memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

混沌と光明

私にとってのヘッドフォンシステムは、速やかに眠りに入るための睡眠導入システムであり、日々の生活に無くてはならないものです。
そのシステムに求める音は“ストレスを感じない音”。言い換えると“気になるところが一切無い音”と言うことになります。でないと気になってしまって眠るどころではありませんからね。


勿論、“気になるところが一切無い音”=“非の打ち所がない音”という意味ではありません。文字通り“気になるところがなければ良い”わけなので、全てにおいて及第点の音であれば良いのです。と言うか、80点くらいの及第点の音の方が良いのです。これが95点とかになると、逆に“良い音”が気になって眠れなくなってしまいますから...(^^ )


そのような音を実現するにおいて最も最悪なのが“ノイズ”の類い。その範疇には“ノイズ”ではないけれど“耳障りな音”も含まれます。そのような“ノイズ”を一切無くすことが、“気になるところが一切無い音”を実現する上での最低限の条件と言えます。


前回の日記(DC iPurifier2の試聴)から1ヶ月近く経ってしまいましたが、実はDC iPurifier2導入後(とは言っても別にDC iPurifier2が原因というわけではないのですが)、その“ノイズ”というべき“耳障りな音”があることに気がついてしまいました。


具体的には、ヴァイオリンの高音域で聞こえる“チリチリ”した変な音です。これはヴァイオリンに限らずシンバルなどでも聞こえるので、恐らく高音域の特定周波数帯でのピーク(というかスパイク)に近いものなのではないかと思います。


最初はDC iPurifier2を疑いました。なので当然外してみたわけですが、耳障りな音は消えません。


次にSoundgenicのクロック交換によるものなのではないかと疑いました。クロック交換する前はそんな音が聞こえたことはありませんでしたからね。


しかしながら、引退させたMacbook Pro 15inchを引っ張り出してきてSoundgenicの代わりの音源にして検証、さらにはSonyのWM1Z(DAP)を音源にして検証した結果、耳障り感は多少小さくなるけど無くならないことがわかりました。
つまりクロック交換は遠因(多分クロック交換によって周波数バランスが若干変わったことが影響した)かもしれないけど、必ずしも直接かつ最大の原因ではなかったわけです。


では一体何が原因なのか?


クロック交換後の最大の変更点はケーブルアロケーションなので、やはりそれが原因だとしか思えません。だったら解決策もケーブル類の配置方法にあるはずです。
ちなみに、当然だけど、最初に試したのはクロック交換前の状態に戻すこと。でも残念ながらそれでは解決しませんでした。やっぱりSoundgenicのクロック交換による影響はあるわけです。


Soundgenicのクロックを元に戻してもらうという選択肢もありますが、それはあまりにも後ろ向きな選択なので、今のシステムに最適なケーブルアロケーションを見いだそうと決意。


その日から、ケーブル配置を変更して数日間試聴し、また変更して数日試聴するという日々を繰り返してきました。ケーブルだけではなく、インシュレーターや全てのiFi audioのアクセサリーの有無も試しました。それを約1ヶ月間続けてきたわけです。


組み合わせによっては耳障りな音がほとんど気にならなくなる場合もあるのですが、一方でその組み合わせだとレンジが狭くなって音の拡がりも出なくなるという副作用もあり、全面解決には至りませんでした...昨日までは。


Luxman p-700uの電源ケーブルを自作の電源ケーブル(PC Triple-C線材)にすると耳障りな音が出なくなることは試行錯誤の結果で判明したものの、先に触れたような副作用もあります。しかしながら使える電源ケーブルの組み合わせは全て試したので、電源ケーブルの組み合わせについてはもう打てる手はありません。


そこで昨日試したのがインターコネクトケーブル。実はクロック交換後に中高音の曇りと高音の伸び切らなさが気になって元々使用していたWireWorldのSuper EclipseからZonotone 7NAC-Neo Grandio 10Hi に変更したのですが、その時とは電源ケーブルの配置も換わったので、ダメもとで一度試してみようかと思った次第。


そしたらこれが正解でした。例の耳障りな音はほぼ気にならなくなり、かつレンジ感や音の拡がりが悪くなると言う副作用もありません。(そういう意味ではZonotoneのケーブルが直接の原因だったのかも...)


だったら他のインタコも試してみようということで、休眠状態のインタコを仕舞ってあるケースをひっくり返していて目が止まったのがOrganic Audioのインターコネクトケーブル(アンバランスタイプ)。存在自体をすっかり忘れていました。


ヘッドフォンシステムは基本的にはフルバランス構成で使いたいのでインタコもバランスタイプが望ましいのですが、秋以降使用しているヘッドフォンはバランスケーブルのHD800ではなくアンバランスのEdition8なので、アンバランスのインタコでもまあいいかと。


Lumxam p-700はバランス入力(2系統)とアンバランス入力(1系統)をフロントスイッチで切り替えられるので、Super EclipseとOrganic Audioを両方接続して比較試聴してみたところ、Organic Audioの方が音のスピード感が速くて切れが良い感じ。またSuper Eclipseは銀コーティング故の響きの華やかさがありますが、Organic Audioは演出的な華やかな響きではないけれどもネイキッドでピュアな感じの響きがあって、正直甲乙つけがたい感じ。


低音の拡がりや音の繊細さはWireWorldの方が良いのですが、Organic Audioのスピード感とピュアさも捨てがたいので、両方接続したままにして使い分けることにしました。


で、ふと思い出したのですが、クロック交換前はNBSのインタコ(アンバランス)とWireWorldの両方を接続してたなと。使うのは圧倒的にWireWorldの方が多かったのでクロック交換を機にNBSは外したのですが、もしかしたらバランスとアンバランスのインタコを両方接続していることにも意味があるのかもしれません。例え片方しか使っていなくてもアースはつながっているのでシステム全体のアース回路には影響しますからね。


昨日の結果が夢ではないかどうか、今朝起きてから小一時間ほど試聴して確かめましたが、例の耳障りな音は気にならないし、音のバランスも悪くありませんでした。もう比較試聴は出来ないので記憶に頼るしかないのだけれど、クロック交換前の音よりも音の静けさや音の解れ度合いは向上しているようにも思うので、クロック交換とDC iPurifier2が良い方向に効いているのかもしれません。


つい数日前は泥沼にはまった状態で二進も三進もいかず、ヘッドフォンシステムはやめてイヤホンシステムに切り替えようかとさえ思っていたので、今の音には感慨も一入。諦めなくて良かったです。


最後に、後々のために現在のケーブル構成を書き留めておくことにします。今のインタコを基準とするなら電源ケーブルの配置にはもう少し改善の余地があるような気がするのでさらに試してみるつもりですが、もしまたバランスが崩れてもここに戻ればよいですからね。


■中村製作所アイソレーショントランス
R1上:AET SIN AC→Soundgenic用外部電源
R1下: Cardas Golden Reference Power(New Type)→光城精機TAP
XXX上:NBS Statement→OPPO SONICA DAC
XXX下:自作PC Triple-C→Lumxam p-700


■光城精機TAP(手前から1〜3)
1:iPurifier AC
2:空き
3:WiFiルーター用DCアダプタ


■インターコネクトケーブル
XLR:WireWorld Super Eclipse
RCA:Organic Audio


■アクセサリ
iFi Audio iGalvanic3.0(Soundgenic USB2.0端子)
iFi Audio DC iPurifier2(Soundgenic用外部リニア電源)


■Headphone
Ultrasone Edition8