビューはこの程度にして、環境設定と動作確認を開始。
使用するパソコンはMacBook Pro(2009mid/Intel Core2Duo)でOSXは 10.7.2の最新バージョンです。付属のCD-ROMにはWin用とMac用のソフトが入っていますが、Intel Macでは使えませんので下記のリンクからダウンロードして下さい。なお輸入元であるGPSDGPSのWebサイトに載っているリンクは古いので注意。
★Intel Mac用Geotaggerソフトの最新版リンク(Version 1.3.61.0/MacOSX 7およびIntel Core i7に対応)
ダウンロードしたファイルを解凍してインストーラーを起動し、taggrをインストールします。ここまでは何の問題もなく完了するはずですが、問題はここからです。実はIntel Macでの動作に関して不具合があることがわかっており、GPSDGPSのサイト上でも報告されていますし、対応策も2通り載っています。
とりあえず本当に不具合が生じるかどうかをテストするために、対応策はとらずに普通にtaggrを起動。次にUSBケーブルでGT-01とMacを接続しますが、その直後にtaggrが異常終了。やっぱり不具合があるようです。
仕方がないので対応策を実施。対応策は下記の2つです。
- 対応策1:rootアカウントを新たに作成する
- 対応策2:英語環境に変更して作業を行う
対応策2の方は簡単なので後回しにし、まずは対応策1を試してみました。マニュアルはサイトからダウンロードできます。
- 対応策1:http://www.gpsdgps.com/product/gpsdgps_dl/100610/BiloraPhotoGeotaggerGT-01-Intelmac.pdf
- 対応策2:http://www.gpsdgps.com/product/gpsdgps_dl/100729/taggerGT01_mac-eng_mj.pdf
実際にやってみましたが、マニュアルは手順説明が一箇所抜けているのでご注意下さい。ざっくり説明すると次の通りですが、作業は(たぶん)管理者権限を持ったアカウントから実施する必要があります。
- システム環境設定の“ユーザーとアカウント”を開く ※OSX 7以前のバージョンでは“アカウント”
- 左下にある「変更するにはカギをクリックします」をクリックし、パスワードを入力
- アカウントリストの下部にある「ログインオプション」をクリック
- 「ネットワークアカウントサーバの接続」をクリック
- ポップアップパネル下部の「ディレクトリユーティリティを開く」をクリック
- “ディレクトリーユーティリティー”が起動するので、メニューバーの「編集」にある「ルートユーザーを有効にする」を選択
- パスワードを設定する(このパスワードは既に管理者アカウントで使用しているパスワードと同じものでも問題ありません)
- メニューバーのアップルマークから「ログアウト」を選択
- ログイン画面が出たら「その他のユーザー」を選択し、名前を root にして先ほど設定したパスワードを入力
- アプリケーションからtaggrを起動する(新規アカウント環境設定の画面とか出ますが無視しても構いません)
この状態でGT-01を接続してみたところ、確かに異常終了はせずにGT-01との通信が可能となりました。
ちなみにGT-01の動作確認をしたければ、GT-01をカメラのホットシューにつけたままUSBケーブルでPC/Macと接続し、taggrがGT-01を認識している状態でカメラのシャッターを切るとGT-01の後部LEDが緑色に(1回)点滅する、とあります。しかしながら実際にやってみたところ充電状態を示す赤色が点灯したままで、緑色は点灯しませんでした。何度やってみても同じ。
ま、実際に試してみればいいかということで、とりあえずマンションの屋上に上がって適当に5枚ほど撮影してみました。するとシャッターを切るたびに緑色のLEDが点滅します。よしよし。
リアルタイムで位置情報を計算する一般的なGPSロガーの場合は、衛星を捕捉して準備が整うまで30秒〜数分程度待たなければなりませんが、GPS生データだけを1/5秒記録して位置情報は後でPC/Mac上で計算するGT-01の場合は、空が開けた(衛星からの電波が受信できる)場所に出た直後から撮影可能です。実に素晴らしい!
※GT-01の特徴については前回の日記をご覧ください。
直ぐに部屋に戻ってGT-01をMacに接続してtaggrのImport GPS Capturesボタンを押すと、GPSデータがインポートされ、数秒後(インターネット経由でデータベースに接続している)に位置情報が表示されました!
