PL-LとUX-1の電源ケーブルの交換以降、新しい機器やアクセサリーを購入したいという欲望がすっかり冷めてしまいました。DオーディオK氏が強力にPUSHしているブラックラビオリにはちょっと興味がありますが、価格があまりに高いので検討対象にはなりません。
欲望が冷めてしまった一番の原因は、今の音で十分な気がしてきたことと、今以上に上を目指すだけの資金力がないという2点でしょうか。
PL-Lの真空管球転がしについても一旦終了。興味のある球は手に入れたし、組み合わせ試聴も完了したし...。
尤も、新しい情報が入れば真空管球転がしを再開するかもしれませんが、所詮はターゲット管が12AX7と12AT7だけなので、情報はかなり探し尽くしたような...。
とりあえず簡単な試聴レポートも兼ねて、現時点での方針をメモしておきます。
基本セットは以下の2つに決定。
●常用セット:TESLA E83CC + GEC A2900(3Mica仕様)
●サブセット:Sylvania5751 + Telefunken ECC801S
TESLAはTelefunken ECC803Sのコピー管なので、Telefunken ECC801Sと基本的な性格は同じです。高S/N比(低ノイズ)でレンジが広くて情報量も多いという、所謂HiFi的な音。とはいえそこはやはり真空管らしく、やわらかさの表現力、響きの美しさ、そして透明感を備えた音です。透明感についてはこれまで使った中で一番かもしれません。
一方A2900とSylvania5751はTESLA/Telefunkenとは対照的で、中低域が分厚くて骨格がしっかりとしたエネルギー感のある音。特にSylvania5751は女性ボーカルや弦楽器の艶っぽさが特徴的で、A2900はドスンと来る重量感のある低域と彫りの深さが素晴らしい。
この性格の異なる2つのグループの球を組み合わせるのが最良、というのが試聴から得られた結論です。(結果的にですが、この4種類の管は全て3micaということになりました。偶然なのか、必然なのか...。)
最初は同系統同士の組み合わせの方が特徴がハッキリしてよいかも、と考えていたのですが、例えばSylvania5751+A2900という組み合わせにすると、中域の強さが強調され過ぎ、音が多少団子っぽくなってしまいます。女性ボーカルや小編成のクラシックであればよいのですが、オーケストラには不向き。
一方、TESLA+Telefunkenだと中域の厚みが薄くなり、かつ低域が軽くなってしまいます。試してみた全ての組み合わせの中では最もHiFi的な音だし、ある意味優等生的な音ではあるのですが、何か物足りない感じ。
結局、2つのグループの球を組み合わせた方が、それぞれの特徴が相殺ではなく補完的に働いて、全体的なバランスも良くなるようです。
常用セットとサブセットの違いは、初段の球の性格の違いと言えます。常用セットはTESLAの音がベースになるのでサブセットよりもHiFi的な音になり、サブセットの方はSylvaniaの性格が強く出るので常用セットよりは中域が厚くて肉感的な音になります。
どちらを常用にしてもよかったのですが、音楽のジャンル対応力が幅広いTESLA+A2900のセットを常用セットとしました。サブセットの方がやや温度感が高いので、秋冬にはよいかもしれません。
ちなみにMullardですが、フルMullardにすると音の芯がやや弱く、全体に柔らかすぎる感があります。他の球との組み合わせだと悪くはないのですが、常用セット、サブセットに比べると特徴が弱い感じ。Mullardを使う必然性が感じられないので、休眠球とすることにしました。
もっと初期のMullardもしくはロングプレートのMullardだったら違う結果になったかもしれませんが、新たに探してまでして確かめる気もおきませんし...。巷では評判のよいMullardですが、どうやら私向きではなかったようです。
そんな感じで、オーディオ的には特にやりたいこともなくなってしまい(とは言いつつも、そのうちACケーブルの組み合わせ確認はしてみようと思いますが)、最近は女性ボーカル(主にジャズボーカル)のCDを買い漁っています。まだ全部は聞き終えていませんが、今月だけで10枚くらい買ったかも。現時点ではEden Atwoodがかなり気に入っています。
ちなみに欲しいアルバム2枚が日本のamazonになかったのでアメリカのamazonで買ったのですが、届いてみたら2枚とも日本版(SHM-CD)だったという落ち。しかも結果的には定価2,000円(定価は届いてみて初めて知った)のものを$37.84(約3,000円)で購入したので、何だかなぁ...という感じなのですが、日本のamazonのマーケットプレイスで売っている新品は6,000〜7,000円もするので、それに比べれば安い買い物ではあります。CDショップを何軒か回れば店頭在庫が残っていそうな気もしましたが、回る時間が勿体ないですからね。
- アーティスト: イーデン・アトウッド
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2011/05/18
- メディア: CD
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