memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

オヤイデMTB-4改

先週末に購入したオヤイデ MTB-4(with SWO DX ULTIMO & XXX ULTIMO)をちゃんと試聴してみました。
基本的な印象は先週の試聴時とあまり変わりませんが、高音部の抜けは良くなり響きが綺麗に伸びています。上の方はチクマCPS-22CL改2と同じ程度だと思いますが低音はMTB-4改の方が若干伸びているので総合的なレンジの広さはMTB-4改の方が若干広いと思います。響きの綺麗さはMTB-4改の方がかなり優れていますね。Caryのような透明感のある響きではありませんが、余韻の広がり具合なんかはわりと近いものがあります。
それ以外の違いとしては、一つは音のバランス。MTB-4改の方が所謂ピラミッド型であり中低音がどっしりとして安定しています。そして2つめは「しなやかさ」。「しなやかさ」と言う言葉がベストな表現かどうかはちょっと疑問なのですが、思い浮かぶ言葉を挙げるならば、「艶」「溜め」「弾力性」というところでしょうか。ヴァイオリンの表現に、何というか良い意味での「しなり」があります。オヤイデの表現を借りるなら「官能」ということなのでしょうが、「官能」と言うほど艶っぽくはないかな。


3つめは空間表現。サウンドステージにスケール感があります。左右はチクマと同じ程度、上方向、奥行き方向はチクマよりも高く、深いのですが、単に大きさだけの問題ではなく、楽器の間に存在する空気感がチクマは細かな粒子状で軽いのに対し、MTB-4改は少しねっとりとして濃いところが異なります。だからといって音が重ったるいわけではありません。ただ空気感が若干そんな感じなのです。
それから奥行きは深いのですが、前列の楽器の音はチクマよりも前に出てくるので、前後の空間が広くなったと表現した方が的確かもしれません。個人的好みから言うならば、音はSPよりも後ろにあって欲しいので、SPの内振り角度を若干調整した方が良いかな...。
そうそう、もう一つありました。それは無音状態の時の空間のイメージが漆黒であること。何というか、音がないのです。アイソレーショントランスを最初に使用したとき、この無音状態には耳に聞こえない音(気配)があると思ったのですが、MTB-4改はその気配みたいなものが殆ど感じられず、何もないところからいきなり音が出てくる感じなのです。ノイズフロアが低くなるとその気配みたいなものを表現できるのだと思っていたので、その理屈から言うならばノイズフロアが高いということになるのでしょうか(無論ノイズが聞こえるわけではないのですが...)。その辺りの理屈はよくわからないですね。


実はこのオヤイデのMTB-4改を聴いていて「音の感じが何かに似ている」と思っていたのですがようやくわかりました。Cardas Golden Referenceの音に似ているのですね。それでかもしれませんが、DAC64〜Concentra2間のインタコは、Cardasがの方がしっくり来ます。比較対象はWireWorldのSuper Eclips(BAL)です。


不満点を挙げるとすると(音ではなく)空気感がやや濃い点かな。現時点ではUX-1とDAC64をXXX ULTIMOに繋いでいますが、どちらかをDX ULTIMOに繋ぎ変えれば解消されるような気がしますので、それは3連休にでも試してみましょう。


※千曲精密製作所のHPで75M-22TRBのモニター募集(数量限定)をしています。ほぼ半額ですので興味のある方はお早めに。私もMTB-4を買っていなかったら飛びついていたかもしれません。

http://www.chikuma-s.com/75m-22trb.htm