memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

珈琲王に関する悩み

HARIO V60 コーヒーメーカー(珈琲王)を使い始めて2年以上が経過しました。季節を問わず、土日祝日の朝は珈琲王を使って4杯分強のコーヒーを淹れています。
製品には基本的に満足しているものの、実は使いこなしに関して困っていることがあります。それは抽出の際のドリップ位置の偏りと、抽出後の粉の上下分布の問題。


●ドリップ位置の偏り問題


写真1) 中心にドリップされたもの


写真2) ドリップ位置が偏ったもの


見て分かるとおり、ドリップの位置が中心からずれると、粉の壁が薄くなってフィルターが見えてしまっています(以下、壁穴と呼称)。ドリッパー上部と本体とのクリアランスが小さいため、抽出中のどの段階でこうなるのかを目視で確認することができません。恐らくは抽出末期だと思われますが、このような状態でドリップされているということは、粉を通さずにお湯の一部が壁穴から直接サーバーに落ちているはず。これは問題です。


当然ながら味は薄くなるはずで、実際、うまくドリップできた時よりも味が少し薄く感じます。ただ、薄すぎて飲めないとか、喫茶店アメリカンみたいとかいうことはなく、いつもより少し薄いかなという程度。故に、壁穴ができるのは抽出末期(壁穴から漏れ出る湯量は少ない)と推測しているわけですが、味の問題以上に気分的に嫌ですよね。


こうなるのを避けるため、ドリッパーをサーバーに載せる位置とそれらを本体に設置する時の位置について、けっこう気を遣ってコントロールしているのですが、これは次の問題を話した後に触れましょう。



●抽出後のコーヒー豆の上下分布の問題


写真3) 上下の分布バランスが良い状態


写真4) コーヒー粉が上部に偏った状態


上の2枚の写真を見比べてください。写真3はドリップ穴の大きさが大きく、写真4は小さくなっています。別の見方をすると、コーヒー粉上面にできたドーナツリングにおいて、写真3はリングの太さが細く、写真4はリングの太さが太いことが分かります。つまり抽出後のコーヒー粉の上下分布を比較すると、写真3に比べて写真4は上部にある粉の量が多い(=下部にある粉の量が少ない)わけです。(注:両方とも使用している粉の量は同じです)


ここで1つ目の問題につながるわけですが、フィルター下部の粉の量が少ないと壁自体の厚みが薄くなり、結果的に穴が空きやすいのです。
さらに言うなら、ドーナツリングの上の方の粉はエキスが十分に抽出されていないのではないかとも思うのです。つまり(あくまで個人的な見解ですが)写真3はコーヒー粉がまんべんなく抽出に使われた良い状態で、写真4は抽出具合にムラが生じたあまり望ましくはない状態ではないかと。


ではどうすれば写真3のような抽出が安定して実現できるのか?


最初に前置きしておくと、1回に買うコーヒー豆(焙煎したてのもの)は600g(300gを2種類)で、およそ1ヶ月強で使い切ります。購入後、2種類の豆それぞれ3回分くらいをガラスのキャニスターに入れ常温保管、残りはバキューム容器に入れて冷蔵庫に保存しています。キャニスターの分を使い切ったら冷蔵庫から3回分位を補充します。グラインドはコーヒーを淹れる直前に行うので、それなりに新鮮な状態の粉を使用していると思います。


挽いた状態で売っているコーヒー粉はここ10年くらい使ったことが無いのでそれとの比較はしていませんが、豆の種類、挽き方(荒挽き〜細挽き)、豆の量(4人分を基準に、多めと少なめ)、豆を購入してから(焙煎してから)の経過時間、果ては使用するドリッパー(いつもは陶器製を使っているので、付属のプラスチック製を試してみた)まで変えてみたものの、写真3のような抽出になるための条件がさっぱり特定できません。
※ここまで書いていて思いつきましたが、使う水の種類による比較はしていないので、今度やってみます。ちなみに普段は立山の天然水(クロネコポイントを貯めるともらえる)かサントリー南アルプスの天然水を使っているので、ただの水道水と、浄水器を通した水を試してみることにします。尤もあまり関係ないような気はしますが...(^_^;


仮説としては、蒸らしからドリップ初期の段階で粉が膨らみすぎ、その結果として上部に残る粉の量が多くなるのが一因なのではないかと思っています。粉の膨らみ方は(私の経験では)粉の鮮度によるので(買ってからの経過時間が短いほど良く膨らむ)、買ってから時間が経った豆を使えば問題は解決するのではないかと思うものの、それってどう考えても本末転倒なので試していません。


この2つ目の問題が解決できれば多分1つ目の問題も起こらない(起こりにくくなる)はずですが、残念ながら2つ目の問題の解決策が見つからないので、写真4のような抽出状態になることを前提に、できるだけ壁穴ができないようドリッパーをセットしているというのが現状。
ここで1つ目の問題の最後で触れた設置位置のコントロールの話につながりました。


ポイントはお湯が出る(落ちる)シャワーヘッドとドリッパーの中心を合わせること。ただしサーバー底面の大きさよりもヒーターサーズの方が少し大きいので、その点を考慮しなければなりません。
以下手順を列記すると

  1. フィルターに入れたコーヒー粉をドリッパーごとよく揺すって分布が均等になるようにし、かつ上面が水平かつ均一になるように整える。
  2. ドリッパーをサーバーの上に置く。その際、ドリッパーの中心がサーバーの中心よりも僅かに左側(サーバーの持ち手と注ぎ口を結んだ中心線よりも左側)に来るようにする。
  3. ドリッパーとサーバーの位置関係がずれないよう慎重に本体ヒーター上に置き、ヒーターの最奥部の土手とサーバー底面最奥部が接するようにする。
  4. 本体上部前面のV60のロゴと、本体下部前面のHARIOのロゴと、ドリッパー側面のHARIOのロゴの中心線が合っていることを確かめる。もしずれている場合はサーバーを回転させて(サーバーの最奥部とヒーター最奥部の土手が接している状態を保持しつつ)修正する。


3の置き方だとヒーターの中心よりも僅かに後ろ側にズレた位置にサーバーが置かれることになるので、そのズレをドリッパーを置く位置で修正しています。もちろんヒーター、サーバー、ドリッパーの中心を合わせられるならそれでも良いのですが、サーバーをヒーターの後ろの土手に当たるように置く方がサーバー設置位置を一定にしやすいので、上記のような手順を踏んでいる次第。


このように毎回注意を払っているにもかかわらず位置調整が微妙にずれることがあり、5回に1回くらいは壁穴ができてしまいます...(T_T)


もしかして珈琲王に問題があるのではと思い、似たような悩みを持っている人がいないかググってみたものの、そんな人は見つかりませんでした。
つまりは私の入れ方に問題があるという蓋然性が高いわけですが、一体全体何が悪いんでしょうね...。