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audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

GUSTARD R26 ④:Rb基準クロックを入れてみた

前回(19日)のブログの後、R26にRb(ルビジウム)基準クロックを繋いでみました。
このRb基準クロックは2009年にヤフオクで製作依頼したもので、中古のルビジウムクロックユニットを使用して作られています。

当初はEsoteric G0(マスタークロックジェネレーター)のクロック精度を上げるための外部基準クロックとして使用し、G0からのワードクロック(CD:44.1KHz、DVD:音声重視の場合は48KHz、映像重視の場合は100KHz)をEsoteric UX-1(CDトランスポート、DVDプレーヤーとして使用)に入れて使用していました。

2013年にUX-1からクロック入力端子を持たないOracle CD2000に買い替えたのでRb基準クロックは使わなく(使えなく)なり、2019年にヘッドホンシステム用のネットワークトランスポート NT505(外部10MHzクロックを入れられる)を導入したタイミングで再び使い始めました。

計算するとRb基準クロックの実使用時間は約5年なので、中古ユニットで作られてはいるけどまだ使えそうな気もします。
※一般的にRbクロックユニットの寿命はルビジウムランプの寿命である10〜15年とのこと。

ただRb基準クロックを使うとなると機器が5台になってコンセントが足りなくなるので、オヤイデのOCB-1 EXsIIという電源タップと専用大理石ベース(OCB-BS)を購入し、MTB-4改に繋いで使うことに。

このOCB-1 EXsIIはケーブル付きのタップではあるけど、ケース以外のケーブルや部材は現在使っているMTB-4改と遜色ありません。

  • ケーブル:L/i50 OFC II
  • 導体:国産C1011 OFC
  • 導体サイズ:2.0sq x 4芯 + アース線(0.75sq)
  • 内部配線:国産純銀単線 2.0mm(スキンパス加工)
  • 電源プラグ:Oyaide AP-037(non-IP)
  • コンセント:Oyaide SWO-DX/ULTIMO(青)

左下のシルバーの機器がRb基準クロックで、サイズ(幅)が大きいので横向きに設置。

クロックケーブル(AET URDG75 spec.2004)に75Ω→50Ωのインピーダンス変換トランス(STACK PD022)をつけてR26に接続。

EXTマークが点灯し、外部クロックとして無事に認識されました。

こちら(写真左)はコンセント増設用に導入したOCB-1 EXsII。専用大理石ベースを使うと安定性が大幅に上がります。


Rb基準クロックとOCB-1 EXsIIをシステムにインストールしたのは20日の昼過ぎで、Rb基準クロックは前日から別の場所で通電してありました。
20日の夜(DDC-U18はエージング58時間なので音は安定してきつつある)に試聴した際の感想は以下の通り。

  • 外部クロックだと音のエッジが立って立体感が出る
  • ギターはかなりリアルに感じるが、ヴァイオリンの音には何か違和感を感じる
  • 内部クロックに切り替えると立体感は減るけど自然な感じになる
  • R26をXLR入力で聴くと、全ての音が前に出て主張している感じがして少し煩いし、ボーカル曲では脇役(楽器)の主張が強くて主役(ボーカル)が誰なのか分かりづらくなる。
  • R26をRCA入力で聴くと、脇役が控えめになってまとまり感が出る一方、パッと聴いた感じだと音数が減ったように聞こえる(実際には減ってはいないのだが)
  • 透明感と抜け感はイマイチ

Rb基準クロックを入れると音が立って立体感が出るもののヴァイオリンの音などは何か不自然な気がするし、音のエッジの立ち方が緻密ではなく雑な感じがして、入れたほうが良いのか入れない方が良いのか判断に迷いました。

尤もOCB-1 EXsIIのエージングがほとんどできていない段階なので、クロック是非の判断は保留にしてまずはエージングを進めることにしました。


翌21日の夜の試聴感想は以下の通り。

  • クロック有無による音の変化は20日と変わらない

※以下は外部クロックの音の感想

  • 全体に音が少し固い
  • 男性ボーカル(稲垣潤一)の高音に僅かに割れているようなノイズ感がある
  • R26のフィルターをFastからMidにすると多少マシな音になる
  • 依然として透明感と抜け感はイマイチ
  • クロックケーブルをAET SIN Digital、Oyaide DR-510に交換してみたが、音のニュアンスは変わるけど大きな変化はない

