memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

眼鏡づくり #2 (@_@)


池袋・西武百貨店本館7階、クラブオンカードのコーナー右2つ隣の比較的静かな一角に眼鏡サロンはありました。落ち着いた佇まいでありながら高級感が漂う、如何にも百貨店然とした趣の眼鏡サロンです。

一瞥した感じでは、午後早い時間帯ということもあるためかお客さんは1人しかおらず、3〜4名ほどの店員が立った状態で客待ちをしています。「飛んで火に入る夏の虫」などと自虐的に思いつつも「今日こそ作らねば!」という強い思いでもっていざ店内へ。

すると「待ってました」とばかりに店員の視線がこちらに集中します。心の中で「ひぇ〜」と叫びつつ、さっと店員を見渡して一番経験が豊富で権力を持ってそうな人を選び、その人の所へ。年の頃は50代後半くらいの店長と覚しき男性です。「いらっしゃいませ。本日はどのような御用向きですか。」という丁寧な挨拶を受け、何か言わなければとちょっと焦って、つい「老眼鏡を作りたいのですが」と言ってしまいました。

今回は結果オーライだったのですが、後から考えると「ちょっとフレームを見てもいいですか」と言うべきだったと反省。というのも、「承知いたしました」という声とともにカウンターまで連れて行かれて受付用紙に記入。その後間髪入れずに店内奥にある大仰な機械にて検眼が始まったのです。私のイメージでは、最初はフレーム選びだろうと思っていたので「気に入ったのがなければ逃げればいいや」と高を括っていたのですが、豈に図らんや、最初のステップが検眼だったとは...。何というか、検眼してしまったら作らざるを得ないじゃないですか...。というのが反省の背景。


まあ今更どうしようもないので腹をくくって検眼を受けます。最初に双眼鏡のような覗き口が付いた機械の前に連れて行かれて両目で覗くように指示されます。視野の中央に「赤い屋根の小さな家」のイラストが見えるのですが、そのイラストの焦点が小刻みに合ったり外れたりしながら最後は完全にボケてしまいます。これを2回(右目・左目)やって終了。プリントアウトされた結果を見た店員さんの「いやぁ、珍しいですね。オールゼロです。これだと遠くはハッキリ見えるでしょう」と言う声に対し、「はぁ」とか間抜けな返答をしつつ、次の検査器へ。(後で調べたところ、この検査機は眼に赤外線の光を当て、眼の屈折状態、主に近視・遠視・乱視などの有無やその程度を自動的にコンピュータで解析し客観的に測定・数値化するオートレフラクトメーターというものだったようです。)

今度の検査では数本ずつの縦棒と横棒が交差した画が見え、縦棒と横棒のどちらが濃く見えるかを答えます。段々と濃度が変化していって同じになったところを確認して終了。その後、おなじみの「円のどの方向が空いているか」を答える視力検査(ランドルト環検査というそうです)を何度かやって検眼自体は終了。遠点視力はやはり左右ともに1.5くらいはあるようです。

次のステップではレンズの度やタイプを選びます。厳ついフレームにテスト用のレンズを入れて実際に新聞を見ながら、一番使いやすい(見やすい)レンズを決めていきます。ちなみにレンズには「単焦点」「遠近両用」「中近両用」「近々両用」の4種類があるとのことで、私は「単焦点」と「近々両用」を矯めつ眇めつしながら最終的に「近々両用」を選択。資料とPCモニターの両方を交互に見ることが多いということが「近々両用」を選んだ理由です。ここまでで約30分が経過。


そしていよいよ売り場に戻ってのフレーム選び。「何かお好きなタイプはありますか」という問いかけに対し「上下の幅が薄いのがいいです」と答えると、該当しそうなタイプが置いてある場所をざっと説明してくれたのですが、後は特に口出すこともなく私が選ぶ様を後ろでじっと見守ってくれます。質問をすると答えてくれるのですが、押しつけがましさはみじんもありません。特定のブランドを薦められるということも一切なし。これはちょっと意外でした。

フレームはブランド別に置いてあり、先に教えてもらった辺りのブランドを順番に見ていったのですが、どうもピンと来ません。私の様子から、気に入ったものがないという雰囲気を感じ取ったのか、店員さんが別のコーナーへ連れて行ってくれます。そこはグッチのコーナーで、私が探している上下幅の薄いタイプのフレームは十数本ほど置いてあったのですが、これまで見た中では一番いい感じです。フレームの基本的なデザイン傾向は同じながらも微妙にデザインやカラーが異なっており、実際かけてみると顔の印象が意外と変わります。

お店に来る前まではシルバーっぽいメタルフレームにするつもりでいたのですが、実際にかけてみると如何にも「老眼鏡」っぽく、またスノビッシュな感じに見えてしまうのでパス。最終的にはチタンブラックっぽいカラーを選びました。こっちの方がカジュアルな服装にも合いそうです。ただしこのカラーだと置いてあるフレームのタイプが限られてしまうのですが、幸いにして気に入ったデザインを見つけることができました。念のためお店の人に別のブランドで同じような色・デザインのものがないか探してもらったのですが、持ってきていただいたものはやはりちょっと違う感じがしたので、最終的にグッチのフレームの方に決めました。


フレームが決まったところで、最終ステップのレンズ選び。選択肢として提示されたのはHOYAのプラスチックレンズで、厚み(2タイプ)×コーティング(2タイプ)が異なる計4タイプ。厚みの違いはモロに価格に反映しており、1万円近い価格差があります。それぞれの厚みを調べてもらったところ0.5mm程度の違いだったので安い方(厚い方)に決定。コーティングしてある方は汚れが取れやすいとのことなのでコーティング付きを選択。これで眼鏡作りは全て終了。時間にして1時間強ほどかかりました。後は支払いだけです。

今回選んだフレームが34,000円、レンズが32,600円で66,600円。これに消費税が付いて合計69,930円。百貨店なので5万円位を想定してきたのですが思った以上に高く付きました。フレームは大体予想通りだったのですが、レンズが想像以上に高かったです。きっとメガネスーパーだったら3割引〜半額くらいで買えるのではないかと思うのですが、ケーブルを買うよりは安い買い物だし、接客等も含めて満足のいく眼鏡作りだったんで良しとしましょう。ちなみに後で調べてみたところ幾つかのネットショップにて同タイプのフレーム(GG-9611J)が在庫商品に限り半額で手に入るようですが、私の買ったカラーの在庫はなかったのでちょっとだけホッとしました。


そして1週間後、夜半に上陸した台風の影響もほぼ過ぎ去った金曜日の夜、帰宅時に池袋で途中下車してメガネを受け取ってきました。寄り道せずに速攻で自宅に帰りかけてみましたが、眼を細めないと読めなかった本の活字が、明るく大きくハッキリと見えます。欄外に書いてある非常に小さな注意書きもハッキリと読むことができます。これはちょっとした感動かも。でも本だけを見ている分には問題ないのですが、視線を上げて遠くを見ようとすると焦点がボケてしまうところが違和感バリバリ。普段ハッキリ見えるものが逆に見えなくなるわけですから、言ってみれば正反対の状態になるわけです。でもまあ、これは慣れるしかないですよねぇ...。

兎にも角にも、初めての眼鏡作りは無事終了しました。来週月曜日は会社でのメガネデビューとなるわけですが、果たしてどうなることやら。


◆アルマン君にかけてみてもらいました。