就寝時にHD800の代わりに使うための開放型ヘッドホンとして購入したMDRーMV1。
20時間ほどバーンインした後、昨日の夕方に初試聴してみました。
プレーヤーはFiiO R7(音源はSDカード内のファイル、外部電源によるDC給電)で、DAC&AMPはFiiO K9 Pro ESS、 R7のEQはOFF、DSD変換もOFFにしています。
MV1は純正ケーブル(6.3mmプラグ)によるアンバランス駆動、比較用のHD800はGeekria Apollo 6N 単結晶銅表面銀ケーブル(4.4mmプラグ)によるバランス駆動です。
◼️装着感
【重量】
HD800:370g
MDR-MV1:233g
【スピーカーハウジングの幅】
HD800:11.5cm
MDR-MV1:9cm
座って使う際の装着感は、HD800も良い部類だと思います。
でもMV1はHD800より137gも軽く、また側圧が弱くてイヤパッドのクッション性が高いことから装着感はHD800以上に良く、これまで使ったことがあるヘッドホンの中では最も良いと思いました。
肝心の寝転んで使う際の装着感ですが、スピーカーハウジングの幅がHD800よりも2.5cm短いので、HD800のようにハウジングが枕に押し上げられてイヤパッドが耳の後ろに当たって痛くなるといったことは無く、就寝時にHD800の代わりに使用できる開放型ヘッドホンを探すという目的は半分達成されました!
※残る半分は当然ながら音質です。
ちなみにケーブルは左ハウジングからの1本出しなので、両出しのHD800とは違ってケーブルが邪魔にならない点も良いです。
ただ純正ケーブルは2.5mと就寝時に使用するには長くて邪魔なのですが、実は注文してあったバランスケーブル(1.2m)が先ほど届いたので、音が気に入ればそちらを使うつもりです。
◼️音質
試聴は同じ楽曲(の一部)をMV1とHD800で交互に聴く形で実施。
色々なジャンルの楽曲を15曲くらい聴いてみた感想は以下の通りです。
- 情報量はほぼ変わらない
- ハイハットやブラシの音を聴くと、解像力はHD800の方が僅かながら高い感じ
- 響のニュアンスはHD800の方が若干綺麗
- HD800の方が音像が僅かに小さいように感じる時がある
- 音の立ち上がり/立ち下がりのスピード感に差は感じない(どちらも速い)
- 高音の伸び感はほとんど差がない(どちらも十分に伸びている)
- 中音はMV1の方が少し厚みがある
- 低音の量感はMV1の方が明らかに多く、ベースやドラムスに厚みがある
- 温度感は極僅かだけどMV1の方が高いかも
- MV1はストレートに音が鳴るのに対し、HD800は(特に弦楽器の音で)溜めたような鳴り方になる時がある
- MV1でもノイズは全く聞こえないのだが、無音時の表現力はHD800の方が僅かに高い(HD800のインピーダンスが高くノイズフロアが低いから?)
- 音像が僅かに小さいこともあってか、サウンドステージの大きさ自体は変わらないのだが、HD800の方が楽器と楽器の間の空間が僅かに広く感じる
- 左右方向の定位感に差は感じないが、前後方向の定位の正確さはMV1の方がやや優れているかも
試聴を終えてまず感じたのは、MV1の音の鳴り方や音質が意外なくらいHD800に近かったこと。
もちろん低音はMV1の方が出ているし、音の厚みなどに違いはあるんだけど、サウンドステージの広さや音の質感などのざっくりした印象はかなり近いものに感じました。
昔使っていたCD900STは高音が耳に刺さる無機質な音だったけど、MV1は表現力を伴った有機的な音で、モニター用というより普通のリスニング用ヘッドホンという感じです。
前評判が高かった空間表現力については、流石にHD800を超えるようなサウンドステージの広さではなかったもののほとんど遜色ないのは立派だし、前後方向の定位については(楽曲によっては)HD800よりも正確ではないかと思わせることがあったのは素直に凄いと思いました。
まだ20時間程度の鳴らし込みだし、先ほど届いたバランスケーブルに交換して使うつもりなので、これから使っていくにつれて音の印象はまだ変わると思うけど、就寝時の装着感も良いし、音についても現時点では十分満足できるものだったので、購入して良かったと思います♪