memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

BRZ2000の感想

冬アニメの録画のため3月末まではBWT3000をメインのレコーダーとして使っている関係で、BRZ2000の方はそれほど使っていないのですが、操作については大体理解できましたので感想を上げておきたいと思います。なお比較対象はBWT3000(2010年モデル)です。最近のモデルとの比較ではないのでご注意ください。


■メニュー表示
アイコン主体のGUI(3画面構成)になりました。個人的には使いたい機能が一発で選べる一覧メニューの方が便利ですが、これも時代の流れと言うことなのでしょうか。デフォルトのメニュー構成だと使いにくいのでメニューアイコンを入れ替えました(サブメニューボタンでアイコンに好きなメニューを設定可能)。


■セレクトバー
細かいところはいろいろブラッシュアップされているようですが、一番印象的な(気に入った)のが“セレクトバー”。録画一覧等のメニューが再生/放送画面にオーバーレイで表示されます。
●セレクトバー表示 ※ちょっとわかりにくいですが、画面の上下左右にメニューが現れます。

●録画一覧(上カーソル)※ここで選んだメニューが次の左カーソルメニューで表示されます。

●最新録画番組(左カーソル)

●シーン一覧(右カーソル)

●似たものおすすめ(下カーソル)

このオーバーレイ表示という点がリモコンの“録画一覧”ボタンとの最大の違いで、使ってみるとわかるのですが、再生/放送中の音および画面が途切れないので心理的な連続性が担保されます。つまり“録画一覧”ボタンを使う場合は画面が完全にメニュー画面に切り替わってしまって音も再生されませんが(これまでの行為が完全に中断される)、オーバーレイ表示だとこれまで見ていた再生/放送画面が途切れないのでその中断感を感じないのです。
●録画一覧ボタン(それまで見ていた放送画面の音も画面も中断される)

オーバーレイ表示ではないけど、“番組表”ボタンを押したときもこれまで見ていた放送画面の音は途切れないので(かつ放送画面も右上に小さく表示されますが、これはあまり意味が無い)、やはり同様の効果があります。この“音が途切れない”という点が、これまで行っていた行動との連続性を感じさせるポイントなんだと思います。


■リモコン(左:BWT3000、右:BRZ2000)

リモコンのサイズはほぼ同じですが(重さは軽くなった)、中程にある青いボタン群が3×3の9個から、3×4の12個に増えました。数字ボタンの縦方向の長さを短くすることでスペースを捻出してますが、使いにくくなったとは感じません。その他細かな変更箇所も含め、表面実装ボタン数は合計で7つ増えています。
一方、BWT3000のリモコンは下部に蓋がついていてそれを開けるとさらにボタンがありました(説明の都合上、隠しボタンと呼称します)。隠しボタンは8個あったので、リモコンで操作可能なボタン数はトータルで1個減ったことになりますが、そもそも隠しボタンというのは使いづらいので、相対的にはBRZ2000のリモコンの方が使いやすくなっていると思います。(BWT3000の場合、“録画ボタン”がこの隠しボタンの中にあるのは意味不明だった。だってレコーダーでしょ?)。

以前は隠しボタンの中にあった“再生メニュー”が、サブメニューボタンから選択することができるようになりました。わりとよく使う機能なのでこれは嬉しい。

オーディオシステムでCDを(半分BGM的に)聴く際にTVの画面をつけておくことがよくあります(無論TVの音は出てません)。その場合“字幕表示”にして番組の内容を視覚的に理解できるようにしているのですが、BWT3000は字幕表示の切り替えが本体設定メニューの中にあるので凄く面倒でした。なのでリモコンで字幕表示を切り替えられるTV(GT60)の画面にわざわざ切り替えて字幕を表示させていましたが、BRZ2000ではリモコンに字幕表示ボタンがついたのでとても嬉しいです。

総合的には使いやすくなったリモコンですが、いくつかのボタン位置が変わってしまったために使いにくくなったところもあります。具体的には“チャプターマーク”“30秒送り”“10秒戻し”です。
“チャプターマーク”“30秒送り”“10秒戻し”ボタンは手探りで探して使うことが多いのですが(“チャプターマーク”は本体最下部の一番左、“30秒送り”“10秒戻し”は四角いボタン群の最下段の右と左というように憶えている)、位置が変わってしまったので憶え直しです。しかもそれぞれのボタンが手探りでは探しにくい位置になってしまい、とりわけ“30秒送り”は直下にある“予約画面”との押し間違えが多発しています。
また“番組表”ボタンと“スタート”ボタンに関しては、これらのメニュー自体の位置づけ(重要性)が変わっています。というのは、以前は“番組表”がカーソルキーの真上にあり色も緑色で他のボタンと明確に区別されていたのに、この位置に“スタート”ボタンが来ました。両者の位置づけが入れ替わったということは、“番組表”よりも“スタート”の方が(ポータル画面的機能を持った分)重要になったということになります。色々な機能〜録画する、写真を見る、音楽を聴く、ビデオカメラをつないで見る等々〜を使う場合においては確かにそうでしょうけど、皆さんそんなに色々な機能を使っているのでしょうか? そもそもがレコーダーなので、個人的は“スタート”よりも“番組表ボタン”の方が圧倒的に使用頻度が高いです。なのでここはわざわざ配置を変える必要はなかったと思いますけどね。(そんなことどっちでもいいじゃんと思われる方も多いかと思いますが、BWT3000とBRZ2000の両方を使う私としてはリモコンのボタン配置が違うことによる操作ミスが増えて頭に来ているわけです。買い替えでBRZ2000しか使わないのであれば慣れれば解決する問題なので文句は言いませんが、買い増しの場合はそうはいかないわけです。)


