memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

#30 YAMAHA YSP-2200 レビュー#3

導入後5日目、時間にして40時間ほど使用した時点での音の感想について書き留めておきます。


<音質>

導入初日は音が固くて低域もあまり出ていないという状態でしたが、3日目あたりからは随分とほぐれた音になり、低域も出るようになりました。それに伴い、普段テレビを見る時の音量レベルも表示にして2ほど下げています。

HTB50の一番の不満点だった低域の周波数バランスの悪さは、YSP-2200では全く感じません。サブウーファー単体で40〜500Hzという広い帯域をカバーしていること、ウーファーの口径がHTB50に比べると大きいことが効いているのだと思います。
低域の量感もそこそこあるし、セリフも明瞭に聞き取れるし、高域もきっちりと出ているし、周波数バランスに関する不満はほとんどありません。


全体としてのトーンはニュートラルよりややクール寄りで、クリアだけれど軽くて少し薄味の音です。まあメインシステムの音が濃いめなので余計にそう感じるのかもしれません。また一つ一つの音の質に関しては言わずもがな。このシステムでCDを聴こうとは思いませんが、映画だったら(サラウンド効果もあるので)十分かなと。
YAMAHAのサイトで調べてみてもわからなかったのですが、恐らくアンプはデジタルだと思うので、その影響が音に強く出ているのかなと思いました。
エージングが進むと多少改善されるかもしれませんが、もう少し重量感とスピード感のある低音が鳴ってくれると嬉しいかな。ちょっち軽くて緩いかも。尤もHTB50と比較すると雲泥の差がありますけどね(価格も3倍くらい違うのでそのくらいの差が無くては困りますが...)。


<サラウンド効果>

HTB50にも一応サラウンド効果(ドルビーバーチャルスピーカーによってあたかも後方にスピーカーがあるように聞こえる、らしい)とかDSPがついていましたが、我が家の環境ではほとんど体感できませんでした。もともとそんな謳い文句を鵜呑みにしていたわけでもないので「フロントサラウンドなんてまあそんなもんだろう」と納得していたわけです。ちなみにサウンドステージはメインシステムよりも狭かったです。左右の壁の範囲を越えて音が聞こえるなんてことは皆無でした。

ところが、YSP-2200では本当に壁を越えたところから音が聞こえるし、視聴ソースによっては自分のほぼ真横から音が聞こえるんですよね!サラウンド用スピーカーを配したちゃんとしたシステムだったらもっと凄いのでしょうが、サラウンドシステム未体験の私としては、これだけの効果でさえも少し感動してしまいました!

流石に後方の壁に反射した音が聞こえるということは無いのですが(ボリュームをそれなりに上げて、後方からのサウンドデザインがなされたソースを視聴すれば体感できるかもしれませんが、この5日間の中では残念ながらありませんでした)、少なくとも自分から前方に左右180度の範囲には音が展開します。上方向もスピーカー上方の天井(普通のマンションよりも天井は高い)より少し低いところくらいからは聞こえます。奥行きはメインシステムと同じくらいなのでスピーカーから後方に1m強くらいかな。
でもフロントサラウンドシステムでこれだけのサウンドステージが得られるならば、個人的には100点満点をあげてもいいくらい。


サラウンド効果に関しては、標準的な効果がどの程度なのか(聞いたことがないため)わからないので何とも言えませんが、これまでメインシステムで聞いていたステレオサウンドと比較すると、明らかに臨場感が高く、音の移動等も明確にわかるので、それなりの水準なのではないかと思います。

DSPは、“映画”、“音楽”、“エンターテイメント”の3カテゴリーで、それぞれに数種類のメニューが用意されています。ベースとなるサウンドステージが広いという点も大きく影響していると思いますが、それぞれのメニューの音場感に随分メリハリがついているので、DSPを切り替えると面白いくらいに音場が変化します。ちょっとやり過ぎ何じゃないかと思うメニューもありますが(例えば“音楽”カテゴリーの“コンサートホール”とか)、楽しいしそれなりに使えるメニューもあるので、良いのではないでしょうか。
ちなみに、Blu-ray Diskで映画を観る際にサラウンド音声を選択している場合(YSP-2200のインジケーターがブルーに点灯する場合)にはDSPは使用不可となるようです。


<その他>

本体の設置位置(ツィーターの位置)がテレビ画面の下端よりも少し下となるため、視聴ポジション(耳の位置)よりも下にツィーターがあることになります。HTB50は本体に仰角がついていましたがYSP-2200にはついていないため(しかも上位機種のようにサウンドビームの上下角の調整ができないので)、もしかして音が下の方から聞こえるのではないかと危惧していたのですが、全くの杞憂でした。


システムの機能的性格上、壁の反射環境の変化には非常に敏感です。特にカーテンの開け閉めによってバランスが結構変わります。サウンド設定は3つまで記憶できるようになっていますが、本体の設定メニューからでないとアクセスできません。我が家ではカーテンの開け閉めが頻繁にあるので、リモコンメニューからダイレクトでメモリ選択ができると有り難かった...。


テレビがHDMIリンク機能を持っていれば問題ない(必要ない)のでしょうが、我が家のテレビにはリンク機能がついていないのでテレビとの電源連動ができません。YSP-2200のリモコンの方にテレビ用の電源/チャンネル/入力切替ボタンをつけておいて欲しかったです。


YSP-2200本体の電源ケーブルは(メガネタイプでも良いので)取り外しできるようにしておいて欲しかった。楽しみが一つ減りました...(^_^;
(実は電源ケーブルの長さがギリギリのため、できればあと20cmほど伸ばせればと思っています。なので、そのうち本体を改造して電源ケーブルを交換するかもしれません。)


<総評>

サラウンド用スピーカーを使った本格的なシステムと比較するとサラウンド効果的にはイマイチなのだと思いますが、簡単に設置できるフロントスピーカーだけでここまで楽しめるのであれば十分な製品価値があると思います。競合機種のことがわからないのでC/Pが高いかどうかは何とも言えませんが、個人的には十二分に満足しています。(少なくともHTB50の3倍以上の満足度は間違いなくありますね)
「リアスピーカーを設置するのは嫌だが、サラウンドとやらには興味がある」という方にはお薦めの機種だと思います。


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