クロックの効果云々以前に、音が固いのが気になって仕方ありませんが、恐らくこれはOCB-1 EXsII(内部配線が銀単線)のエージング不足が原因でしょう。
取説にはエージングに60時間は必要とあるので(試聴時点では34時間)もう少し我慢することにします。


そして昨晩(22日)を迎えました。
OCB-1 EXsIIのエージングは58時間とメーカー推奨の60時間近くになったので、不安と期待の入り混じった気持ちで試聴を始めました。

  • クロック有無による音の変化はこれまでと変わらない

※以下は内部クロック&フィルターMidの時の感想

  • 音の固さがとれてしなやかさや柔らかさの表現ができてきた
  • 高音の割れているようなノイズ感はほぼ気にならなくなった(無くなったわけではないが耳につきにくくなった)
  • ようやく透明感が出てきて音の抜け感も良くなってきた
  • USB入力時(U18導入前)の最終的な音と、少なくとも同じ水準にはなっていると思う


U18導入以降、U18導入前の透明感と音の抜け感に中々戻らないので少し焦っていましたが、ここに来てようやく以前の水準と同じかやや上回るレベルになってきました。
その上でI2S入力による表現力upが上乗せされているので、ヘッドホンシステムの音としては過去最高と言えるかな♪
※OCB-1 EXsIIはもう少し変わりそうな気がするけど、PRELUDE、R26、U18、Arya Organicについてはエージング完了とします。

問題はRb基準クロックの是非ですが、結論としてはシステムから外すことにしました。

  • 本来であれば音へのフォーカスが高まることで音が立ってくるところ、音のエッジが立つことで音が立っているのはおかしい
  • 音へのフォーカスが高まることで感じられる音の収束感(線が細くなる感じ)がほとんど感じられない
  • 空間表現の向上がほとんど感じられない
  • 高音のノイズ感(微細な音が表現できずにノイズっぽく聞こえる)なんてあり得ないと思う

Rb基準クロックは導入後の実使用時間が約5年とはいえ導入してから15年も経っているし、その間に校正もしていないので、本来の性能が出ていない(音を聞く限りはむしろジッターが増えているような感じ)と判断しました。

ただ、R26&U18ユーザーの中には外部クロックによって音が良くなったという方も結構いらっしゃるので、真っ当なメーカー製外部クロック(10MHz)を導入するかどうか思案中。

ちなみにR26&U18への外部クロックの入れ方は3通りあり、どれが良いかについては意見が割れているようです。

  1. R26とU18の両方に入れる
  2. U18だけに入れる
  3. R26だけに入れる

Rb基準クロックは出力が1系統しかないので2と3を試してみたけど、(我が家の環境では)2の場合はU18のクロックをINT/EXTで切り替えても音に変化はありませんでした。

真偽の程は不明だけど「R26は内部もしくは外部の基準クロックを使ってクロックを打ち直すので、U18に外部クロックを入れても意味がない」と言う話があり、実際に我が家の実験ではそうなったので、クロックを入れるならR26だけでよいと思いました。
※I2S接続ならマスタークロック信号も送るのでU18の外部クロックに意味があるという意見もあります。

またR26のクロック切替に関して動作不良があったので、記録として書き留めておきます。

正常に動作している場合、クロックを切り替えると"プチッ"というノイズが入った後、僅かなブランクがあって音が切り替わります。
しかしながら表示(INT/EXT)は切り替わるのに、音の方はノイズもブランクも入らず全く変化がないという事態が起こりました。

最初のうちは何回か切替すると正常に切り替わったけど、そのうち何度やっても正常に切り替わらない事態に... ( ; ; )

ネットで調べても同じような事例はないし、またシステム(内部のマイコン?)をリセットする手段も見つからなかったので、電源ケーブルを外して30分放置し再度ケーブルをつないで起動してみたところ正常に切り替わるようになりました。

外部クロックを使わないのであれば切替できなくても支障はないけど、別の外部クロックを導入する可能性があるので、正常に戻って正直ホッとした次第。
とは言え中華製故にいつまた起こるかもしれないので、外部クロックを導入するまでクロック切替メニューは弄らないようにします。