memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

NAGRA PL-L #2


Wadia521の上に重ねて置いてあったSRC2496をメインシステムから外し、その場所にAntelope OCXを置くことでラックを一段空け、そこにPL-Lを設置。















PL-Lにはプラスチック製の足がついていますが、どう考えても音的に良さそうには思えないのでD-PROP Extendにて3点支持することにしました。外部電源ユニットはD-PROP miniによる3点支持です。




マニュアルによるとバーンインには250〜300時間ほどかかるとのこと。1日3時間使ったとしても約3ヶ月かかるわけですが、週末ならともかく、平日に3時間も音楽は聴けないですね。
そこでDIGAの音声出力をPL-Lに入れて、映像系の音声をメインシステムで聞けるようにしました。これで録画した番組やBD/DVDを観ながらPL-Lのバーンインを進められます。



これがPL-Lの内部写真。本体右側の空いている場所(白の円が2カ所あるところ)はオプションのバランス出力用トランスフォーマーの設置場所ですが、パワーアンプのSS-010がアンバランス回路なのでバランス出力はつけませんでした。



縦に2本並んでいる真空管の左側にヒューズホルダーみたいなものが見えます。以前のPL-Lではここに真空管タイマー(温度計みたいな目盛がついていて、真空管を使った時間がわかる。目盛がゼロを指すと5,000時間経過)がついていました。
しかしながらこのタイマーには鉛が使われていたため、RoHS(欧州環境規制)の関係で使えなくなったようです。ちなみに真空管の交換目安は5,000時間となっていますが、実際には(使い方にはよるものの)10,000時間位使えることもあるようなので、タイマーとしてあまり意味をなしていなかったことも外してしまった一因とのこと。



PL-Lには12AX7/ECC83(2本)と12AT7/ECC81(1本)の3本の真空管が使われています。ネットで調べた情報ではSOVTEKという情報だったのですが、我が家のPL-LはElectro Harmonix(ロシア製)でした。尤もエレハモのロシア製はSOVTEKが作っているようです。



12AX7の方は“12AX7EH”という型番で、奥側の真空管には“08 02”、手前側には“07 11”という記号がついていました。ロットナンバーだと思いますが、これをみると2本は別ロットのようです。12AT7の方は“12AT7EH”でロットナンバーは“09 05”でした。ちなみに3本とも金足です。

無論NAGRAの選別管ですが、12AX7EHにしても12AT7EHにしても比較的入手しやすい現行管ですね。


普通であればエレハモの音を楽しんでから他の球に交換するのが常道というものでしょうが、昨日一日聞いてみて早くもTESLAに交換することを決断。バーンインも済んでいないし、本来の音でないことは重々承知の上ですが、どのみちエレハモのまま使うつもりはないのだから早い方が良いかなと思った次第。
中古管ならともかくも、TESLAはNOSなのでエージングにも時間がかかりますからねぇ。だったらPL-Lのバーンインと一緒にTESLAのエージングを進めた方が効率的だと考えたわけです。



NAGRA謹製の真空管交換用手袋を装着し、つい先ほど12AX7の2本をTESLAに交換しました。



※交差剣マークがTESLAロゴの直ぐ左下にある方の球(写真右)をPL-Lの奥側に装着


このTESLA E83CC(Military Cross Swords)という球は、かの有名なTELEFUNKENのフレーム・グリッド型ECC803Sの正確なレプリカで、構造的、素材的に全く同一規格の球だそうで、S/N比が非常に高く音楽的に優れているのが特徴とのこと。
このサイトに12AX7/ECC83のブランド別レビューが載っていたのですが、非常に高い評価だったのでヤフオクにて入手した次第。

ECC83/E83CC/ECC803S TESLA
This valve was the Czech replica of the famous Telefunken ECC803S. The valve has the large "A" frame getter and thick grade glass which eliminates microphony. The valve also retains the gold pins and plate structure of the Telefunken. This valve is not the same as the new JJ/Tesla E83CC.
The first thing that strikes you is that it is very quiet and the valve displayed no microphonics whatsoever. Beautiful on female vocal as it has a super midband, very fast and dynamic. We dug out our private stash of real Telefunken ECC803S and noticed that these were identical in every way including the sound ( except for the diamond mark). The valve is not as high gain as the Mazda Grey or the RFT. Sonically this was excellent. Rich bottom end silky smooth treble and nice balanced.
In Guitar amps the sound stage was big, no rings, no pops just your guitar. This valve seemed very neutral not colouring the sound in any way. When pushed into distortion the valve sounded rich with super late compression. This valve is super it just does what it is supposed to do nothing more nothing less.


“本物のTelefunken ECC803Sと比較したが、(ダイヤモンドマークの有り無し以外は)音も含めて全てが同じ”と書いてありますね。
私が入手したものは残念ながら金足ではなくアロイメッキですが、それでもE83CCの特徴は十分に発揮してくれるのではないかと期待しています。


次なるターゲットは12AT7の方ですが、こちらの方はまだ入手していません。12AX7をTESLAに固定し、12AT7の方で色々と遊んでみたいと思っていますが、まずはPL-Lのバーンイン/TESLAのエージングを進めます。それが完了したら、色々と遊んでみましょう。Mullardとか使ってみたいですね。