
- 作者: 京極夏彦
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「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「―自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒殺死体が続々と。警察も手を拱く中、ついにあの男が登場する!「邪なことをすると―死ぬよ」。 〜「BOOK」データベースより
817頁。漸く読了。長かった...。その割には満足度が低いです。28章(691頁)で中禅寺が『世間話』(※これまでだったら憑き物落としと言いたいところなのですが、7章で自作についての評論家の書評を気に病んでいる関口相手に行った件の方がよほど憑き物落としっぽいので、あえて世間話としますが)に現れてからの約130頁ほどはなかなか面白かったですが、それまでの700頁弱はあまりにも冗長であり、唸らせる蘊蓄も少なく、少々期待はずれでした。
やっぱり関口、益田、青木などなどの脇役メインではどうも全体に地味なテイストになってしまうし、事件の構造も途中で大体わかってしまうし、榎木津も今回はやたらとおとなしいし(これは訳があるのですが)、なによりも話がおどろおどろしくないし、「これは京極さんが書くべき内容では無い」のではないかと思ってしまいます。読者(ファン)が期待しているのはこういう話ではないと思うのですが...。これだと「騙り」になってしまう...。
それはそれとして、28章に「歴史」と「伝説」の違い、「歴史学」と「民俗学」のスタンスの違いについての蘊蓄(定義)を中禅寺が語る場面があるのですが、その辺りの件はなかなか勉強になりました。今回の収穫はそこだけかな。
次回作「鵼の碑」(何年後になることやら...)に期待したいところですが、京極さんにおかれましては、その前に「インクブス ×スクブス」(「ルー=ガルー」の続編。「ルー=ガルー」はかなり好きです!)を とっとと 仕上げて下さい。よろしくお願いします。

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