Klipsch X10とPioneer CLX9の音を比較してみました。再生環境はiPod Classic120GB上のAIFFファイルです。
・X10の方が低域が豊かで下にも伸びている。柔らかくて弾力感がある低音はカルダスゴールデンリファレンスのそれに似たイメージだが、ややふくらんだ感じか。もう少しタイトでも良い。
・CLX9は随分と中高域寄りのバランスであり、X10とは全く異なっている。
・CLX9の明るくてクリアで切れの良い高域と比較するとX10の高域はパッと聞いた感じはちょっと大人しく感じるが、良く聞き込むとちゃんと上まで出ているし、音の一つ一つが綺麗で、楽器の分離感も良好。ナチュラルで上質な高域と言える。サウンドステージはCLX9よりは広い感じ。
・X10は聴き疲れはしなさそうだが、個人的好みだともう少しだけ高域に勢いがあってもよいかも。もっともこれはCLX9と比較するから感じるのかもしれない。実際X10をしばらく聞いていると(このバランスに慣れてしまって)高域の物足りなさはほとんど気にならなくなる。
・同じボリュームだとCLX9の方が音量が大きい。これはインピーダンス(X10:50Ω、CLX9:32Ω)の違いによるものか。それとX10の方がノイズフロアが低いように思う。(ユニットの問題なのか、遮音性の問題なのか)
・CLX9の装着感は決して悪くないが、やっぱりX10の自然さには勝てない。
X10とCLX9のどちらもフルレンジのバランスド・アーマチュアユニットを使用していますが、その音はビックリするくらい異なっています。
一つは音の質感。X10の方が明らかに上質な音で、まさに格が違うという感じ。まあ価格(希望小売価格)も2倍弱ですからそうでなくては困るわけですが。
そしてもう一つは低域の出方。X10の低域の豊かさにはただ驚くばかり。バランドアーマチュアタイプって低域が出にくい(故にマルチWay化を図る)という理解をしていたのですが、Tuned bass-reflex system(バスレフ方式)とやらが奏功しているのか、X10の低域の量感は素晴らしいとしか言いようがないですね。
ちなみに買ってすぐに聞いた時は低域の印象は弱かったのですが、システムエンハンサーによる24時間のエージング後は見違えるように低域が出るようになりました。
そんなわけでCLX9は引退となり、X10が常用イアフォンの座に!
【スペック比較】
◆Klipsch Image X10
[rakuten:dtc:10021380:detail]
周波数特性:5Hz - 19kHz
入力感度:110 dB SPL/mW (1mW)
インピーダンス:50 ohms
遮音性:-26DB
ドライバ・コンポーネンツ:Full Range KG 926(バランスド・アーマチュア)
ドライバ特性:Tuned bass-reflex system(バスレフ方式)
構造:アルミニウム製本体(酸化皮膜処理)125cmビニール製ケーブル
差込プラグ:3.5mm(金メッキ)
重量:10g
◆Pioneer SE-CLX9
[rakuten:ec-current:10062755:detail]
形式:密閉型バランスド・アーマチュア型ステレオヘッドホン
再生周波数帯域:20 〜 20 000 Hz
インピーダンス:32 Ω
最大入力(JEITA):100 mW
出力音圧レベル:105 dB
使用ユニット:バランスド・アーマチュアユニット
プラグ:φ 3.5 mm 3Pミニプラグ
接続コード長:0.8 m
質量(コード除く):8 g