iPhone、iPad、Macbook Pro、Walkman、Bluetooth・NCヘッドフォンなど、USB充電の機器が増えるに伴い、3rdパーティー製のUSB充電器を買い換えてきました。
●PLANEX 「充電万能」2ポートUSB充電器ブラック
最初に買ったやつ。この頃はガラケーとiPhoneの2台持ちで、主に帰省や旅行の際に使っていました。
●Anker 24W 2ポート USB急速充電器
何やら急速充電ができるらしいということで買い換え。そもそも機器側が対応していないと急速充電はできないわけで、果たして本当に急速充電できていたのかは不明です。ちなみにこれも帰省や旅行の際に使用。
●RAVPower 36W 2ポート
Macbook Pro13インチの導入により、帰省や旅行先でUSB-Cでの充電ができるように導入。純正のACアダプタは持ち運ぶには大きいですからね。
●RAVPower USB充電器 (4ポート 40W)
自宅では純正のUSB充電器(ACアダプタ)を使っていましたが、機器が増えるに従い必要なコンセント数も増えていきました。いつでも使えるようにACアダプタ(充電端子が同じ機器は兼用)は常時コンセントに挿していたからですが、この当時に日常的に使っていたのは、Lightning、Apple30ピン、MicroUSB、Walkman-VMポートの4種類だったので、使用コンセントの効率化を図るために4ポートを初めて導入。
●Anker PowerPort Speed 1 PD30
RAVPowerのUSB充電器のUSB-Cポートと3rdパーティー製のUSB-Cケーブルを組み合わせてMacbook Proを充電しようとしたら充電できなかったため(その時はUSB充電器が壊れているのかと思った)、新たに導入。これが切っ掛けとなってUSBの規格について調べてみた結果、USB-Cって結構ややこしい規格であることを認識。ケーブルによって充電できないものがあるなんて思いもしませんでしたから。あと、充電器の出力によって急速充電時の電圧が変わるとか、Apple製品の急速充電も使うケーブルによってできない場合があるとか。結果、USB-Cケーブル、USB-C〜Lightningケーブルを買い換える羽目に。
●Satechi Type-C 75W トラベルチャージャー
そして今回導入したのがこれ。最大の要因は75Wと高出力で、Macbook Pro13インチの充電(使いながらでも充電できる)とiPad Proの急速充電に対応していること。RAVPower USB充電器の代わりに自宅で使いますが、帰省や旅行の際にはこいつを持って行くつもりで導入しました。
ちなみに、USB-C(PD対応)出力にはiPad Proの急速充電用にApple純正USB-C~Lightningケーブルを挿してあり、USB-A(QC対応:赤端子)にはUSB-A〜Lightningケーブルを、残りの2つのUSB-A(青端子)には、Walkman用のVMポート用ケーブル、MicroUSBケーブルを挿してあります。Macbook Proは(自宅では)純正のACアダプタを使用。
これで完璧な布陣だと思ったのですが、1日で問題が発覚!
何と、iPad Proをつなぐと、急速充電どころか遅々充電になってしまうのです! USB-A(QC)に挿してあるLightningケーブルを使った方が充電スピードが圧倒的に速いという馬鹿げた逆転現象が!
そこで充電時の電圧/電流(出力)をUSBチェッカーで調べてみました。なお機器名の後ろにある数字(%)はその時点での電池残量です。残量によって充電スピードは異なるので参考のため。
Satechi
■iPad mini4(17%)
port | V | A | W |
C | 5.1 | 2.4 | 12.1 |
A | 5.0 | 1.7 | 8.7 |
■iPhone7(76%)
port | V | A | W |
C | 5.1 | 1.1 | 5.4 |
A | 5.1 | 1.2 | 5.4 |
■iPad Pro 10.5inch(68%)
port | V | A | W |
C | 15.0 | 0.1 | 0.9 |
A | 5.0 | 1.6 | 8.1 |
■Macbook Pro 13-inch(78%)
port | V | A | W |
C | 20.0 | 2.3 | 46.0 |
iPad mini4、iPad Pro、iPhone7はLightning端子なので比較しやすいと思いますが、iPad mini4ではC端子の方がA端子(QC)よりも出力が大きく、iPhone7ではどちらの端子も同じ出力になっています。iPhone7は電池の残量が多いので、残量が少ない状態だと違う結果になるかもしれませんが、この2台については特に問題はなさそう。
Macbook Proも電池残量76%の状態で46W出てるので、残量が少なければ60Wはいきそうな感じ。つまりは表記性能に偽りはなさそう。
では問題のiPad Proはどうかというと、A端子だと8.1Wで充電されているのに対し、C端子では何と僅か0.9Wとなっています。電圧は15Vなので急速充電に対応していることはわかるものの、その際の電流が0.1A(正確には0.06A)というのはあり得ませんよね。
これは不良品をつかまされたなと思いました。
メーカーにクレームをつけるに際し、iPad ProやUSB-C~Lightningケーブルに問題がないというエビデンスがあった方が良いので、AnkerのPD30とApple純正ACアダプタを使って測定しました。
■iPad Pro 10.5inch
Anker PowerPort Speed PD30
port | V | A | W |
C | 15.3 | 1.4 | 21.4 |
Macbook Pro 13(2016) 純正ACアダプタ
port | V | A | W |
C | 9.0 | 1.8 | 16.2 |
PD30だと15.3V/21.4Wで充電できているので、iPad Proおよびケーブルは正常だと思われます。なおMacbook Pro純正のACアダプタ使用時の電圧が低いのは、それまでの測定によってバッテリーの残量が増え、Macbook Proがバッテリー保護のために充電電圧を下げたためではないかと推測。
これで原因がSatechiの充電器にあることがはっきりしました。とりあえず連絡先を知るために購入先であるamazonの商品ページに行ったのですが、目に入ったユーザーレビューに気になる文章を発見。それは「iPad Proの場合、ケーブルを挿し直すとちゃんと充電される」というレビュー。
実はiPad Proの計測をする際にチェッカーの表示を見ていたところ、つないだ直後は電圧が5Vと表示されるのですが、直ぐにチェッカーが再起動して15Vと表示されます。そして15Vに切り替わった後、電流が異常に小さくなるのです。
つまり急速充電に対応するために充電器内部で切り替えが行われるのだけれども、その際に何らかのトラブルが発生している模様。ちなみにMacbook Proの場合は20V/2.3Aで充電されているので、充電電圧が15Vの際に特化した不具合、もしくはiPad Proとの間でのみ起こる不具合の可能性が考えられます。
さて、レビュー通りケーブルを挿し直した場合に正常に充電されるのかどうか調べてみました。
Satechi(挿し直し)
port | V | A | W |
C | 15.0 | 1.1 | 16.8 |
一度ケーブルを挿し、数秒待ってからケーブルを抜き、直ぐに挿し直した結果、上記の通り16.8Wで充電されました。電流が少し低いような気もするけど、これはバッテリー残量との兼ね合いかもしれません。
整理すると、Satechiの充電器に不具合があることは間違いないけれど、これは個体差(故障)ではない蓋然性が高い。だとすると仮にクレームをつけて交換してもらったとしても同じ結果になりかねない、ということです。ケーブルを挿し直せば正常に充電されることはわかったので、とりあえずはこのまま使うことにしました。
ただし、不具合があるのは事実だし、その後改良品が出たら交換してもらえるかもしれないので、何らかの形でメーカーにクレームだけは入れておくつもり。尤も、もっと良い別のUSB充電器が発売されたらそっちに乗り換えるかもしれませんけどね。