memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

Tern Eclipse P20 のアルテグラ化 #8 ボトムブラケットの再組み込みと試走

昨年末30日の試走の結果、左ペダル(クランクアーム)にトルクをかけると下死点より少し手前で"カタン"という異音がし、右ペダルでも振動を感じるという不具合があることがわかり、対応策として左クランクアームの再取付けをしましたが不具合は解消せず。
恐らくボトムブラケットを含むクランク周りかペダル周りに問題があるとは思うのですが、原因はわかりません。


そこで今回のアップグレード作業の中で唯一トルク管理が出来ていないボトムブラケットの締付トルクを指定通りにしてみることにしました。そのために必要な工具をamazonに発注し、31日の夜に到着。そして昨日元旦の夜に作業を行いました。


これがSM-BBR60に適合するインパクトレンチ用のボトムブラケット取り付け工具(シマノTL-FC37 アダプター取付工具)です。


この工具の差込角は12.7mm(1/2") なので、デジタルトルクレンチで使用できるように差込角9.5mm(3/8") への変換アダプタを取り付けます。


ボトムブラケットに嵌めてみたところちょっと緩い感じ。しかも工具は金属製でボトムブラケットはプラスチック製なので、傷対策の意味も含めて布を噛ませました。


ボトムブラケットを一度取り外し、グリスアップして再組み込み。今回はトルクレンチを使います。


指定トルクは35-50 N・m。トルクレンチを使った時の締め込み具合から感じるトルク感から推察するに、前回トルクレンチを使わずに組み込んだ時はオーバートルクだった模様。


左右アダプタの取付作業をした後、クランクとアームを取付けました。取付後ギアチェンジを試してみたらフロントからはチェーンとチェーンガイドが擦れる音がし、またリアも若干ギクシャクした感じだったので、フロントとリアのディレーラーを再調整。
これで作業完了です。


そして新年2日のお昼過ぎ。初詣をした後に試走してみましたが、結果は残念ながらダメでした...(>_<)


自宅に戻って再検証を開始。異音が起こる条件や症状をもう一度整理して見た結果は次の通りです。

  1. 起きるタイミングは左ペダルが下死点に来る少し前くらい
  2. クランクの回転1回に対して異音は1回
  3. "カタン"という音がして、主に右のペダルに振動を感じる
  4. ギアポジションには関係がない


最初はボトムブラケットも原因候補の一つに入れていたけど、指定トルクで締め付けても起きるし、トルクをかけた時だけしか異音が発生しないことから、ボトムブラケットは原因ではないような気がしてきました。


ここで気になったのが3番目。左のペダルにトルクをかけた時に起きるので左のペダルかクランクアームに問題があるのではないかと思っていたものの、振動を感じるのは右のペダルなのです。これって何かおかしいような....。


そこで今度は右側のペダルとクランクアーム周りの挙動をよく見てみることに。するとチェーンステイに縦方向の傷が入っているのを発見。ボトムブラケットにスペーサーを入れることで右クランクアームとチェーンステイとの接触は解消されはずなのに変だと思い、クランクを回して確認しましたがやはり接触はしていませんでした。


異音が起きるのは左のペダルにトルクをかけた時だけで、軽く回している際は起きません。もしやと思って右のクランクアームを車体方向に押しつけながら回してみると"シュッ"という音が!


こいつが原因かと思いつつ、もう一度クランクアームを押しつけながら回しチェーンステイと交差するあたりの挙動を確認してみると、見事に接触していました...(^_^;


それからクランクアームの押しつけ具合を変えながら挙動を見てみたのですが、アームとチェーンステイとの交差ポイントは車体側に2〜3mmくらいは平気で動くことがわかりました。クランクアーム自体が曲がるというのは考えにくいので、要するにフレームが捩れるのだと思います。


では何故左側のペダルにトルクをかけた時だけ起きるのかというと、ペダルを強く踏み込む際には踏み込んだ方の車体外側方向へのトルクが発生し(体重をかけるために重心点が変わる)、結果反対側のアームの位置が車体側に動くのでしょう。


左側のアームとチェーンステイとのクリアランスは右側よりも大きいため、右のペダルを踏み込んでも左側アームは接触しないけど、クリアランスの小さい右側は接触するというわけ。


異音の原因は十中八九これに間違いないと思いますが、問題はどうやって対処するかです。普通に考えれば右のボトムブラケットに入れたスペーサー(2.5mm)の厚みをさらに増やせば良いわけですが、フロントディレーラーのチェーンガイドはほぼ限界近く外側に出しているので、スペーサーの厚みを増すことでアウターの位置がさらに外側に来ると、間違いなくチェーンガイドとチェーンは接触します。


クランクアーム(172.5mm)を今よりも短いもの(165mm)にすれば多少はマシになりますが(上から見るとチェーンステイは車体後ろ側に行くほど車体外側に向かって拡がっているため)、定規をあてて測ってみた感じではアーム長が7.5mm短くなることで得られるチェーンステイとのクリアランスは1mm程度に過ぎないため、恐らく根本的な解決にはなりません。


となると思いつく対策は一つだけなので、早速実行に移しました。その内容は、明日の試走結果とともに明らかにしたいと思います。


■今回使用した専用工具

トネ(TONE) ソケットアダプター 差込角9.5mm(3/8

トネ(TONE) ソケットアダプター 差込角9.5mm(3/8") HP58 &12.7mm(1/2")

SK11 デジタルトルクレンチ 差込角 9.5mm 3~60N・m SDT3-060

SK11 デジタルトルクレンチ 差込角 9.5mm 3~60N・m SDT3-060