Valhalla SPDIF(BNC)1.5mとAES/EBU(XLR)0.5mの音を比較した結果、ほとんど差はなかったものの、SPDIF(BNC)1.5mの方が高音のテクスチャーが滑らかで響きの量が僅かに多いという点において好ましいという評価になりました。DAC切り替え環境を実現するためにはその1.5mの方をサブDACであるOPPOに使わざるを得ないという新たな悩みが発生したものの、とりあえずそのことはペンディングにし、Oracleのデジタル出力をMA1とOPPOに送り込んで比較試聴を実施したわけです。
DAC比較の前に、OPPO〜WireWorld SuperEclipse(XLR)〜PL-LとOPPO〜NBS KingSerpent3(RCA)〜PL-Lを比較してみたところ、これは明らかにNBSの方が良いということですんなりと決着がつきましたが、本来の趣旨であるMA1〜Valhalla〜PL-LとOPPO〜NBS KingSerpent3〜PL-Lとの比較結果が悩ましいことになってしまいました。
MA1〜Valhallaはいつも聴いている音(とほぼ同じ)なのでこれを基準にすると、OPPO〜NBSの音は
- OPPO〜WireWorldとOPPO〜NBSを比較した時程の差が無く、ちょっと拍子抜け
- 実はOPPOの方がメリハリのある音になるのでは無いかと思っていたのだが、そうはならずMA1の方がメリハリ感が少し強い音
- OPPOの方は音が少し繊細で滑らかな感じ。特に高音においてそう感じる。
- 高音の伸び感はMA1の方が少し良いかもしれない
- 中音の厚みは(意外にも)MA1の方が少し強く感じる
という印象で、予想していた音(OPPOをプレーヤーとして使った時の音)とは結構違っていました。やはりトランスポート部が変わると同じDAC(ES9018)でも音は変わりますね。
で、これの何が悩ましいかというと、総合的にはMA1の方が好ましい音だと思うのですが、「OPPOの方が音が少し繊細で滑らかに感じる」という部分が問題なのです。音の繊細さや滑らかさに関しては楽器の実体感と共にかなり拘っている部分なのですが、これがメインのMA1よりもサブのOPPOの方が微差とは言え勝っている点が気に入りません。しかもこれってOPPOにValhalla SPDIF(BNC)1.5mを使っている影響が少なからずあると思うのです。先にペンディングにした悩ましい部分がここでも顔を出してきたわけで...。
前回の日記で「最終形として3つの選択肢を想定している」と書きましたが、具体的には、
- Valhallaデジタル1.5mの使いどころについて不本意な点はあるにせよ、DACを切り替えられる環境を継続する
- DACの切り替えは諦め、Oracle〜MA1の間に2本のValhallaを接続し、ジャズトリオ、ロック、POPS系はAES/EBUの方で、ジャズボーカル、クラシック系(特に弦楽器)はSPDIFで聴くというValhallaデジタルケーブル切り替え環境構築
- MA1のラック内位置と、MA1およびPL-Lの電源ケーブルを元の状態に戻す(つまりは白紙に戻す)
という選択です。
今回実際にDACを切り替えて試聴したわけですが、この2つの音の差であればDAC切り替え環境を構築する必要は無いという結論を下しました。それよりはOPPOをトランスポート込みのプレーヤーとして考えた方が、Oracle〜MA1との違いがハッキリ出て面白いし、Valhalla SPDIF(BNC)1.5mをMA1で使えるので気分も良いです。そんなわけで選択肢の1つ目は無し。
現在、選択肢2について再評価を行っており、いろいろなジャンルのCDをデジタルケーブルを切り替えて比較試聴をしている最中です。傍から見れば同じValhallaのBNCとXLRを使い分ける意味なんて無いように思われるでしょうし、私自身も「これって意味あるの?」と思わなくもないのですが、一度違いを認識してしまうと意外に差を感じるわけで、使い分ける価値があるかどうかを検証した上で、選択肢の2にするか3にするか(その派生系か)を決めようと思います。
最終的にどう落ち着くにせよ、当初の目的だったDAC切り替え環境構築は取りやめ確定。なんだかなぁという結果だけど、やってみたかったことを試せたので気持ち的にはスッキリしました。
〜というわけでDAC切り替えについてはお終いなんだけど、違う方向でもう少し続きます。