DACをMA1からWadia521に変更し、Oracle〜DAC間のデジタルケーブルをWireWorld PlatinumStarlight(PSA)に変更した結果、思いがけず「艶っぽい音」が出るようになった我が家のシステム。ソースによってデジタルケーブル(PSAとValhalla)を切り替える楽しみも生まれ、かなり満足している状態ではあるものの、その一方で「もっと良くなるのではないか?」というスケベ根性も捨てられません。
というわけで、PL-Lの真空管を交換してみることに。
初段の12AX7はTeslaで鉄板なので、交換するのは終段の12AT7。Telefunken ECC801S からG.E.C A2900への交換です。MA1導入以前にWadia521をメインシステムで使用していた時は、オーディオ的性能は高いけど面白味に欠ける音だったTelefunkenですが、その後のシステム強化によって、冒頭で述べたように艶っぽい音が出るようになっています。
この状態でA2900に換えると、中音域過剰の重たい音になってしまうのではないかという懸念がある一方、さらに艶っぽくなるのではないかという期待もあり、中々に楽しみなトライアルだったりします♪
そして先週日曜日に試してみました。
予想通りというか、A2900にすると中音域の押し出しが強くなり、音のエッジも少し立ちますが、以前Wadia521で比較した時ほどの差は感じません。また期待していた艶っぽさの向上に関しては、それほどでもないという結果。以前感じたA2900の圧倒的な優位性は、今回は感じませんでした。
デジタルケーブルとの組み合わせで比較すると、Valhallaを使う場合はA2900の方が好みです。Valhalla×Telefunkenも決して悪くないのですが、A2900の音を聴いてしまうとTelefunkenは若干音が客観的になって分析的な感じを受けてしまいます。またTelefunkenほどではないにせよ、A2900でもホールの拡がりや雰囲気をうまく表現してくれる点も好印象。
PSAの場合は、A2900だと音の彫りが深く立体的になり、音の抑揚(強弱)もより強く感じられ、Telefunkenよりもさらに生っぽさが出ます。特にヴァイオリンのソロなんかは実に生々しい。一方、ヌケと解像力はTelefunkenよりもやや劣るため、音数が多くなると少しゴチャッとしてしまうのが欠点で、ホールの拡がりや雰囲気もTelefunkenに比べると出にくいです。
PSAはTelefunkenとの組み合わせの方がジャンルに対するスイートスポットが広い分使いやすいものの、嵌まった時の情緒的表現力の強さは明らかにA2900との組み合わせの方なので、単純にどちらが良いとは言い難いかな。
A2900に交換してからまだ数日しか聴いていないのでもう少し色々なCDを聴き込んでみようと思います。