memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

それでも町は廻っている

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)

ここは下町・丸子商店街!この、一見フツーの通りに存在するメイド喫茶「シーサイド」。重厚な服が何げに似合うバアサンと女子高生探偵に憧れる天然少女・嵐山歩鳥が繰り広げるメイドカフェじゃない、メイド喫茶コメディ。商店街の皆さんを巻き込んで只今をもって第1巻発進!

それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス)

ここは下町・丸子商店街!この、一見フツーの通りに存在するメイド喫茶「シーサイド」。女子高生探偵に憧れる天然少女・嵐山歩鳥とそつのなさで人生をこなす辰野俊子に重厚な服が何げに似合うババァが繰り広げるメイドカフェじゃない、メイド喫茶(自称)コメディ。死や風邪菌、温泉旅行をも弄ぶ石黒ワールド、何が何でも第2巻発動!


こんな紹介文でもって(実質的には)ジャケ買いしてしまった、通称「それ町」(自称)というコミック。私はマンガ雑誌は読まないので全く知りませんでしたが「YoungKing アワーズ少年画報社)」で連載されているそうです。
主人公の嵐山歩鳥は昔ながらの商店街にあるメイド純喫茶でバイトをしている天然系の女子高生。「よつばと!」の「よつば」が大きくなったらこんな感じかな?という思いがちょっと頭をよぎります。メイド服(メイド喫茶「シーサイド」のマスター兼メイド長である磯端ウキというバアサンの手作りらしい)描写は多いものの、所謂萌え要素はほとんどありません。が、メイド服を着ているからこそキャラクターの魅力が増しているという点は疑いようのない事実です。
この歩鳥のキャラクター的魅力がこの作品のコアではあるのですが、それ以外にも...


●個性的なサブキャラ
画的にも役割設定的にも統一感のないキャラ達。「こんなキャラがいたら面白そう」というただの思いつきを集めた結果こうなりました、という感じ? まるで魔女のような顔の磯端ウキ(これって磯野フネの捩り?)、シャーロック・ホームズの宿敵モリアーティ教授を捩ったと思われる京極夏彦似?の担任/数学の先生「森秋夏彦」、歩鳥と衝突が絶えない松田勇作似の巡査「松田旬作」、荒井注ではなく高木ブーに似ているクリーニング店長「荒井和豊」とか...。名前だけだと「真田広之捩りの真田広章(歩鳥に恋心を寄せる魚屋の息子)」「タツノオトシゴ捩りの辰野俊子(歩鳥の同級生で真田君のことが好きなメイド2号)」というのもあります。
●突拍子もないエピソード設定
基本的には歩鳥の生活圏でのお話が中心。探偵に憧れているという歩鳥のキャラ設定故に、たまに謎解き的シーン(事件とも言えない事件)が登場。ここまではさもありなんと言う設定ですが、何故か歩鳥が死んでしまって天国に行ってしまう話があったり(無論、生き返ります)、何の脈絡もなく宇宙人が登場したり...します。


といった飛び出しナイフ的単発ネタも散りばめられており、ビミョーなバランスながら総体として「なかなか面白い作品」に仕上がっています。画も凄く丁寧なので、掘り出し物と言ってよいかも。
メイド萌え目当ての方にはお薦めしませんが、あずまきよひこ作品が好きな方にはお薦めできると思います。


最後にひとつ問題です。
メイドカフェ」と「メイド喫茶」の違いは何でしょう? 答えを知りたい方は「それでも町は廻っている」をお読み下さい。