前回、Headphone Audio System(HAS)にて試聴したところ、比較対象であるCardas Golden Referenceとの差があまり出なかったため仕切り直しとしたmythosの試聴。今回はHASのセッティングを見直して再試聴にトライです。
しかしながら、iD100、M1 DAC、m903の設置方法、かつ電源ケーブルの組み合わせも見直してみたものの、やっぱりCardasとの差があまりつきません。残る手段はM1 DACおよび電源ボックスのインレットに取り付けたクオーツレゾネーターを外してみることなのですが、そもそも今の音に不満がないだけに乗り気がしません...。機器内部に取り付けてあるので外すのも戻すのも面倒だし...。
そこでHASはあきらめてメインシステムで試聴してみることにしました。ケーブル交換の度に隣の部屋からベランダに出て機器の背面にアクセスしなければならないためできることなら避けたかったのですが、仕方がありません。使用箇所はPL-LとSS-010との間、Organic Audio Interconnect(以下OAIと略)との比較です。
結論から言うと、OAIとの違いはありましたが、思っていたほど基本性能(情報量とか解像力とかレンジ感など)に差はありませんでした。
一応試聴感想を書いておきますが、毎度のことながら、文章から受けるほどの大きな差は無いと思ってください。また試聴ソースはクラシックおよびARIAサウンドトラックのみで、ROCK、POPS、JAZZは(時間が無くて)聴いていませんのでご注意のほど。
- 情報量、解像力、レンジ感のいずれもOAIと比して遜色なし。
- 周波数バランス的には、OAIよりも少しだけ高域が強調されている。ピアノの高音が僅かに耳につくが、不自然という程ではなく、許容範囲内。
- 高域の僅かな強調感が、ピアノのタッチの(僅かな)明快さや響きの(僅かな)煌びやかさにつながっているように思う。
- OAIはスピーカーよりも前に音が出てくる場合もあるが、mythosはスピーカーより後ろに音場が展開する。その分OAIの方が奥行きを感じる。なお左右や高さについてはほぼ同等。
- OAIはナチュラル感が一つの特長だと思うが、それに比べるとmythosはほんの少しだけ人工的というか無機的というかサラッとした印象を感じる。
- またOAIは軽やかで伸びやかな感じだが、mythosにはOAIほどの軽やかさや伸びやかさは感じない。スケール感も少しだけ小さいが、逆に言えばOAIよりもまとまりがあるとも言える。
- 情緒的な表現力に関してはOAIの方にやや分があり、響きが美しく、音の強弱や緩急の表現にもそこはかとなく有機的なものを感じる。
総合的には、(多分)10万円クラスの基本性能をもち、強い個性は無いけれどとてもバランスが良くて使いやすいケーブルなのではないかと思います。
OAIとの比較では、基本性能はほぼ同等で、音場感と表現力(ニュアンス)には多少違いがあるという感じでしょうか。二者択一であればOAIを選びますが、mythosも十分に許容範囲です。
この音であれば6万円前後という実勢価格にも納得感はあるし、DHgateの2万円弱という価格はとてもお買い得ですね。
折角なのでGWの間はmythosをメインシステムに入れたままにし、もう少しいろいろ聴いてみることにしました。これまた折角なので、外したOAIはHASに移設。でもって2曲ほど聴いてみたところ、ちゃんとOAIの音がしました!
ということは、(まだ納得はしてませんが)mythosとCardasにはやっぱり大きな差が無いのかもしれません。