memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

オルフィさん再訪 #1

先々週の土曜日にオルフィさんの家に遊びに行ってきました。今回の目的は、改造版ガルネリ・オマージュの音を聴きに行くこと!


「改造版って何?」と思われる方も多いと思いますが、何はともあれ写真をご覧ください。



こちらがオリジナルのガルネリ・オマージュ。違いがわかりますよね。


※2点の写真はグーグル画像検索での拾いものです。



記憶している変更(改造)箇所は以下の通り。


・ツイーターをDynaudioのEsotar2 110に変更
・ネットワーク変更(ツイーターを変更したため)
・バッフル面の革を除去
ウーファー・ベースをメープル材にて自作(オリジナルは金属フレーム)
ウーファーの振動板表面への△△△塗布 ※塗布剤は忘れてしまいました(^_^;
・バスレフポートの追加(2カ所あるうちの下のポートの方)
・吸音材を取り除いて内部にフェルト(?)貼り
・スピーカーターミナルの位置変更と交換(バイワイヤリングからシングルへ)
・スタンドの高さを変更(ツイーター位置が耳の位置になるようスタンドをカット)
・スタンドの金属表面再塗装(マット塗装から光沢塗装に変更)
・J1ハイポリマープレートによるエンクロージャー3点支持(左右と後ろの3点)
・スタンドベースを大理石から無垢のメープルに変更(大理石は響きが死んでしまうため)
・前面ネットの素材変更(オリジナルはゴムの固有音が強いので、固有音が弱いゴムに交換)

※なお、仕上げ用のニスは高級ヴァイオリン用アルコールニスを使用


正直、最初に見た時は開いた口がふさがりませんでした!
ぱっと見は確かにガルネリなのですが、よく見ると別物のように変わっています。


もしかすると失念してしまった変更箇所があるかもしれませんが、ここまで変えてしまう熱意にはただただ頭が下がるばかり。しかもこれらの改造のほとんど全てをご自分でやられたそうです...。
そしてまたその仕上がり具合が実に美しいのです!ほとんどプロ並みと言っても過言ではありません。


もちろんこれらの改造は全て音を良くするためなわけですが、お聞きした改造コンセプトは「自然と生音に近い質感を最大限に引き出す事」とのことでした。
特に倍音の質/量にもの凄く拘っていらっしゃいました。そしてその拘り(というか探求心)が高じ、何とヴァイオリンを習い始められたそうです...。


前回お伺いした時もその熱意と探求心には驚かされるばかりだったのですが、それがさらにパワーアップしているというか、もはや別次元に突入してしまっていますね。




そしてその改造版ガルネリ・オマージュが奏でる音は、改造コンセプト通り、まさに“自然”なのです。


前回お邪魔した時はPalladio(既に処分されたそうです)だったのでその音の記憶との比較になってしまいますが、奥行きの深い(我が家の2倍くらい深い)サウンドステージの中に広がる音の響きが、以前は極めて細かな音の粒子が広がっているように感じられたのですが、今回はその粒子感が無くなり連続性を持って滑らかに満たしているように感じられました。
誤解を恐れずに喩えるなら、以前はSACD的な響きで、今回はアナログ的な響きという感じです。


試聴中、どう表現すべきか言葉が見つからず、譫言のように“自然な音”とばかり口にしてしまい情けない限りでしたが、それでも“自然”としか喩えようがなかったのです。
よく「自然な音」という形容詞が使われますけど、そのほとんどは「自然っぽい音」なのかもしれないと思いました。「自然な音」と「自然っぽい音」との間には、実は相当な隔たりがあるかもしれないですねぇ。


もう少しだけ書いておくと、情報量と解像度が高まったこと、さらには豊かな倍音との相乗効果の結果なのか、楽器の一つ一つの音そのものの構造がとても立体的であり、かつその肌触りが極めてリアルに感じられたように思います。これらも“自然な音”の表現に大きな役割を果たしているように感じました。
聞かせていただいた中では、特にヴァイオリンとチェロの音、そしてボーカルが凄かったですねぇ...。我が家の音とは正直次元が異なる音でした。


今回はアコースティック系の音楽を中心にお聴かせいただいたので飽くまで推測なのですが、おそらくこの改造版ガルネリ・オマージュはオールラウンダーではないような気がします。でも、ことアコースティック系(特に弦楽器)に関して言えば、もうこれ以上の音は必要ないんじゃないかと思いますねぇ...。
尤もご本人はまだ納得されてはおらず、まだ改良の余地があるとのことでしたけどね。


これ以上、何をする必要があるのかは私には計りしれませんが、次に聞かせていただいた時にはさらなる驚きが待っているのかもしれません。楽しみですけど、恐ろしいなぁ...(^_^;


(つづく)