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ギミー・ヘブン

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◆評価「ガラスの仮面北島マヤが演じるヘレンケラーのラストシーンに感動した“あなた”...にはお勧めです」
「新感覚のサイコ・サスペンス」という触れ込みなのですが、サイコ・サスペンスとしては普通ですかねぇ。「おもしろくない」とはいいませんが…。しかしながら、「共感覚を持って生まれた男と女の悲しくも切ない(ラブ)ストーリー」として捉えると、なかなか心に残るものがある映画といえるのではないでしょうか。
共感覚(者)」というのは藤崎慎吾さんのSF小説「ハイドゥナン」(荒唐無稽と言えるストーリーではありますが、非常におもしろかったです。この小説を読んで与那国島に行きたくなりました)で初めて知りましたが、「共感覚者」を取り上げた映画は初めてです。
共感覚」とは「ある刺激を受けたとき、本来の感覚に他の感覚が伴って生ずる現象」のことで、例えば「1」という数字(文字)を見て「青」という色を同時に感じたり、「バラの香り」に「四角い形」を伴って感じたりするような感覚だそうです。映画内の説明によると、共感覚者が皆同じような感じ方をするわけではなく、人によって感じ方が異なるそうです。従って、共感覚者は「自分と同じように世界が見えている人間はいない」と感じるわけで、強い孤独感から逃れられないようです。
この映画は、共感覚者の宮崎あおいが「同じ共感覚」を持つ江口洋介と偶然出会い悲劇的な結末に至る、というストーリーなのですが、ラストの方で宮崎あおい江口洋介にそのことを伝え、お互いが同じ世界を感じている(世界が同じように見えている)ことを一つ一つ確認し合うシーンは、ヘレンケラーが言葉の存在を初めて認識する感動的な場面と相通ずるような美しいシーンだと思いました。

ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)

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ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

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