現役時代に勤めていた会社でとてもお世話になった上司にワインを頂きました。
60年物のサンテミリオン CHATEAU CLOS DE SARPE 1962 です。
希少かつ高価なワインですが、状態が良いうちに味わった方が良さそうな気がしたので、今週の月曜日に開栓しました。
60年物の赤ワインであれば当然澱が出ているので、金曜日から立てた状態で冷蔵して澱をボトル底に沈め、飲み始める1時間前に外に出して抜栓しておきました。
グラスはリーデルのハンドメイドのブルゴーニュ・グラン・クリュとマシンメイドのボルドーの2つを使用して味が変わるかどうか確かめてみました。
個人的にはデキャンティングはせずに味の変化を楽しむ方が好きなので、ボトルから直接注ぎます。
結果はブルゴーニュ・グラン・クリュの方が香りがより楽しめてよかったです。あとハンドメイドの方がガラスの厚みが薄いので、口当たりが繊細というのもプラスポイントでした。
また折角良いワインを味わうので、久しぶりに牛肉の赤ワイン煮を作りました。
前日の昼過ぎから準備作業を始めて冷蔵庫で牛肉を一晩寝かせた(マリネした)後、当日の11時から煮込みを開始し4時間弱煮込みました。
その後1時間半ほど常温で冷まし、いただく直前に加熱しました。
牛肉の赤ワイン煮はこれまで何度も作りましたが、レシピを少し変えたことが奏功したのか、今回の出来は過去最高でした♪
ちなみに使用したワインはこれ。1本全部使ったので、スーパーで買った牛肉よりも高くつきました...(笑)
余談ですが、長時間の煮込み料理はガスよりもIHの方が圧倒的に安全だし便利ですね。
前置きが長くなりましたが、今回の主役であるCHATEAU CLOS DE SARPE 1962の感想について書き留めておきましょう。
- 液色は少し紫がかった枯れたようなルビー色
- 抜栓して1時間置いておいたのがよかったのか、グラスに注ぐと直ぐに香りが広がる
- カシスの香り、僅かにスミレ?、僅かに牧草みたいな香り(これは時間が経つと感じなくなった)、微かにスパイスの香り
- 一口含んでビックリしたのは、60年前のワインとは思えない力強さがあること
- ブドウの果実味が想像以上していた以上に濃い
- 口当たりはまろやか
- 尖った酸味ではなく角の取れた酸味
- 渋みは弱め
- ブドウの甘みは強い
- アルコール感は決して弱くない
調べてみると1962年のボルドー赤ワインは、1961年ほどではないにせよ優良な年だったようで、長持ちする年とのこと。
そのお陰か、とても60年前のワインとは思えないほどの力強さ、腰の強さを感じました。
味わいは、ブドウが持つ様々な個性の尖った部分が丸くなって全体として調和しているような味で、それ故、強い個性は感じないんだけれど、赤ワインが持っているマジョリティな美味しさが凝縮されたような、誰が飲んでも美味しいと感じるような味わいでした。
ボルドーの力強さはあるのだけれど、どこかしらブルゴーニュのような繊細さも感じられ、もしブラインドで飲んだらボルドーかブルゴーニュかわからなかった気がします。
ブドウの当たり年の10年物のブルゴーニュと言われても信じたかも。
1時間半くらいかけてボトル3/4くらい楽しんだのですが、時間経過による味わいの変化は思っていたほど大きくはなく、最初から最後まで美味しくいただけました。
カメラロールを調べてみたら、過去に飲んだことのあるワインでは1980年代後半のものを20〜25年寝かせた状態で飲んだことが何回かありました。
どれも良いワインで美味しかったけど、私と同世代のワインを飲む経験は、後にも先にも今回だけでしょうね。
とても良い経験になりました♪