次にD700とMacを接続し、イメージキャプチャーで写真データを新規作成したフォルダに取り込み、今度はtaggr上でSource Folderに今作成したフォルダを指定すると(デフォルトではDestination Folderは自動的にSource Folderと同じフォルダになる)、写真データに対して位置情報を自動的に割り付けてくれます。(注:画像データを出せると色々とわかりやすいのですが、自宅の位置が丸わかりになってしまうので次回別の場所で撮影した際にアップすることにします。)
通常であればこの時点で写真と位置情報の対応を確認し、間違っている場合や位置情報が割り付けられていない写真に位置情報を割り付ける作業をするようですが、今回は同一地点の5枚だけのデータしかないので編集は必要ありません。
次にPhotoウィンドウの下部にあるTag Photoボタンを押すと、写真にジオタグデータを貼り付けて先に指定したDestination Folderに保存してくれます。
今回はテスト撮影なのですんなりといきましたが、実際にはGPSデータがとれない写真もあるはずなので、そのような写真が多いと編集作業はそれなりに手間がかかるかもしれません。例えばお店の中のようなGPSデータがとれない場所で写真を撮る場合には、お店に入る前に(もしくはお店を出てから)GT-01についているCaptureボタンを押してGPSデータを記録しておくと、あとの編集作業が楽になるようです。
ということで対応策1はうまくいったと思ったのですが、実は落とし穴が一つ。
新しく作成したrootアカウントはタギング作業だけに使用し、その他の作業は通常使用しているアカウント上でやろうと思っていたのですが、いざアカウントを切り替えて作業を始めると、先ほどタギングした写真を開くことができません(Apertureで読み込んでも画像が表示されない)。おかしいなと思ってFinderから先ほど作成したフォルダを開いてファイル情報を確認したところ、ファイルに対するアクセス権が設定されていないことが判明。要するにrootで作成したために、他のユーザーアカウントからはアクセスできないようになっています。
仕方がないので再度rootアカウントでログインし直し、写真を保存してあるフォルダの情報を開いて内部ファイルのアクセス権設定を一括変更しました。
で、通常のアカウントにログインし直してファイルを開いてみたら、今度はちゃんと開くことができました。rootアカウントのデフォルトのアクセス権を変更しておけばいちいちタギングのたびにアクセス権の変更をしなくても良さそうですが、この対応策1の問題点は“タギング作業だけのためにrootアカウントを作成した状態にしておくことが気持ち悪い”ということですね...(^_^;
というわけで通常使用しているアカウント上で行える対応策2にトライします。
こちらの方は簡単で、通常使用しているアカウント上で使用言語を日本語から英語に切り替えて再ログインするだけ。英語環境にしてtaggrを起動しGT-01をつないでみたところ、問題無く接続できました。
どのみちtaggrのメニューは日本語表示不可(英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語だけ)なので、英語環境で使用しても問題ありません。なお位置情報データのアドレスデータには一部日本語が入っているのですが(豊島区、東京都などは日本語で表示される)、英語環境でもちゃんと日本語で表示されるので、写真へのGPSデータ割り付け編集作業も問題ありません。
対応策1であれ対応策2であれ、タギング作業をするためにログインし直さなければならないところが鬱陶しいですが、今のところそれ以外に方法が無さそうなので仕方ないですね。個人的にはrootアカウントが必要なくてアクセス権の問題も起きない対応策2の方がよさそうです。
実はrootアカウントを作成した際、どうせならタギング及び写真の編集作業をこのアカウントに集約しようかと思ってApertureとPhotoshop Elementsを立ち上げてみたのですが、Apertureは問題無かったもののPhotoshop Elementsの方はドイツ語表示になってしまいました。taggrはドイツの企業が開発したソフトであることが何か影響しているようです。この時、taggrと日本語環境との相性に何らかの問題があってそれが異常終了を引き起こしているように思いました。故に英語環境で(たぶんドイツ語やフランス語環境でも)正常に動作するというのは納得できます。(Unicodeになってからこの手の不具合は激減したのですが、taggrのプログラミングの仕方がapple標準から外れているのかもしれません。)
ちなみにドイツ語表示になってしまったPhotoshop Elementsを日本語表示に戻す方法がわからなかったので(Photoshop Elementsのプリファレンスファイルを入れ替えようと思って探したけれど見つからなかった)、rootアカウント上での写真編集作業は諦めました。(※あとでわかったのですが、MacOSX 7からはユーザーのライブラリフォルダがデフォルトで非表示になっているようです。)
ま、どのみち不用意にrootアカウントを作ること自体が気持ち悪いのでいいんですけどね。
言語環境を切り替えて再ログインするようなアップルスクリプトもしくはAutomatorを2種類作成しておけば楽そうですが、アップルスクリプトの作成は不得手なので今後の課題ということにしておきましょう。
とりあえずGT-01の動作確認ができたということでまずは一安心。今度の週末に自宅から離れた場所で撮影して再確認してみる予定です。