memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

ウェルフロートボード 悪戦苦闘 #3(完)

興味本位でクロスセッティングを試してみたら、何故か金属音がちゃんと出るようになってしまいました...(^_^;)
だからといって「クロスセッティング故に金属音が出た」とは考えられません。そもそもクロスセッティングの場合、左右スピーカーのツィーターはリスニングポイントのかなり前方でクロスすることになるため、ツィーターからのエネルギーは(耳に対して)むしろ届きにくくなるわけですから。


だとしたら何故?


とりあえず本当にスピーカーセッティングが原因なのかどうか確認するため、セッティングをノーマル状態(平行設置よりも少し内振りの状態)に戻してみました。すると、ちゃんと金属音が出ているではないですか!



となると金属音が出なかった原因は他にあり、それがウェルフロートボードとスピーカーを大きく動かした(結果的にウェルフロートボードのフローティング機構は大きく動き、スピーカー本体やスピーカーケーブルもかなり揺れた)ことによって解消されたと考えるのが妥当です。


ではその原因は何なのか?


残念ながら現時点特定はできていませんが、仮説としては

  1. ウェルフロートボードのフローティング機構が正常な状態では無かったが、セッティング変更によりメカニズムが大きく動いたことで正常な状態に戻った。
  2. スピーカー内部もしくはスピーカーケーブルに何らかの問題(接触不良? 断線しかかっている?)があり、スピーカーを動かした(同時にケーブルも動いた)ことによって(見かけ上)正常な導通になった。
  3. スピーカー以外のどこか(システム機器、家の電源環境、電波環境・・・)に問題があったが、それが自然解消されたタイミングとセッティング変更のタイミングが偶然に重なった。


などが考えられます。
もし1が原因だとすると(ウェルフロートボードが不良品でない限り)二度と起こらなそうだし、2あるいは3が原因だとすると、何かの拍子で再び起きるでしょう。
折角金属音がちゃんと鳴るようになったのに今ヘタに原因を追及してやぶ蛇になるのも嫌なので、原因を追及するのは再発してからにします。触らぬ神に祟り無しですからね。


そんなわけでようやくウェルフロートボードの試聴ができる状態になりました。スピーカーの設置位置についてはまだ詰め切れていないので、あくまで暫定的な感想ではあります。

  • 小音量時の音、響きが綺麗。
  • ピアノの音の粒立ちが良い。透明感のあるピアノの音がとても美しい。
  • 低音が締まったが、より低い音が出るようになった。
  • 音の出方にストレスが無く、空間から音がパンと出てくる。
  • スピーカーが伸び伸びと鳴っている感じがする。
  • 音量を上げても混濁しにくい、音が重なって煩く感じることがない。
  • 音色は基本的に変わらず、鳴り方が変わる感じ。
  • ツィーターの位置が高くなった影響は多少あるが、対応可能な範囲。


ウェルフロートボード導入による最大の効果は、やはりスピーカーの鳴り方が変わったことでしょうか。感覚的な表現しかできませんが、目に見えない制約から解き放たれて伸び伸びと鳴っているように感じます。それ故なのか、音が空間の何もないところから「パン」と出てくるんですよね。導入から既に1週間が経っているため当初の感動は薄れて今やこれが当たり前のように思えるようになってしまいましたが、ウェルフロートボード導入で最も驚いた点であることには変わりありません。


また私は小音量派ではありますが、それでもたまにボリュームを上げて聴くことがあります(とは言え多くのオーディオファイルの方にとっては普通の音量だと思いますが...)。ただしソースによっては音や響きが重なって耳障りに感じることがあり、そんな時は直ぐにボリュームを落としていました。耳障りな音というのが我慢できないのです。


これについては「リスニングルーム(特に左右)が狭いので仕方なかろう」と思っていましたが、ウェルフロートボード導入後は不思議と煩くないんですよね。ルームアコースティックが原因だと思い込んでいましたので、この効果にはかなり驚きました。


金属音の質感がうまく出ないという原因不明のトラブルがあったりして、一時は「失敗したかな...」という思いも過ぎりましたが、結果的には導入して良かったと思っています。スピーカーの地震対策というベネフィットも考えればコストパフォーマンスは悪くないでしょう。


さて、これで予定していたブラッシュアップ作戦は全て完了です。しばらくは細かな調整〜とりあえずPL-Lの12AT7をTelefunken ECC801SからA2900に交換してウェルフロートボード導入後の音を確かめ、どちらを常用するか決めます〜を重ねることにしましょう。


今後の予定ですが、夏頃目処に考えていた「新しいDAC(CDP)もしくはMAN301の導入」については再考中で、もしかするとスピーカーケーブルorインターコネクトケーブルのアップグレードに変更するかもしれません。そもそもWadia521の音に大きな不満があるわけではないし、またValhalla(デジタルケーブル)の導入が予想を超えて効果的だったこともあり、どっちにするか(あるいは全く違うアプローチにするか)気持ちが揺らいでいます。時間はたっぷりあるので、楽しみながら悩みましょう。


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