昨年末の宣言通り、今年は無駄なものをできる限り買わないよう心がけようと思います。とは言え「長期間にわたって何も変えない」というのは苦痛なので、必然的にセッティングを弄ることが多くなるでしょう。
そんな2013年のオーディオは、インシュレーターとデジタルケーブルの見直しからスタートです。
まずはインシュレーターの組み合わせ変更。昨年、D-PROP Extendを追加で2セット導入し、SS-010とWadia521に使用。SS-010に関しては目論見通りだったものの、Wadia521については思ったほど変わりませんでした。変化量は期待したほどでは無かったものの、悪くなったわけでもないので、そのまま使っています。
このWadia521のD-PROPをUX-1に移設するのが今年最初の試みです。
D-PROPファミリーを使用している機器(SS-010、PL-L、Wadia521、Rbクロック)は前2点、後1点の3点支持なのでUX-1もそうしようと思いましたが、考えてみればUX-1の標準インシュレーターが前2点、後1点の3点支持でついているためD-PROPを適切な位置に設置することができません。それにD-PROPは振動源の直下に置くと良いという話もあるので、ディスクトレイの真下に設置できる前1点、後2点にしました。
一方のWadia521には、UX-1に使用していたCERABASEをそのまま4点支持にて移設。
さて結果ですが、しなやかさが多少増した感じがするものの、思っていたほど変わらないですね。UX-1はインシュレーターに敏感なのでもっとD-PROPの特徴が強く出た音になると思っていたのですが...。もしかすると馴染む時間が必要かもしれないので、このまま様子を見ることにします。
当初の予定ではインシュレーター交換後の音をしばらく楽しむつもりだったのですが、肩すかしを食らった状態になってしまい少し欲求不満気味。そこでデジタルケーブルの見直し(と言ってもあくまで手持ちのケーブルの中での変更)を前倒しで実施しました。
現時点でのデジタルケーブル布陣は下記の通り。ご覧になってわかるとおり全てAET製です。
- Rbクロック → OCX :AET SIN 75 EVO
- OCX → UX-1:AET UR DG 75 spec.2004
- UX-1 → Wadia521:AET SIN 75 EVO
一方、手持ちのデジタルケーブルで使えるものは以下の通り。
- KimberSelect KS-2020(RCA)
- Timelord Absolute2(BNC)
- Oyaide DB 510(BNC) 2本
組み合わせは色々考えられますが、とりあえずクロックケーブルをAET SINに統一して、UX-1→Wadia521間の音声デジタルケーブルを変更してみることにします。基本目標は「しなやかさ」「有機的な感じ」の強化ですが、仮にそうはならなくても、これまでにない感情喚起力が得られる音なら良しとします。
ちなみにOyaideは情報量的にAET、KimberSelect、Timelordにやや劣るので、第一候補はKimberSelect、第二候補はTimelord、それでもだめならOyaideを使うという方針。
まずはKimberSelect KS-2020に変更。
一聴してわかるのは、ピアノの響きが増え、音が煌びやかになったこと。一方、響きが増えた分、楽器の実体感が少し曖昧になります。また基本目標である「しなやかさ」「有機的な感じ」についてはほとんど変化を感じません。もう少ししなやかな音になるのではないかと期待していたのですが、そうそううまくはいきませんね。
総じて綺麗な音なのですが、音の訴求力(感情喚起力)が以前よりも少し後退した気がするので、このセットはNGとします。
次はTimelord Absolute2。このAbsolute2はTL3Nのクロックケーブルとして使用していましたが、UX-1に使用するのは初めて。また音声ケーブルとしての使用も初めてです。使用方向によって音が変わるので、まずは白丸がついているプラグをUX-1(送り出し)側にセット。
「あれ〜、何かリアルな感じ。Absolute2ってこんな音だっけ?」
よく聴いてみると、エッジが立って、音に勢いがあります。また楽器の音が少し太くなった感じがしますが、これもよくよく聴いてみると、音が太くなったのではなく、より低次の倍音が(KS-2020に比較して)強く出ているからだということがわかりました。これは新しい発見です。
KS-2020が音場型だとすると、Absolute2(白丸プラグは送り出し側)は音像型に感じますが、実際にはそこまで差があるわけではなく、KS-2020は響きに、Absolute2は楽器の音自体の出方に特徴があるのでそう感じてしまうわけですね。
ふと思いついて、「スーパーギタートリオ/フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ」からMediterranean Sundanceを聴いてみました。
「うぉ〜、リアルさに関しては今までで1番いいかも!」
基本目標である「しなやかさ」「有機的な感じ」についてはむしろ後退した感があるものの、このAbsolute2の音のリアル感には捨てがたいものがあります。
とは言え、少し音のエッジが立ちすぎて五月蠅さを感じる時もあるので、OCXのクロック周波数を44.1KHzから176.4KHzに上げてみました。するとエッジが多少柔らかくなり、また直接音と空間情報のバランスが少し空間情報寄りにシフトした感じになって、五月蠅さは改善されます。でもKS-2020よりは音像型なので、バランス的には悪くありません。ジャズやロックは44.1KHzで、クラシックはCDによって変えるという手もアリですね。
以前Absolute2の試聴をした時の印象とは少し異なっていましたが、その後導入したP10およびSilentmountによる底上げの影響もあるのかもしれません。当初の目標とは方向性が違うものの、これはこれで良い感じです。もう少しいろいろなCDを聴いてみて、それからAbsolute2を逆方向にした音を確認してみようと思います。
〜(多分)つづく。