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呪怨パンデミック(監督:清水崇)

呪怨』『呪怨2』『THE JUON/呪怨』に続く巨匠清水崇監督による“呪怨”シリーズ! オリジナルストーリーで初めて明らかにされるおぞましき“伽椰子”誕生の秘密!

【評価】★★★★☆


ジャパニーズホラーのハリウッド・リメイク作品がオリジナルを越えられないのは勿論のことですが、オリジナルとは別の種類のホラー(つまりは日本的ではないホラー)になってしまうケースが多いように思います。
「回路」のリメイク版の感想にも書きましたが、アメリカ人という奴はどうしても分かりやすいストーリーを好んでしまうため、日本人の感覚としては説明すべきでないことまでこじつけで理由をつけてしまい、その結果オリジナルが持つ“得体の知れない怖さ”を台無しにしてしまう(ことが多い)という点が一つ。
もう一つは友人が言っていてその通りだと思ったのですが、日本という土地あるいは日本家屋だからこその恐怖みたいなものがあって、その種の恐怖はアメリカを舞台にしてしまった段階で“変質”してしまうということ。
どちらの要因も本質的には“文化の違い”に帰するわけですが、清水監督はそのあたりを非常に良くわかっているのでこのハリウッド版「呪怨」シリーズに関してはある意味安心して観ることができます。(特典映像に収録されているインタビューを観るとこの話が日本とアメリカの双方の観点から語られているので面白いです)
だからといって先に述べたようにハリウッド・リメイクがジャパン・オリジナルを越えるなんてことはない(と思っている)のですが、この「呪怨パンデミック」に関してはオリジナル作品にはない“伽椰子 誕生の秘密”が入っている故、十分に観る価値があります。無論その“秘密”とやらが(「回路」のリメイクのように)“安易な理由付け”になってしまっている場合は評価に値しないわけですが、この作品に関しては文句なしでしょう。なぜならその“秘密”というのが極めて“おぞましい”ものだから。この内容ならばオリジナル作品に入っていても違和感はなかったと思います。(個人的にはやはり入っていない方が好きですが)
そんなわけで★4つです!5つでないのは無論オリジナル「呪怨」に敬意を表したから。