■録画モード
デフォルトだと、DR、3倍、5倍、15倍の4つが表示されます。これまではDR、HG、HX・・・の表示だったので対応関係がわからず、取説を見てみたところ“HX=3倍”でした。「あれ? HGは使えないの?」
そんなはずは無いのでさらに取説を探してみたら、録画モードボタンを押しさらにサブメニューボタンを押せば録画モードの選択が可能だったので一安心。私がよく使うDR、2倍(HG)、3倍(HX)と、1.5倍を設定しました。わかってしまえばなんてことはありませんが、ちょっと焦ったかも。


■操作反応スピード
買い替える度に速くなっているのが各種操作に対する反応スピード。流石に最新モデルだけあって、反応スピードは速いです。BWT3000で最もイライラを感じるチャプター編集時の反応スピードに関しては、BRZ2000でチャプター編集をまだしていないので評価保留。たぶん改善されていると思うので楽しみにしておきましょう。


■お部屋ジャンプ
VIERA・GT60同様、放送視聴(放送中のTV放送を観ることができる)が可能となっています。ちなみにBWT3000は録画試聴は可能だけれど放送視聴は不可です。それ故、これまでポータブルVIERAでTV放送を見る際にはGT60をサーバーとして使っていましたが、GT60が外付けHDDに録画中の場合はお部屋ジャンプ機能自体が使えなくなるためTV放送を見ることができませんでした。BRZ2000の導入により放送視聴可能なサーバーが2台になったので、とてもありがたいです。
※当然のことながらポータブルVIERA単体でTV放送を視聴可能ですが、我が家の洗面所やお風呂では放送電波が弱いためポータブルVIERA内蔵チューナーでフルセグのTV放送を視聴することができません。ワンセグだったら映るけど、流石に画が汚いので見る気になりません。そんなわけでお部屋ジャンプ機能を使っている次第。


■番組表
表示エリアが大きくなったのと、ボタン一発で「前日の同時間帯」「翌日の同時間帯」「次の時間帯」「前の時間帯」に跳べるようになったのが便利です。もちろんBWT3000同様にカレンダーから日付を選んでダイレクトに跳ぶことも可能です。WOWOWは1ヶ月間の録画予約が可能なので、このダイレクトジャンプが無いと不便で困ります。
一方、ある番組を選んだ際、これまで上部に出ていた番組説明が表示されなくなりました。もともと表示文字数が限られていたので(番組説明の一部しか表示されなかったので)中途半端な機能でしたが、いざ無くなってみるとそれはそれで不便だなと。


■画質
同じソースで厳密に比較したわけではありませんが、BRZ2000の方が少し繊細かなという気がします。とは言え、期待していたほどの明確な差はありませんでした。

BRZ2000はマスターグレードビデオコーディング(MGVC)〜通常BDの色信号は24bit(8bit×3)で記録しているが、MGVCは3D記録の技術を応用して基本の24bit信号と8bitの拡張信号を記録することで36bit(12bit×3)の色信号を表現可能。言い換えると8bit:256階調を12bit:4096階調に拡張できる。ただし再生機器が拡張信号のデコードに対応していなければならない〜に対応しているので、対応ディスクを再生すると画面上にその旨表示されます(初期設定でMGVCをONにしてある場合)。
一方、プラズマテレビのGT60は上位機種のVT60のようにハリウッドカラーリマスターには対応していません。なのでMGVCは効果が無いのだと思っていましたが、色々調べてみた結果、MGVCは色階調を拡げる技術でモニターがDeepColorに対応していることが必要、かたやハリウッドカラーリマスターはモニターが再現できる色域を拡げる技術なので、MGVCとは別の効果という理解に至りました(正しいかどうかはわかりません)。ところがVT60のレビュー記事に「DeepColorがONの場合はハリウッドカラーリマスターは働かない」という記述が有り、またわからなくなりました。アプローチは違うけど、どちらもモニター上での色の表現に関わることなのでやっぱり関係してるのでしょうか?
何が何だかわからなくなったので、考えるのは諦めてMGVC対応ディスクの「009 RE:CYBORG」を、MGVCのON/OFFで比較再生してみました。結果、ほとんど違いはわかりませんでした。階調表現が上がっているのでバンディングが減少しているのではないかと期待していたのですが、ほとんど変わりません。もしかすると55インチくらいのモニターでは違いがわかりにくいのかもしれませんね。


■総合評価
筐体の造りや質感の低さ、HDMI端子が1つしか無いこと、デジタル音声出力がTOSしかないことなど、モノとしての満足度はBWT3000と比較すると明らかに低いです。しかしながら実売6.5万円とBWT3000の約1/3の低価格ながらも、画質はBWT3000よりも僅かながら良く、チューナーの数が3つに増え(スカパーを入れると4つ)、さらに動作スピードがかなり速くなっていることを考えると、明らかにC/Pは高いです(4年分の技術進化の結果なのでしょう)。基本機能だけならBRZ2000で十分満足できているので、無理してBZT9600を買わなくて良かったです...(^_^)
もし、もう少しちゃんとした筐体に入っていて同軸デジタル音声出力端子がついている機種があればそっちを買ったと思いますが、そんなニーズは極少数に限られると思うので商品化する意味は無いでしょうね。そういう意味では、まあベストチョイスだったと思います。