システムエンハンサーで6時間エージングした後、1時間ほど試聴しました。ケーブルはアンバランスです。
- 一番驚いたのはサウンドステージの広さ。特に左右への拡がりが大きくて、イヤホンではなくあたかもヘッドフォンで聴いている感じ。こんなイヤホンがあるとは思いもしなかった。
- やはり解像力が高い。実はT20で欅坂46の「サイレントマジョリティ」「世界には愛しかない」を聴くと、音が重層的に重なった箇所が若干ノイジーに感じることが不満だったのだが(ベッドサイドのヘッドフォンオーディオシステムだとノイジーには聞こえない)、T8iE MKIIだとヘッドフォンオーディオシステムと同様、綺麗に分離した一つ一つの音が重なって聞こえる。
- 解像力の高さに関しては、音のエッジのグラデーションが聞き取れることからも感じられる。刺激的なエッジは一聴すると解像力が高いように思われがちだが、本当に解像力が高い音は緻密で滑らかだと思っているので。
- 開封直後に聴いた時はナローレンジだと感じたが、必ずしもそうでは無かったかもしれない。T20に比べると周波数バランスがフラットなので(T20はどちらかというとドンシャリ系)そう感じたこと、さらに言うなら耳障りで刺激的な音が出ないので高音が伸びていないように感じたことも影響していたように思える。現状の音には薄いベールがかかった感じがあるので、エージングが進んで明瞭さと透明感が出てくれば、印象はさらに良くなると思う。
- 今のところ(T20に比べると)低音の量感は控えめな感じ。これがキャラクターなのか、エージングで量感が増すのかは不明。ただ、オーケストラのサウンドステージの拡がりの大きさ(スケール感)から、量感はともかくとしても低音はT20以上に伸びているように感じる。
- 弦楽器や女性ボーカルの艶感は今のところ控えめ。このあたりはエージングに期待したい。
- とりあえず、Pops、Rock、Electorical、Jazz、Classicと一通り聴いてみたけど、得手不得手はあまり感じられなかった。強いて言うなら、サウンドステージの広さとスケール感がポイントとなる楽曲との相性が良いかな。
- 装着感は、ケーブルの細さが効いているのかT20よりも軽い感じ。ケーブルにワイヤーは入っていませんが、シュア掛けした時の安定感も良い感じです。
- ケーブルが細いのは取り回し的にはGoodだけど、シースの素材が若干べとつくため絡まったケーブルを解くのはちょっと面倒。ケーブルのタッチ音はほとんど感じられない。
- T20は赤=Rch、青=Lchと一目でわかったけど、T8iE MKIIはちょっとわかりづらいかな。まあ、慣れの問題だと思うけど。
第一印象をまとめるなら、「サウンドステージが(非常に)広く、バランスの良いまとまった音」といったところでしょうか。サウンドステージの広さ、スケール感を別にすれば、これ見よがしな音の個性はあまり感じないけれども、基本性能の高さ故に成り立つバランスの良さはとても魅力的です。
かたやT8iE MKIIを基準に考えると、T20の音は良くも悪くも個性的なんですね。ただT20ってノリが良く聴いていて楽しい音なので、T8iE MKIIとは違う良さがあると思います。特にRock系はとっても楽しいです♪
尤も“音の格”はあきらかにT8iE MKIIの方が上ですね。
10万円オーバーのイヤホンを買うことには一抹の不安もありましたが、ヘッドフォンと同様、高いだけの価値はあったので正直ホッとしました。
アンバランスケーブルでこのクオリティだとしたら、バランスケーブルに変えた時に音がどう進化するのか、ますます楽しみになってきました♪