エージングの進み具合を毎日確認しながら早一週間。土曜日にオーガニックオーディオ インターコネクトケーブルの試聴を実施しました。トランスポートはUX-1を使用し、Batpureも使用しています。ちなみにケーブルのエージング時間は約80時間といったところ。
これは最初につないで音出しした際にも真っ先に思ったことですが、音の出方が軽やかです。
喩えは良くないかもしれませんが、ずっとドライクリーニングに出していたジャケットを特殊水洗いしてもらい、出来上がってきて初めて袖を通した時に感じる何ともいえない軽やかさ、あるいはクレンジングシャンプーで整髪料が綺麗に落ちた時のさっぱりとした軽やかさのような感じです。
音質の印象としてまず感じるのは、素直で自然な音だということ。嫌な感じや耳障りな感じは全くありません。何かが突出した個性的な音とはベクトルが異なるナチュラルでウェルバランスな音です。
個人的に一番の特徴だと思ったのが、響きの構造〜倍音の重なり〜そして結果としての響きが美しいこと。
キンバーセレクトは(銀の響きが乗ったような)フワッとした響きかたで、音の芯と響きの部分の境界がやや曖昧な感じだと思うのですが、オーガニックオーディオはフワッとした響きではなくて、音の芯の部分のエッジが立った上でさらに倍音が積み重なって綺麗に響いている感じです。
サウンドステージは自然に広がっています。NBS King SerpentIIIに比べて若干広いかなとも思いますが、そんなに大きな差は感じません。もっと大きな空間表現なのかと期待していただけにちょっと残念。
ただしその空間の中に響きが綺麗に広がる様子は素晴らしく、サウンドステージの存在感やクオリティはNBSよりも好ましく感じます。
情報量の多さ、音の細かさ、楽器の分離感についてはNBS King SerpentIIIより若干優秀かも。だからといって、これ見よがしにHi-Fi調な音では決してなくて、凄く自然に聞こえるところが良いですねぇ。
音調は微妙にウォーム寄りで、そこはかとない色気があります。音自体が柔らかいわけではありませんが、柔らかさやしなやかさはちゃんと表現されています。
最も懸念された実体感についてですが、低域ではやや物足りないものの、中高域に関してはそれなりに満足のゆくレベルでしょうか。結果、ピアノやギター、あるいはボーカルなどはとても良い感じなのですが、ベースの低い音となるとイマイチな感じ。
途中経過でも触れましたが、(NBSと比較すると)やっぱり低域に不満が残ります。低い音が出ていないわけではないのですが、NBSの低域の彫りの深さとか音の重さと比較するとねぇ...。あと量感も...。
NBSのような低域を目指すつもりはさらさらないのですが、とりあえず低域の量感強化が今後の課題です。実のところ既に動き出しているのですが、その話はまた後日。
総合的な評価としては(あくまで我が家のシステムおよび部屋だと)低域に課題はあるものの、それ以外は非常に満足しています。決して安いケーブルではありませんが、コストパフォーマンスはとても高いのではないでしょうか。特にアコースティック系の音楽を良く聴かれる方にはお勧めだと思います。
これでスピーカーケーブルもorganic audioにしたら果たしてどんな音になるのやら...(^^ゞ