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audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

テレビを買い替えるか否か?

今使っているテレビはSONY KDS-50A2500という機種で、SXRD(Silicon X-tal Reflective Display)というLCOS(Liquid Crystal On Silicon:反射型液晶素子のことで、高い開口率を実現する理想的な液晶素子として開発が進められたが、量産化に成功したのはSONYとVictorの2社だけ)デバイスを使ったリアプロジェクションTV(所謂リアプロ)です。



リアプロは画質が悪い」という印象をお持ちの方が多いのではないかと思いますが、実はこのSONYのSXRDを擁したA2500シリーズと、VictorのD-ILA(Directdrive Image Light Amplifier。これもLCOSデバイス)を使ったビッグスクリーン EXEシリーズは、従来のリアプロとは全く異なる次元の高画質を実現していました。残念ながら日本市場においてはリアプロの人気が低く、両機種ともディスコンとなっていますが、プロジェクターにおいてはSXRD、D-ILAの両デバイスともに現行ハイエンド機種に採用されています。


50A2500を購入したのは2006年の12月でした。本当はパイオニアプラズマテレビが欲しかったけど高すぎて手が出せず(80万円くらいした)、とは言え液晶テレビはどうにも画質が好きになれず(クッキリ・ハッキリとした画面、派手な色彩)、画質と価格のトレードオフバランスの中で唯一納得のいく選択肢がLCOSリアプロだったわけです。SONYにしたのは店頭でVictorと比較視聴した結果、SONYの色の方が好きだったから(おそらく私がSONYファンであるということも影響しているでしょう)。


導入当初、画面がちらつくという原因不明のトラブルがあって新品に交換してもらいましたが、その後は全くトラブルもなく今に到っています。


昨年の8月末にA2500のランプ交換インジケーターが点灯した(通算2回目)ので純正ランプを準備してランプ切れを待っていたものの、その後一向に切れません。勿体ないので切れるまで待とうかと思ったものの、頭の片隅に「テレビを買い替えようかなぁ...」というプランがあったので、どうせなら使ってしまおうと4月に入ってランプを交換しました。
切れはしなかったものの、やっぱりヘタってたんですね。交換後は画面が明るくなり、発色も鮮やかになってとても良い感じです。


このリフレッシュされた画を見ると、「今買い替える必要があるのかどうか?」疑問に思います。でも買い替えたいという思いは消えないんですよね。
そこでどうするかを決める判断材料として、自分の考えを整理してみようと思います。


【50A2500の満足点】
◎画が柔らかく滑らかで、自然な色。
◎(これは上記満足点を産み出す背景要因でもあるが)プロジェクション方式であるが故に画面(スクリーン)にはRGBが合成された状態の画(色)が映っている。つまり近寄ってルーペで画面を拡大しても、離れた場所から見た色がそのまま映っている。(プラズマや液晶テレビはRGB画素が直接画面上にあるので、近寄ってルーペで見るとRGBに分解されて見える。)
◎動きの激しい場面でも応答遅延を全く感じない。


【50A2500の不満点】
×スクリーンの表面が僅かにギラつく(スクリーン素材の影響)
×24fps再生に対応していない
×番組表が非常に使いづらい(→DIGAの番組表を使うことで対応)
×音が最悪(→YSP-2200を導入して対応)
×奥行きが47.7cmもある
△部屋の照明を落とすと黒浮きが気になる場合もある
△Deep Colourに対応していない
△3Dに対応していない


【その他要因】
パナソニックが近い将来プラズマから撤退するという報道があった
・大型有期ELディスプレイが普及価格帯になるにはまだ時間がかかりそう
・4Kディスプレイについてももう少し動向を見守りたい
パナソニックからマスターグレードビデオコーディング技術(通常のBlu-rayディスクは24bit階調だが、これをマスター映像クオリティの36bit階調に拡張する方式。対応するBDソフトと、プレーヤーと、ディスプレイが必要)が発表され、DIGA BZT9300がアップデートにて対応する予定である
・シャープのICC(Integrated Cognitive Creation)技術は凄そうだけど、普及価格帯になるにはまだ時間がかかりそう


これらを踏まえて自己分析すると、

  1. 50A2500の画には基本的に満足しているが、ディスプレイとして新しい技術に対応していない点が不満。新しもの好きの私としては使ってみたい機能が色々存在しているのに...。
  2. 有期ELや4Kディスプレイ、あるいはICC技術を搭載したテレビが普及価格帯になるにはまだ時間(3〜5年?)がかかりそうだけど、それまでの間を50A2500で持たせるのは(精神的に)難しいよなぁ...。
  3. パナソニックが近い将来プラズマから撤退する可能性は否定できないが、少なくとも今年は新製品が出た。しかもかなり良さそう(もしかしたらKUROよりも良いかも)なので、無くなる前に一度使ってみたい。


という3つの要因が「テレビの買い替え」の動機付けになっているようです。直接的要因としては3番目が大きいですね。パナソニックのプラズマ撤退報道が出たときは正直焦りましたから。
実は50A2500購入時点でのロードマップでは24fpsやDeep Colourに対応した薄型リアプロが発売される予定で(北米では発売された)、いずれそれに買い替えるつもりだったのですが、残念ながら日本ではリアプロの人気がないために発売されなかったのです。もし発売されていたら買い替えていたと思うので、その場合は今のタイミングでテレビを買い替えようとは思わなかったかもしれません。


まあ実際買い替えるかどうかはまだ決めていませんが、もし買い替えるとするならば間違いなくPanasonic TH-P55VT60にすると思います。欲しかったPioneer KUROの遺伝子を受け継いだ機種ですからね。



SONYの4Kテレビ・ブラビア X9200A(55インチ)も魅力的ですが、スピーカーがサイドについているため横幅が広く(146.3cm)、オーディオラックと干渉してしまうために設置できません。それにそもそも4Kのソースが(現時点では)無いですしね。ちなみにTH-P55VT60(131.8cm)は50A2500(118cm)より約14cm幅が広くなりますが、このくらいならオーディオラックの位置をズラせばギリギリ入るし、やっぱり液晶よりはプラズマの方がいいかな...と。



オーディオに投資をしなければ(おそらくは)買い替えてしまいそうな気配ですが、どうなるかな?